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第七話 事業設立

 事業を設立するにあたって私は3人の人物を呼び出した。少ないとは思うが今まで私を手助けしてくれた信用してもいい人々だ。50人いてもこの3人に適わない。

 それに私は事業以外にも考えないといけないことがある。それは国外追放された後のことだ。もしもゲームの通りに話が進むなら私は死ぬルートもある。だから主人公次第で私が生きるか変わってくる。


 まずゲームについて大まかな説明をしていく。ゲームの主人公は従姉妹のエレナだ。そして攻略対象が4人いる。現状の攻略状況は私には分からない。

 私はレオナルド・ネルソンの婚約者。要は悪役令嬢だ。ゲームでは従姉妹のエレナが婚約者に近づいたことに腹を立てて虐めをする。

 だが現実の私がエレナに腹を立てて虐めた証拠なんて微塵もない。なのに私の断罪イベントが起きた。ここがゲームと違う所だと思う。断罪イベントが起きたのはきっと婚約者の私が邪魔になったから起きたかと思われる。酷い話だ。


 それで私が殺されるルートの話だが裏ボスによって殺されるか、どうかだ。裏ボスを攻略するには攻略対象4人を攻略しないと解禁されない特別キャラ。だからエレナの進み度によって私の命が変わってくる。だがこれは攻略された事を前提で話を進めた方がいいと思う。何も対策出来てませんでした、では済まない話だ。

 ゲームでは裏ボスが暴走して何人か人が死ぬのだがその中に私が死ぬことになっている。運営者の扱いが酷い。


 もし裏ボスが出なかった時のルートでは私は死なない。出来れば裏ボスはでて欲しくない。そして肝心の裏ボスは山に住んでいて吸血鬼の一族の末裔だ。なぜこの国に自ら来た理由は幸せオーラが見えたらしい。設定がアホらしくてよく覚えている。果たして吸血鬼に幸せオーラが見えるのだろうか……。

 これ以上のことは思い出してはいない。話を進めると徐々に思い出す事はあるみたいだが。


 それは後で解決するとしよう。吸血鬼が暴走するのは私が国外追放されて1ヶ月ぐらい先の話だ。それに山から降りて主人公と接触するのは3週間後。

 3週間以内に解決すればいい。出来るだけ早く行動するとして2週間以内に考えればいい。

 だから今は目の前の事に集中するべきだ。国外追放後、私が援助されるかどうかの重要なことだ。早く事業を建てないといけない。


 そうこう考えているうちに3人が私の部屋にやってきた。左からオスカー、リアム、ソフィア。ソフィアは唯一の女友達だ。

 この三人はこれから建てようとしていた事業の内容は知っている。私が建てようとしている事業は衣類関係だ。化粧品だと平民は使わないため、貴族のみの商売になっていた。

 だが平民は勿論衣類は買う。平民が着ている服は触り心地が悪くていつもどうにか出来ないか考えていた。だから今回は平民に安くて触り心地が良い服を届けたいという願いから私は事業を建てようとした。


「アメリア、俺は平民だからあまりここに来たくないんだけど」


 最初に口を開いたのはオスカーだ。オスカーは平民で実家は呉服屋だ。お分かりいただけただろうか。服を平民に売るには場所が必要だ。もし貴族が売っている、なんて言ったら誰も買わないだろう。だからオスカーを呼んだ。


「アメリア様!レオナルド王子と婚約破棄をされたと聞いたのですが…!」


 今度はソフィアが口を開いた。腰まである白い髪に黒い瞳の女の子。とても綺麗な容姿。ソフィアは私の自慢の友達だ。そしてソフィアは侯爵であり身分も高い。

 それにソフィアはそこらへんにいる令嬢とは違う。とても会計としての腕が凄い。金銭関係は彼女に任せれば基本大丈夫だろう。


「……え?アメリア、レオナルド王子と婚約解消されたのですか?」


 そして最後に口を開いたのはリアムだ。リアムは子爵であり、跡取りの子供。呼び出した理由は平民から貴族までの流行を把握しているからだ。


 呉服屋の息子、会計、流行。とても強いチームだと思う。そう思い私はこの三人を呼び出した。

 私は婚約解消した話、化粧品会社が王子に渡さなければいけない話、私が身分剥奪され国外追放される話をした。三人とも驚いた。それもそうだろう。エレナに陥れらたなんて驚くのは当然だろう。

 だがリアムは驚いた後、口角を上げて「良かった」と呟いた。その後、オスカーとソフィアも「良かった」と呟いた。


「婚約解消されて本当に良かったですわ。アメリア様が苦しんでいる姿は見たくないですもの」


「私…苦しんでいたの?」


「ええ」


 ソフィアに心配をかけてしまった。出来るだけ心配をかけまいと思った私は部屋で静かに泣いたりした筈なのにソフィアは見抜いてしまった。この子と友達になって良かったと思う。


 そして私は衣類関係の事業を建てることを詳しく話した。元々この三人には話していたのでスムーズに事が進んだ。衣類の生地はオスカーが詳しいので生地選びはオスカー、生地を買ったりするのはソフィア、デザインはリアムを担当にした。私は事業を建てるため、書類の処理をした。

 三人とも、とても優秀で数日はかかると思われる作業を次の日には全て終わらせていた。オスカーは元々目を付けていた生地があったらしくその生地を選んだ。そしてソフィアは一番安く手に入る場所を探して購入した。購入した予算は私のポケットマネーから出した。こんな事もあろうかと化粧品会社で儲かったお金を貯めて先程使った。


 作業に取り掛かって2日。リアムはデザインを考えた。平民には動きやすいデザイン。尚且つ、女ウケにも男ウケにも良いのを考えた。そして貴族は女ウケが一番良いのを考えた。貴族の人々が衣類を買うのは基本女性だからだ。

 そして私は前世の記憶から良さそうな物があったのでそれを作りたいと思った。平民ウケが良さそうなジャージを売り出そうと考えたのだ。ただの服を売るだけでは物足りないと思って私はジャージを作ることに専念した。そして事業立ち上げの詳しいことをお父様に報告した。そしたら「私の娘が考えたから大丈夫だろう」と言う言葉が帰ってきた。


 だが私は一番の問題を忘れていた。平民に売るにはオスカーを使って売ろうと思ったが貴族にはどう売るか考えていなかった。今まで公爵と言う立場だったから信頼があり売り出すことが可能だったが今はエレナに虐めをした、と言うことが貴族の世界に広まっていて信頼がほとんど無い状態だ。

 ならどうやって売り出そうか。私が売ったところで誰も相手にしてくれないだろう。そう三人に相談していたらソフィアが自ら「私に売らせて下さい」と申し出した。

 だが商売経験があって成果を残している人ならまだしも、ソフィアは会計で表舞台に立たなかったのでソフィアが売り出した所で買おうという貴族はいないと思った。


 私は悩みに悩んだ末、どうやったらこの服を買いたくなるか考えた。デザインはとても良かった。だがこの服はそれだけではない。生地が良いのだ。生地の良さは着てみないと分からない。

 そしたら前世の記憶がまたしても私を助けてくれた。「試着」と言う言葉を私に教えてくれた。貴族は試着なんかせずに直ぐに買うのでどこの店にいっても試着はされていない。なら私達が建てた会社は試着が出来ることを広告して広めたらどうか、そう思った。

 その後の私の行動は早かった。会社はお父様から借りたスペースを少し改造するだけだったので時間はかからなかったがいくつかある部屋を試着室に変えた。


 そうしているうちに5日が経った。明後日にはこの国を出なければいけない。


 今日は会社の開店する日だ。そして同時にオスカーの方でも衣類を売り出す日でもあった。時間がなかったので衣類は数種類程。そして一種類には5着あるか分からない程の少なさだった。

 そして会社の開店時間になった。人は余り来ないかと思えたがかなり人が来た。なぜこんなに人が来たのか不思議だったが、ソフィアが服を売れない代わりに宣伝をしたみたいだった。貴族の宣伝はソフィアが。平民の宣伝はオスカーが。流石、私が認めた三人だ。抜け目がない。


 開店してからあまり時間が経っていなかったが全て売れた。元々数が少なかったから売れるだろうとは思ったが直ぐに売り切れた。この事には感動してしまった。

 オスカーの方の呉服屋でも衣類が売れたみたいだ。平民には動きやすくて触り心地が良くて尚且つ安くて人気だったみたいだ。それにデザインも良かったらしい。流石リアムだ。貴族だが平民のデザインにも敏感だ。


 そして私はその日の午後には店を閉めてお父様のもとへ向かった。

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