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第二章ようこそ『ナイトレイヴン』へ!

「ん?」


「おっ! 気がついたか少年」


 気がついたら見知らぬ建物にいた。


 周囲を確認すると木造建築でところどころボロい建物の中にいたようだ。


「ここは?」


「ここはレギオン『ナイトレイヴン』のホームよ」


 シアと呼ばれた少女が水の入ったコップを持ってやってきた。


「どうぞ」


「ありがとうございます」


 喉が渇いていたのですぐに飲み干してしまう。


「そんなに慌てなくても大丈夫よ」


「すいません」


「元気があっていいじゃねえか」


 テトラと呼ばれた少女が豪快に笑う。


「あの後どうなったのですか?」


 俺は落ち着きを取り戻し、あらためて質問した。


「そうだな、なにから話したもんか、こういうのはシアが向いている! という訳で後は任せた」


「はいはい、薄々そんな気がしていたわ」


 シアと呼ばれた少女から話を聞く。


 とりあえず街中に出現したモンスターは各レギオンが力を合わせて全て討伐されたらしい。


 次に俺を買った奴隷商人は今回の責任をもみ消す事はできなかったらしく、憲兵に捕まって余罪を取り調べされているとの事。


 俺以外の奴隷達のほとんどは別の奴隷商人に売られたか死んだかの二択らしい。


「どうして俺はここに?」


 話を聞くかぎり俺も他の奴隷同様、奴隷商人に売られているはずではないかと思ったのだが、レギオンのホームにいるのは何故なのか。


「それはだな、レギオンリーダーの私から話そう」


 テトラが横から会話に入ってきた。


「実は少年、君は我が『ナイトレイヴン』の一員として引き取ったのだよ!」


 テトラがドヤ顔で指を指してくる。


「どうして俺なんかを? 俺はただの奴隷ですよ」


「謙遜するな、リザードランナーを一人で追い詰めた事を見れば、実力は十分。それにこのレギオンの理念に合っていると思ったからな」


「レギオンの理念?」


「そう! このレギオンは地位が低い者達が地位向上を目指して私が作ったレギオンなのだよ!」


 周囲を見渡すとこの建物の中にいるのは獣人族、エルフ、ドワーフなどの亜人族しかいなかった。


「君は見たところこの国の人間ではないだろう?」


 テトラは俺の外見から推理したのだろう、この国の人間は金髪碧眼が一般的だ。対して俺は真っ赤な髪と瞳をしている。


「私達を下に見ている連中に一泡吹かせてやりたいとは思わないか?」


「それは」


 確かに俺を人と思わない連中に自分を認めさせたいと、思ったのは一度や二度ではない。


「このまま奴隷として負け犬になるか、レギオンに入って活躍し賞賛される事のどちらがいい?」


 テトラが手を伸ばしてきた。


 これはチャンスだ、奴隷から人になる為の。


 気がつけば俺はテトラの手を握っていた。


「ようこそ少年、我が『ナイトレイヴン』へ!」


 周りから歓声が上がる。


「ところで少年? 名前を聞いていなかったね」


「俺に名前なんてない、呼ばれるのは十三番という番号だけだ」


「それじゃあ味気ないな、おい皆集まれ! 新入りの名前を考えるぞ!」


 テトラがそう叫ぶとホーム内のレギオンメンバーが集まり、会議を始めた。


「赤いからストロベリーはどうじゃ?」


「いくらなんでも男にストロベリーは似合わないだろ」


「じゃあフレイムはどうかしら?」


「魔術にそんな発音のやつがなかったか?」


「紛らわしいな」


「じゃあどうする?」


 会議は難航しているようだった、俺の髪の色から色々と連想しているようだがイマイチ、ピンとくるものがない。


「グレン」


 誰かそう言った。


「東洋の島国で炎の色のたとえだったか?」


「いいんじゃねえか」


「確かにこれならお似合いだ」


「そういう事で少年、いや、今日から君はグレンだ!」


「グレン」


 不思議とその名前に違和感はなかった。


「俺はグレン、今この時からグレンだ!」


「どうやら気に入ったみたいだな、野郎ども! 今夜は宴だ! 飲んで、食って、暴れるぞ!」


「「うおー!」」


 叫び声がホームを揺らす。


 この後の事は酔った事もありあまり覚えていない、だけど産まれて初めて心から楽しいと感じた時だった。



「面白かった!」




「続きが気になる、読みたい!」




「今後どうなるのっ……!」




と思ったら




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面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!




ブックマークもいただけると本当にうれしいです。




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