本書を読む前の注意点(プロローグ的な何か)
やっとこさ1つだけ投稿出来ました。
これから徐々に投稿出来るかと思いますが、是非よろしくお願いします!
───────────目次──────────
はじめの注意事項として
1 この本は我が神泉堂高校帰宅部の活動日誌です。
2 本書を読むのは自由! 何時いかなる時でも、
ご要望があれば貸し出しします。
(お持ち帰りはしないでね♥)
3 由緒正しいこの部活は、常に──
「ちょぉぉぉっと待ったぁぁっ!!」
「なになに!? 何ですかいきなり!?」
手元でシャーペンの芯が折れる軽快な音が鳴った。
白い紙の上にはクッキリとその跡が付いてしまっている。
「ちょっと先輩! せっかく集中して書いていたのに何するんですか!」
いきなりの大声&物音で驚いた僕は、その原因たる人物にジト目を向ける。
「あまい! あますぎるよ尾崎くん!」
ビシッ! と人差し指を向けてくるのは、やはり先輩だった。
この人には距離感というものが無いのだろうか、指が顔に当たりそうなんですけど……
「君は日誌を分かっていない!」
「は、はぁ……?」
「そんなんじゃ誰も読んでくれないよ!」
人差し指の位置は依然として変わらないまま、感情的にそう言ってくる。結構平凡に書いたつもりだったんだけどな……
「こういうのは冒頭が大事なんだよ」
「と、言いますと?」
「読み手の目を引く様な書き方をしないと」
「なるほど。さすが先輩!」
「だろだろ~ まぁいいからシャーペン貸してみ」
そう言われ、素直にシャーペンを渡す。
「うわっ!? 芯折れてるじゃん! 尾崎くんしっかりしなよ~」
いやそれは先輩のせいですよ! と心のなかでツッコミを入れる。
それからしばらく待っていると
「尾崎くん尾崎くん! 大体の形が出来たよ!」
「マジですか! 早速見せて下さい!」
ほらこれ と日誌をずらして見せてくれた。
僕は期待を露に、それを覗くと
学生の青春である部活動。
そのなかでも圧倒的人気を誇り、部員数はどの学校でも1位というあり得ない夢のような部活動があった。
野球部?
バスケ部?
バレー部?
いや違う。
おいおい。本当は分かっているんだろ?
そう。その部活動の名は──
帰宅部だ。
「はいちょっと待った!」
僕は先輩からシャーペンと日誌を取り上げる。
「なにするの!? これからが良い場面なのに!」
「いやおかしいでしょ!? 何ですかこの前置きは!?」
どう考えたらこんな前置きがでてくるのだろうか。
「かっこよくて良いじゃん!」
「どこがですか!」
たかが部活の日誌にここまでの期待を持たせても良いのだろうか?
これだとタイトル詐欺ならぬ前置き詐欺になってしまう。
「なんだかライトノベルの冒頭みたいですね」
「おいおい、まだ判断するのは早いよ」
「ちなみに、このあとはどんな感じになるんですか?」
確かにまだ決まった訳じゃない。
そう思い、一応ではあるが聞いてみると、
「ある男女が入れ替わる」
「んん?」
「徐々にお互いは引かれ合うんだけど、実はその男女の時間軸は違うものなんだ」
「んんん?」
「タイトルは『部活動の名は──』」
「もうストップ! それ以上は言っちゃダメ!」
どうやら新海誠も驚きの大スペクタクル作品になる様だ。
「ともかく、色々な事情でダメです!」
「なんでよ~」
ヤダヤダと駄々をこねる先輩。子供か!
「えーっと、こんな感じでお送りするので、これからよろしくね!」
これからこの日誌を読んでくれるであろう《君》に語りかける。
「これがいい~! 興行収入240億円突破して、アカデミー賞取りたい~!」
「だからそれはダメだって!」
一部表現の工夫として、あえて擬音語などを使っていく可能性があります。