表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

鹿野馬田高校新聞部(前編)

カウテラツリアの得体の知れない何かです。

プロローグ


日本のどこかに鹿野馬田高校(しかのうまだこうこう)という高校がある。若干(じゃっかん)悪意のある学校名で分かる人もいるが、鹿野馬田高校(しかのうまだこうこう)馬鹿(ばか)な生徒が集まる高校である。馬鹿といっても、テストの点が低いとか、変な行動をよくとるなどのようなレベルの馬鹿ではない。鹿野馬田高校(しかのうまだこうこう)に来るような馬鹿は空前絶後(くうぜんぜつご)(過去に一切無く、未来にもおそらく無い)レベルの馬鹿である。例としては、授業の内容どころか、一般常識すら分からない人、イラッとすると、周囲の人に限らず、周囲の物まで無茶苦茶に八つ当たりする人、人間性が完全に逸脱(いつだつ)している人などだ。これ程の馬鹿は普通はあり得ない。だが、今の日本にはそれほどのどうしようもない馬鹿がいるのが事実である。鹿野馬田高校(しかのうまだこうこう)はそんな空前絶後レベルの馬鹿を一人前の人にして社会に出すのを目的としているのだ。そんな重大な役目を(にな)っているのは日本のトップレベルの政治家から何度も行われた調査によって選び抜かれた全国の小学校、中学校、高等学校、大学校の職員である。その職員達はいわば、馬鹿に対しても一切(いっさい)(おく)する事が無く、上手く向き合える逸材(いつざい)である。

そんな鹿野馬田高校(しかのうまだこうこう)だが、職員の負担をできる限り少なくするために、部活動は無い。ただし、生徒からの申請(しんせい)があった際は、3人以上の生徒(普通の学校なら5人程必要だが、鹿野馬田高校(しかのうまだこうこう)は部活動においては、生徒が集まりにくい傾向(けいこう)がある)を集めた上で、半数の職員からの許可を得れば、部活動として創設される。とはいっても、鹿野馬田高校(しかのうまだこうこう)の生徒は普通は部活動を創設しようとはしない(部活動なんてやる気にならない)。しかし、鹿野馬田高校(しかのうまだこうこう)が創設してから、1人だけ申請してきた生徒がいた。その生徒の名前は女子の牛島新絵(うしじまあらえ)。2年生の3月の時に、同級生で女子の鳥池舞桜(とりいけまお)と、1年生で男子の熊谷凡太(くまたにぼんた)と一緒に理事長(りじちょう)で女性の鹿野晴海(しかのはるみ)に申請した。その次の月の4月に大半の職員から許可を得て、新聞部は創設された。

現在、鹿野馬田高校(しかのうまだこうこう)の新聞部は3年生で女子の牛島新絵(うしじまあらえ)(部長)、3年生で女子の鳥池舞桜(とりいけまお)(副部長)、2年生で男子の熊谷凡太(くまたにぼんた)(部員)、1年生で女子の猫岸凛花(ねこぎしりんか)(新入部員)、職員で男性の猿川篤郎(さるかわあつろう)(顧問(こもん))がいる。




1話 龍崎久留美(りゅうざきくるみ)の大変な恋愛


鹿野馬田高校(しかのうまだこうこう)新聞部の部室で4人の生徒が鹿野馬田高校(しかのうまだこうこう)についての新聞を作っている時。新聞部の部室の扉が開かれ、理事長の鹿野晴海(しかのはるみ)(あき)れたような表情で、部室に入ってきた。

「新聞部の皆さん。あの虎川がまた浮気したようだ」

鹿野晴海(しかのはるみ)が虎川と言ったその人の名前は虎川大輝(とらかわたいき)鹿野馬田高校(しかのうまだこうこう)の2年生の男子である。他校の女子高生の龍崎久留美(りゅうざきくるみ)という彼女がいるのに、堂々と他校の別の女子高生と浮気をする馬鹿である。

鹿野晴海(しかのはるみ)の言葉に虎川大輝(とらかわたいき)の同級生の熊谷凡太(くまたにぼんた)鹿野晴海(しかのはるみ)と同じような表情になった。

「あの馬鹿の虎川はまた浮気したのか。()りないなぁ。もう4回目だぞ。3回の仏顔(ほとけがお)も無くなったしゴートゥーヘルでいいだろ!」

熊谷凡太(くまたにぼんた)の発言に続いて、鳥池舞桜(とりいけまお)はため息をついて(しゃべ)りだした。

「ほんとだよ。龍崎さんは馬鹿の虎川にとっても一途(いちず)なのにね。なんであんな馬鹿の虎川の事を好きでいられるのかなぁ。あんなゴミクズ(あや)めてしまってもいいと思うよ! あと熊谷。3回の仏顔(ほとけがお)じゃなくて(ほとけ)(かお)も3度までだ」

すると、鹿野晴海(しかのはるみ)が、熊谷凡太(くまたにぼんた)鳥池舞桜(とりいけまお)の方を交互に向いた。

「君たち虎川の事をそんな風に言うのはやめようよ。さすがに酷い。せめて、浮気大好(うわきだいす)最悪最低(さいあくさいてい)リア(じゅう)のクズ野郎にしようよ」

すると、部長の牛島新絵(うしじまあらえ)鹿野晴海(しかのはるみ)の方を見て、「理事長の方が酷いですよ」と言った。だが、鹿野晴海(しかのはるみ)は一切気にせず、真面目な表情になって、顧問の猿川篤郎(さるかわあつろう)の席に座って喋りだした。

「新聞部の皆さん。とらか……浮気大好き最悪最低リア充のクズ野郎の事でお願いがあ――」

(いや)です断固拒否します理事長がやってください」

鹿野晴海(しかのはるみ)のお願いの途中で、鳥池舞桜(とりいけまお)鹿野晴海(しかのはるみ)のお願いを拒否する発言をした。だが、そんな鳥池舞桜(とりいけまお)に対して、鹿野晴海(しかのはるみ)反論(はんろん)する。

「なんでだよ? これは君達の仕事だ。浮気大好き最悪最低リア充のクズ野郎の愚行(ぐこう)をたくさんの人に知っても――」

(だま)れ自分でやれ。私達は私達の仕事で忙しいので」

理事長である鹿野晴海(しかのはるみ)に対してタメ口を使って反抗する鳥池舞桜(とりいけまお)。そんな鳥池舞桜(とりいけまお)に対して、言い返しをしようと鹿野晴海(しかのはるみ)は口を開こうとした。が、突然、新入部員の猫岸凛花(ねこぎしりんか)が席から立った。そして、鹿野晴海(しかのはるみ)の方を真顔、というよりかは何故かドヤ顔で向いた。

「その依頼。このあたしがやります」

猫岸凛花のその言葉に鹿野晴海(しかのはるみ)は驚いた。

「……ん!? いいのか!?」

勿論(もちろん)です理事長。あたしなら馬鹿の……浮気大好き最悪最低リア充のクズ野郎である虎川の間抜(まぬ)けっ(つら)をしっかりとらえてみせます。期待して待っていてください」

鹿野晴海(しかのはるみ)は「そ、そうか。あ、ありがとう。一応言っとくけど虎川先輩な」と言って、猫岸凛花(ねこぎしりんか)会釈(えしゃく)して、新聞部の部室を出た。

その後、猫岸凛花(ねこぎしりんか)は早速、カバンを持って、牛島新絵(うしじまあらえ)の方を向いて、「部長! 浮気大好き最悪最低リア充のクズ野郎の虎川……先輩の盗撮(とうさつ)に行ってきます!」と言って、部室を出た。牛島新絵(うしじまあらえ)(わず)かに微笑(ほほえ)みながら、鳥池舞桜(とりいけまお)に対してこう言った。

「猫岸さんは良い子だね。どう思う? 先輩擬(せんぱいもど)きの鳥池舞桜(とりいけまお)

その発言に、鳥池舞桜(とりいけまお)(とぼ)けた表情でよそ見をして「()~…(ふん)(ふん)」と言った。どう見てもふざけている。


部室を出た猫岸凛花(ねこぎしりんか)は職員室にいる顧問の猿川篤郎(さるかわあつろう)の所に来た。

「先生。あたし今からうわ……虎川の事を盗撮します」

途中がちょっと分かりにくい言い方だが、猿川篤郎(さるかわあつろう)は馬鹿の虎川の事だとすぐに(さっ)した。

「なるほど。それは良い事だ。馬鹿の虎川のあんなことやこんなことやそんなことを徹底的(てっていてき)に調査しろ。……盗撮じゃなくて調査しろよ」

「勿論です。馬鹿の虎川のざまぁタイム。スタートです」

猫岸凛花(ねこぎしりんか)は変な事を言って、職員室を出た。猿川篤郎(さるかわあつろう)は1人で「なんだよざまぁタイムって……」と言った。




その日の午後6時。猫岸凛花(ねこぎしりんか)は1時間前の午後5時から馬鹿の虎川の部屋の窓の下にいた。馬鹿の虎川の部屋はアパートの1階なので、待機(たいき)しやすかった。猫岸凛花(ねこぎしりんか)こっそり、スマートフォンのカメラで馬鹿の虎川の部屋の中を盗撮している。猫岸凛花(ねこぎしりんか)に盗撮されていることを知らない馬鹿の虎川は呑気(のんき)に床に寝転がりながらスマートフォンを見ていた。窓は網戸(あみど)だけ閉めている状態だったので音声も聞こえるのだが、その音声が、

『お兄ちゃん! 胸を触らないでって何度言ったら分かるの!? いい加減にしないとぶっちゃうよ!』

というものだった。それで、馬鹿の虎川は小さな声で「ハッハー! 君の胸が魅力的(みりょくてき)だから触りたくなっちまうのさ。俺ってぇ罪な男だぜぇ」と言った。その様子を見た猫岸凛花(ねこぎしりんか)は思わず小さな声で「……おぅ」と言った。そう、馬鹿の虎川が今しているのはスマートフォンの恋愛ゲームである。猫岸凛花(ねこぎしりんか)はスマートフォンの恋愛ゲームの事はとても素晴らしいと思っている。しかし、そのゲームをしている時にキザな事を言っている奴にはドン引きである。

その後も、馬鹿の虎川がスマートフォンの恋愛ゲームをしながらキザな事を言いまくっていた。いくつかあげるとすれば、

『お兄ちゃん! ほっぺを引っ張らないでよ! 私のほっぺはおもちゃじゃないんだから!』

「ハーハッハッハァ! 餅よりやわらかい君のほっぺが悪いのさぁ」


『お兄ちゃん。頭なでなでしてよ~』

「フッ。俺のなでなでは高価だぜぇ」


『お兄ちゃん。私……お兄ちゃんの事独り占めしたいよぉ。いい? ……いいよね!』

「良いぜぇ。俺はいつでもウェルカムだぜぇ」


猫岸凛花(ねこぎしりんか)にとって馬鹿の虎川の行動がエロ漫画のキモいおっさんの手前の状態な程、キモかった。猫岸凛花(ねこぎしりんか)は馬鹿の虎川にドン引きしまくりながら、それを聞いていた。

午後6時53分。ようやく馬鹿の虎川はゲームを終えた。すると、馬鹿の虎川は部屋の床に落ちていたジャージに着替えた。そして、部屋を出た。猫岸凛花(ねこぎしりんか)は馬鹿の虎川を尾行(びこう)した。


午後7時10分。馬鹿の虎川と馬鹿の虎川を尾行している猫岸凛花(ねこぎしりんか)は近くの町に来た。すると、馬鹿の虎川は町の広場の噴水(ふんすい)のそばにいる女の子の所に行った。だが、その女の子。とんでもない程の美少女(びしょうじょ)だった。さらさらの長い黒髪、とても色の薄い肌、整いすぎている顔、そして、服の上からでも分かる抜群のスタイルと、見た目に非のつけどころが無かった。

猫岸凛花(ねこぎしりんか)は馬鹿の虎川があの美少女をナンパするのかなと思いながら見ていた。馬鹿の虎川はその美少女に近づこうとすると、美少女は凄く可愛い笑みを浮かべて馬鹿の虎川に近づいた。馬鹿の虎川は「やぁ龍崎久留美(りゅうざきくるみ)ぃ。俺に会えなくて寂しかったかあい?」とキザな発言をした。だが、その時、猫岸凛花(ねこぎしりんか)は思った。

(鳥池先輩が言っていた龍崎さんってあの美少女!?……おぅ。見事に釣り合わないよ)

釣り合わない。それは見た目ではっきりしている。龍崎久留美(りゅうざきくるみ)と違い、馬鹿の虎川はとても平凡(へいぼん)な見た目で、見た目に全く取り()が無い。なのに、イケメンぶってキザな発言をしまくっているのだ。

でも、龍崎久留美(りゅうざきくるみ)はそんな平凡な馬鹿の虎川の事が大好きなのだ。だから馬鹿の虎川を見つけた時は笑顔になるのだ。


龍崎久留美(りゅうざきくるみ)は馬鹿の虎川の隣に行くと、早速、馬鹿の虎川と手を(つな)いだ。龍崎久留美(りゅうざきくるみ)は笑みを浮かべながら「ねぇ大輝(たいき)くん。私ちょっと公園に行きたい」と言った。声も凄く可愛く、ますます釣り合わないと馬鹿の虎川を尾行している猫岸凛花(ねこぎしりんか)は思わざるおえなかった。


人がいない小さな公園に龍崎久留美(りゅうざきくるみ)と馬鹿の虎川は来た。猫岸凛花(ねこぎしりんか)は公園のトイレのそばにいる。龍崎久留美(りゅうざきくるみ)は馬鹿の虎川の正面に立って、持っていたバッグから7枚の写真を取り出し、こう言った。

「大輝くん。こいつら……(だれ)?」

声に少し怒りを感じた馬鹿の虎川は7枚の写真を見た。

1枚目の写真には喫茶店(きっさてん)で馬鹿の虎川の隣に座っているギャルっぽい女の子。

2枚目の写真にはアニメショップで馬鹿の虎川と一緒にライトノベルを見ている眼鏡(めがね)をかけた女の子。

3枚目の写真には神社(じんじゃ)で馬鹿の虎川と一緒に参拝(さんぱい)をしている身長の高い女の子。

4枚目の写真にはラーメン屋で馬鹿の虎川の隣に座っている大人の女性。

5枚目の写真には電車内(でんしゃない)で馬鹿の虎川と一緒に景色を見ているポニーテールの女の子。

6枚目の写真には鹿野馬田高校(しかのうまだこうこう)の運動場で馬鹿の虎川の頭を叩いている女の子。

7枚目の写真には馬鹿の虎川の部屋を窓から見ている女の子。

以上の7枚が龍崎久留美(りゅうざきくるみ)が出した写真である。馬鹿の虎川は笑顔だけど怒りが混じった笑顔をしている龍崎久留美(りゅうざきくるみ)に一切ぶれずに説明を始めた。

「俺と喫茶店にいる女の子は春香(はるか)さん。俺とアニメショップにいる女の子は佳奈(かな)さん。俺と神社にいる女の子は美結(みゆ)さん。俺と電車にいる女の子は志歩(しほ)さん。俺の高校で俺を叩いてる女の子は綾乃(あやの)さん。ラーメン屋の女と俺の部屋を見ている女は知らない。あと、春香さんと佳奈さんと美結さんと志歩さんは久留美さんとは別の俺の彼女だ」

だが、突然、龍崎久留美(りゅうざきくるみ)から笑顔が消えた。怒りの混じった真顔になっていた。そんな龍崎久留美(りゅうざきくるみ)に馬鹿の虎川は一切ぶれずに「ん~? どうしたぁ?」と言った。すると、龍崎久留美(りゅうざきくるみ)はなんとか冷静さを保ちながら聞いた。

「私以外にも……彼女が……いるの?」

「うん」

「なん……でなんで私以外の女を彼女にしたの?」

「可愛かったから」

「そんなの……私の方が」

「まあね。俺の彼女で一番可愛いのは久留美(くるみ)さんだ。だが、それはこの世界でだけの事だ」

「え? ……それってどういう事?」

「俺の彼女で一番可愛いのはなぁ」

馬鹿の虎川はそう言うと、スマートフォンを取り出した。そして「この俺の妹だぜ!!」と言った。その妹は恋愛ゲームのヒロインである。馬鹿の虎川が部屋の中で相手していた女の子だ。

そんな事を聞かされた龍崎久留美(りゅうざきくるみ)は馬鹿の虎川に「ちょっとそのスマホ……貸して」と言った。馬鹿の虎川は「それは出来ない。この中には俺の妹であり、将来の(よめ)がいるのだからな!!」と言って渡さなかった。すると、龍崎久留美(りゅうざきくるみ)は「そっ……か」と言って、バッグから包丁(ほうちょう)、ではなく、小刀(こがたな)を取り出した。そして、馬鹿の虎川に言う。

「そのスマホ。今から()るから……貸して」

(いや)だね! 俺の将来の嫁を殺す気だな! させん!!」

馬鹿の虎川は逃げた。しかし、龍崎久留美(りゅうざきくるみ)小刀(こがたな)をナイフのように投げ、馬鹿の虎川のスマートフォンを貫通(かんつう)した。馬鹿の虎川のスマートフォンは壊れた。馬鹿の虎川は自身のスマートフォンが壊れた事に気づくと、振り替えって龍崎久留美(りゅうざきくるみ)の方を見た。

「おのれぇぇぇ!! 龍崎久留美(りゅうざきくるみ)ぃぃぃ!! ゆるさんぞぉぉぉ!!」

馬鹿の虎川はぶちギレた。しかし、龍崎久留美(りゅうざきくるみ)は落ち着いた表情で言う。

「私は大輝くんを傷つけたりはしないよ。だけど、私以外の大輝くんの彼女はみんな殺さないとね。……大輝くん。少し待ってて」

龍崎久留美(りゅうざきくるみ)は公園を出て行こうとするが、馬鹿の虎川は龍崎久留美(りゅうざきくるみ)を止めた。そして、馬鹿の虎川は言う。

「行かせはせんぞ! どうしても行きたければ! 俺を倒してからにしろぉぉぉ!!」

突然きた、王道(おうどう)なのか邪道(じゃどう)なのかわからない展開(てんかい)。しかし、龍崎久留美(りゅうざきくるみ)は「ダメ……大輝くんが傷ついちゃう」と言い、馬鹿の虎川から離れようとする。だが、馬鹿の虎川は「なにぃ!? 俺が負ける前提(ぜんてい)で話しを進めているな! そうはいかん! 俺が勝つからなあ!!」と言って、龍崎久留美(りゅうざきくるみ)に立ち向かった。

夜の公園で龍崎久留美(りゅうざきくるみ)と馬鹿の虎川の戦いが始まった。




それから9秒後。馬鹿の虎川はうつ伏せになっていた。

「くっそぉぉぉ!! 俺の負けだぁ!! 龍崎久留美(りゅうざきくるみ)!! お前よくも俺の股間(こかん)()ったな!」

「だ……だって、その方が終わらせやすかったし…」

あまりにも早く終わった戦いに猫岸凛花(ねこぎしりんか)唖然(あぜん)としていた。馬鹿の虎川はあっさり負けてしまったので呆然(ぼうぜん)としていた。

龍崎久留美(りゅうざきくるみ)は馬鹿の虎川に言った。

「大輝くん。私以外の大輝くんの彼女は殺すからね。俺を倒してからにしろってさっき言ったけど、倒したから……ね。だから」

「……構わん。()け」

「……うん。わかった」

馬鹿の虎川の発言で、龍崎久留美(りゅうざきくるみ)龍崎久留美(りゅうざきくるみ)以外の馬鹿の虎川の彼女を殺しに行った。

それを見ていた猫岸凛花(ねこぎしりんか)龍崎久留美(りゅうざきくるみ)殺意(さつい)の恐怖よりも馬鹿の虎川の雑魚(ざこ)っぷりに呆然(ぼうぜん)としていた。




しかし、龍崎久留美(りゅうざきくるみ)による殺人事件が起きる事は無かった。なぜなら、警察を来た。ということではなく、龍崎久留美(りゅうざきくるみ)が最初に向かったのが馬鹿の虎川の彼女ではない綾乃の所だったのだが、やたら身体能力の高い綾乃にコテンパンにされたからである。





1週間後。鹿野馬田高校(しかのうまだこうこう)の校内や校外の掲示板に新聞部が作った馬鹿の虎川の事ばかりが書かれた新聞が貼られた。さすがに部屋の中での事は書いていないが、浮気しまくっている事はバッチリ書かれた(彼女達の名前は秘密である)。

そもそも馬鹿の虎川は鹿野馬田高校(しかのうまだこうこう)内では悪い意味で有名人なので、校外の人に生徒達がどんどん悪い(うわさ)を広めていった。そのせいで、馬鹿の虎川の彼女は馬鹿の虎川を見捨てる事の無かった龍崎久留美(りゅうざきくるみ)だけとなった。しかし、悪い噂のせいでデートができなくなってしまった。完全に自業自得(じごうじとく)である。




猫岸凛花(ねこぎしりんか)は言う。

「馬鹿、及び、浮気大好き最悪最低リア充のクズ野郎の虎川……先輩はチャラチャラした馬鹿(ばか)。……馬鹿者(ばかもの)。……馬鹿野郎(ばかやろう)ですね!」

こんな変な何かを読んで下さった方には感謝です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点]  中身がとても面白いですね。  虎川くんをディスってる所めっちゃ好き  虎川くんの初登場時の恋愛ゲーム面白すぎるわぁ……  猫岸さん可愛い……  濃いキャラを動かすのが得意なのは羨ましい限…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ