Episode00【白い髪】
俺は窓越しに空に舞う雪を眺めていた、そしてぼんやりとしているとドア越しに声が掛かる。
「ハク~今日学校でしょ?」
そう言いながら扉を開けたのは俺の母親だ、そして母は俺の方に近づくと窓の方を見て俺の頭を撫でながら言った。
「あら、雪降ってるのね。真っ白で綺麗、まるでハクの髪の毛みたいね。」
俺はそんな母さんの発言を不快に思い唇を尖がらせながら言った。
「俺は母さんみたいな栗色の髪の毛が良かった~。」
俺は不満に思う気持ちを言葉にしながら、ぶうたれていると母さんは少し笑って言った。
「ハクは生まれた時から真っ白だったわね、最初は驚いたけど綺麗だと思ったわ。」
そう俺は"先天性白皮症"という極めて珍しい病気を持って生まれた、"アルビノ"などという表現もあるようで最近はとても注目を集めている病気でもある。
どうやらアルビノという病気を持っている人間は普通の人間と比べて魔力回路細胞が多いらしく、最近はその系統の科学者達が莫大な金と権力で僕を研究しようとやっけになっている。
毎日誰かしらが来ては俺を研究させて欲しいと言って俺の母さんに追い返されるの繰り返しで最近は母さんの怒号も聞き飽きてしまった程だ、もう母さんに迷惑を掛けるのは嫌だし研究所からの支援金を手に入るしで、もう入ってしまった方が楽だと思う日々である。
だが、そのことを母さんに相談しようとする度に母さんは悲しそうな顔で言うのだ。
「もうすぐ中学生でしょ、まだまだ楽しい事やりたい事はあるでしょ意味の分からない研究に時間を割く必要ないわよ。」
っと、母さんは俺の心が読めるのだろうかと思ってしまう。
俺は、そっとベットから立ち上がると言った。
「今日は初めての魔力回路測定の日だから頑張るね、この病気のせいで先生から期待されてるみたいだし・・。」
俺は色んな気持ちを噛みしめて苦笑いしながら言うと母さんは笑顔で言った。
「そうね、今後の人生を決める大切な日ね。私はあまりそういうのは好きじゃないけどハクの将来にも繋がるからね、応援してるわ。」
そう、2030年の反政府組織のテロ以来魔力を多く持つ者を正しく導く為に中学生から教育科目に追加される魔法という科目がある、そして小学校卒業前に受ける魔力回路測定の結果によっては優遇された中学校に入学出来るのだ。
魔法という科目は今後図りしれない可能性があるとして基本的な五科目(数学、国語、化学、社会、英語)を差し置いて一番の優先度を誇るのだ、そしてその結果によっては将来を約束されるのだ。
俺は若干の緊張をしていると母さんは頭を撫でて言った。
「そんなに心配しなくても大丈夫よ、じゃあ着替えたら朝ごはん食べに来なさいね。」
そう言って母さんは部屋を後にした、そして俺は今日起こる波乱を予測は出来なかった。