表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/27

新人類戦記第三章聖域第9回ビザゴス共和国ジョバ川で 竜とジウが乗っている商船クリスチャン号に対して,ビサゴス海軍のホーバークラフトが停船を命じた。

新人類戦記 第三章 聖域 第9回

作 (198の年作品)飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

(アメリカとソビエトの冷戦時代の話です)



■ビザゴス共和国、ジョバ川クリスチャン船上


 ビザゴス共和国、ジョバ川の南で、日本の

商船クリスチャン号が停船している。


 崔船長はクリスチャン号の船室の一つで、

ビザゴスの海軍将校と、押し問答を行なって

いた。


「ダマル中尉、とおっしゃいましたね。失礼

ですが。ビザゴスのボグラ政府の承認書をお持ちでしょ

うか」


「キャプテン、それでは我々をビザゴス海軍

の者ではないと疑っているのかね」


「いえ、けっして。そういうわけではありま

せん。が、一応、念には念を入れませんと。

何しろ、積み荷が債み荷ですからね。特に解

放戦線側の武装ポートには気をつけませんと

ね」


「わがらん男だね、君も。ここらが危険地域

だからこそ、我々ビザゴス海軍のホーバーク

ラフトで守りに来たのではないか」


「何といわれようと、くりかえすようですが、

ビザゴスのボグラ政府ラオメ大統領の承認書を見せていただきたい」

「わかった」

 ダマル中尉は、脇につけた皮バックの中を

探していた。が次に崔船長の目の前に現われ

たものは別の物だった。彼の手にはベレッタ拳銃

がにぎられている。


「キャプテン崔、残念ながら、そんなものはな

い。この船は我々が貰い受ける。推測通り、

我々はビザゴス解放戦線のものだ。

現在から我々の命令に従いたまえ」


 崔船長は、拳銃を見ながら、にやりと戦った。

「ダマル中尉。あなたは結論を急ぎすぎる傾

向がありますな」


 崔船長の背後のボードがゆっくりと上にあが

った。屈強な男達数名が、ショットガンを

溝え、ダマル中尉をねらっている。


「さあ、拳銃を捨てていただこう」

「くそっ、なぜ、わかったのだ」


 ビザゴス解放戦線のダマル中尉は床に拳銃をおとす。

「我々はボグラ政府に正確な航行スケジェー

ルを連絡してはいない。


それゆえに迎えにく

るわけがないのだ。それはビザゴスのラオス大統領の使

令だった。すでに君の仲間二人も武装解除し

た。それでは今度は私の質問に答えてもらお

う。我々の船をジョバ川のどこにつけるつも

りだったのだね。


そこに君達ビザゴス解放戦線の基地があるん

だね。それにクリスチャン号の運行スケジュ

ールを誰から手に入れたのかね」


 ダマル中尉と名のった解放戦線の男は押し

だまったままである。


「わかった。時間をかけて尋ねる事にしょう

いやでも君は言わざるを得なくなるだろう。

私達にはそれに対する準備がある。それにこ

のクリスチャン号は、外観ほど柔わではない。

君達の仲間もやがて。それを思い知る事にな

るだろう。よし、この男と他の二人を船室に

厳重にとじこめておけ」


 ビデゴス海軍の旗を掲げたホーバークラフ

卜は、クリスチャン号に横付けされたままだ

った。クリスチャン号のサーチラ

イトが、それを照らし続けている。


 重機銃はホーバークラフトの方へ向けられ

ている。

 ホーバークラフトの中にはまだ数名がいる

ようだった。

 クリスチャン号崔船長の声が船外スピーカ

ーから流れてきた。


「ホーバークラフトの解放戦線の諸君、降伏

したまえ、君達の仲間の三人はすでに捕えた。

返事を一分間だけ待つ」

 


クリスチャン号の機銃座に付いていた斉藤

は危険を感じた。まだジウの殺人精神波を統

べるすでを彼らは見いだしてはいないのだ。

この戦いが地獄となる可能性がある。


 斎藤は船室にいる弟の泉ことジウの所へ帰

ろうとした。

「待て。持ち場を離れるな。きさま、おじけ

づいたのか」


新人類戦記 第三章 聖域 第9回

作 (198の年作品)飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

(アメリカとソビエトの冷戦時代の話です)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ