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新人類戦記第三章聖域第12回英領ポートモレスビー港に、ソビエト船ノブゴロドフ号が到着しシュチュエフキン大尉を中心に、ソビエト超能力戦士部隊が、 ビザゴス政府とジウ、龍に戦いを挑む


新人類戦記 第三章 聖域 第12回

作 (1980年作品)飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

(アメリカとソビエトの冷戦時代の話です)


■ビサゴス国境地帯 上空


 ビザゴス空軍のコイン機OV10Aプロンコ


が。クリスチャン号を捜索のためジョバ川を


南下していた。 マルレ中尉はコイン機を飛ばしながら、う


んざりしていた。いい気持で寝ていたところ


をビザゴス空軍長官の電話でたたきおこされたのだっ


た。


「黒んぼのくそったれめ」


 マルレもミラー少尉と同様、白人傭兵であった。


そのマルレは悪態をついた。


 かすかにジョバ川の上に沈みつつあるクリ


スチャン号のマストが出ていたのだが、前日


からの二日酔いに苦しんでいたマルノ中尉の


目には、とまらなかった。


 マルノ中尉が、フランス空軍から追い出さ


れたのも、もとはといえば、この酒ぐせのた


めであった。




■英領南西アフリカ/ポートモレスビー




ここポートモレスビー港も夕闇でつつまれ


ていた。ソ連船ノブゴロドフ号はポートモ


レズビー港に入港していた。



 埠頭に、一台のベンツが止まった。インド


系アジア人のリフとこの男に脇を固められた


CIAアランが車から降り、船外タラップを登って


いった。


 彼らが案内された船室には三人の男が座っ


ていた。


 一人はソ連KGB第一総局・超能力戦線主任、


シュチェフキン大尉。


 一人はPLOコマンドであったアラブ人、


ダレルである。




 もう一人は、ベトナム人であり、ジウと共


にブラックウッド博士の在ベトナム米軍超能力戦士部隊


ドであったが。現在はKGBの超能力戦士


である、ルンであった。




「同志シュチェフキン、私が英領南西アフリカ


ポートモレスビーにおける情報責任者リフです。


それにビザゴス解放戦線の、こちら側での責任者でもあ


ります」


 リフは自己紹介をした。


「同志リフごくろうだった。こちらは超能力戦士戦士の


同志ダレルと同志ルンだ。ところで君は我々におみや


げを持ってきてくれたようだね」


「そうです。こいつです。CIAのエージェ


ント、アランです」


 アランの意識は混濁したままだ。眼に


生気がない。


「彼から得た情報か」


 シュチェフキンはアランの顔を持っていた


指揮棒でつついた。


「そうです。同志大尉。貴国ソビエト連邦が開発したサイコ=トレー


ナーにより、白白させる事ができました」


「で、米軍のカイザー部隊は」


「彼、アランの話では、本日の昼、ビザゴスに到着するはずだっ


たのですが」


「あらわれなかったというのか」



「そうです。ポートモレスビー空港に我々の


手の者を配して、見張らせたのですが」


「彼らはアコンカグワ山のプクラの森にいる」


 考え込んでいたダレルが急に発言した。



「何だって」


 ダレルは続ける。


「私は透視したのだ。カイザー部隊の隊長デ


ューク島井は私の宿敵だからね。彼の位置は



よくわかるのだ」


 デューク島井は、マレーシアへ、竜とジウ


を抹殺にむかう途上、PLOであったダレル


と対決したのだ。マレーシア航空機ハイジャックに失敗したダ


レルはテレポートして逃げ去った。




しかし、デューク島井はアルジェリア、アルジェ港に隠れてい


たダレルを殺しに来たのだ。


ダレルは危い所をこのソ連船ノブゴロドフ号にテレポートし


てきていた。



「それでダレル同志、君はこの船からアコンカグワ山


までテレポートできるのかね」


 シュチェフキン大尉が尋ねた。


「だめだ。アコンカグワ山付近に恐るべ


き霊力、魔力が存在する。それが私がテレポ


ートするのを阻害している」



 ダレルにはめずらしく、自分の能力を否定


した。


「アコンカグワ山ですって」


 リフが声を上げた。


「どうしたのだ。リフ」



「いえ、これもアランから聞き出した話なの


ですが、そのアコンカグワ山の名前が度々出


てきたのです」


「話してみろ」


「ポートモレスビーの裏の世界で幅きかせ


ている男で、トルワイユといラフランス人が


います。その男に、アランは二人の男女を


アコンカグワ山まで連れていくべく、漁船イデ


ア号を手配したのです。これが二人の写真で


す」


 リフは、トルワイユが陳と会っている写真


と、イデア号がサンテ桟橋から出発した時の


写真を見せた。


 ベトナム人ルンもこの時、アコンカグワ山


という言葉を聞き、驚いていた。


 ルンが、ノブゴロドフ号に乗ってソ連のバ


ルト海沿岸リガ港から出発する以前から、毎


夜見る夢にそのアコンカグワ山が表われてい


たからだ。


そして夢の中で姿なきものがアコンカグワ山


ヘ来いと呼びかけていたのだ。


 ルンはその写真の女性の男を見た。ジウだ


ジウに違いない。


「ルン、どうしたのだ。その女を知っている


のか」


「ジウです」


「何だって、では彼女がベトナム・カンボジア国境地帯


で、クチニンの虐殺事件を起こしたジウか」(第1章参照)


「そうです。彼女に間違いありません」


 KGBはベトナムで、もとベトコン(南ベトナム解放戦線)


の勇士ハイニンを使いジクを手に入れようとして失敗していた。



「それは願ってもない機会だ。とするとこの


男は。日本情報部「サムライノクニ」のエージエン卜だった東郷


竜に違いない。


ルン、彼らの乗っているイデア号がどこにいるかを透視してみろ」


「それから日本情報部についての話もあるのです」


 リフが続けた。


「日本は韓国に東洋商事というダミー会社をつくり、クリスチャン号という商船に原爆を


積み込んでいます。ビサゴス、ボグラ政府ラオメ大統領に売る予定だったようです」


「というと」


「私はその情報をすぐに解放戦線本部に伝え


ました。今頃、クリスチャン号を奪取するた


めの攻撃が行なわれているはずです。


それにラオメ大統領は原爆の設置のためにフラン


スのソルボンヌ大学に留学していた学生ニエレレ


を呼びかえそうとしたのですが、我々は彼を


奪取しました」



「ごくろう。すべて順調だな。でその日本情報部の情報はどこから得た」


「日本の情報部の桜木という男です。アマチュアでした」


「日本の情報部の桜木の処分はどうした」


「住んでいたホテル=ジャネイロの7階全部


を吹き飛ばしました」


 ルンがうめき声をあげた。


「どうしたんだ」


「おかしい。今、透視で見えました。竜とジウは草原地帯をホーバー


クラフトで進んでいるようです。殺人精神波で死をまきちらしながら進んでいる」


「何だって」


「それにクリスチャン号はすでに爆破で沈んでいるようだぞ」


 ダレルが透視して付け加えた。


「では原爆はどうなっているんだ」


「今はイデア号に積み直されたようだ。それも三発だ」


 ダレルが言う。


「竜とジウはイデア号に乗っているとリフが言っていたが、それはどうだ」


 ルンが答えた。


「確かに男と女の二人連れが乗っています。


うん。侍てよ。こいつらの顔は確かにジウと竜にそっくりですが。人が違うな」


「ということは」



「どうやら影武者のようだな」


 ダレルが言った。


「事態は思ったより早く進行しているようだ



「という事はシュチェフキン大尉」


 リフははずんで言った。


「そう、我々ソビエトの超能力戦隊をすみやかにビ


ザゴス内に移動させよう。さらに原爆を早急


に開放戦線の手中にする事だ。さてまず手始


めにこのポートモレスビーにおけるCIAの


残党を処分しなければならんな。


これはダレルとルンにまかせよう。彼らは各々CIAに


はうらみを持っているはずだからな」


「それから、同志シュチェフキン大尉、ここにはもうI人


じゃまな者がいます」 リフが言いそえた。


「誰だね」


「日本政府情報部の香月茂という男です。桜木の助っ人としてこの国に米たようです」


「よし。そちらの方は、リフ、君にまかせよう」


「いずれも事を早く運びたまえ、処分後、このノブゴロドフ号に塔載されているSTOL


機をつかってビザゴス共和国ボゴダヘ向かおう」





新人類戦記 第三章 聖域 第12回

作 (1980年作品)飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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