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♥ 衛姫のお願い 1


衛姫

「( ねえ、げん…… )」


玄武

『 どうした、ういひめ


衛姫

「( もう〜〜、げん

   『〝 ういひめ 〟は、・め・て 』ってってるでしょう?

   そのばれかたきじゃないの )」


玄武

『 そうか?

  ワタシはいとおもうが? 』


衛姫

「( わたしべつうれいてないし…… )」


玄武

えいひめほんしょうったら、みなおどろくな 』


衛姫

「( ほんしょうって……(////)

   かたいじゃない。

   わたしひとりなんだもの……。

   ひとまえはなすなんてかんがえただけでも(////)

   こうしてわたしわたしらしく(?)はなせるのは、げんのおかげなのよ。

   ずっとげんわたしはなあいになってくれているから…… )」


玄武

ういひめ…… 』


衛姫

「( だ・か・ら!

  〝 ういひめ 〟はめい!!

   ──ねえ、げん…… )」


玄武

『 どうした、えいひめ


衛姫

「( わたしかは殿とのがたけっこんしないといけないのかしら…… )」


玄武

『 そうなるだろう。

  あねうえたちおなじだ 』


衛姫

「( りもしない殿とのがたとよ? )」


玄武

『 そうだな 』


衛姫

「( ふうになるのよ? )」


玄武

『 そうだな 』


衛姫

「( ………………わたしびょうじゃくよ? )」


玄武

っている 』


衛姫

「( ……びょうじゃくわたしげんじょうどもめるとおもう?? )」


玄武

たいりょくがあればだいじょうだろう。

  いまからたいりょくづくりするか? 』


衛姫

「( そうじゃなくて!

   ……だいいちたいりょくづくりがればびょうじゃくになってないわよ〜〜〜 )」


玄武

『 それもそうか… 』


衛姫

「( なっとくしないでよ……。

   くもらない殿とのがたふうになって…よるいとなみをしないといけないでしょう?

   そうしないとどもさずかれないし… )」


玄武

『 そうだな 』


衛姫

「( …………あねうえさまたちみたいにげんなら、1きりのいとなみでどもさずかることるとおもうの。

   ……でも、わたしあねうえさまたちみたいにけんこうじゃないわ。

   1きりのいとなみでどもさずかれるのか…あんもあるの…… )」


玄武

『 そうなのか? 』


衛姫

「( そうでしょう?

   くもらない殿とのがたまいふういとなみをおこなことにでもなってみなさいよ。

   ──あっ、べつまいでなくてもいいんだけど……たとえばのはなしよ? )」


玄武

わかっている 』


衛姫

「( たいりょくてきにもせいしんてきにも──わたし…とてもじゃないけど、ついていけないとおもうの。

   あいいえとついだじょうは、あとりをのこさなければいけないでしょう。

   ……わたしではちからそくだとおもうの。

   それによ、せんだい(だい)いえぐのはかならだんまっているわ。

   かりに1きりのいとなみでどもさずかることたとしても……じょまれてしまったら…っておもうと……。

   あと(だん)さずかるまでふういとなみをつづけることになるじゃない? )」


玄武

『 あるかもれないな 』


衛姫

「( ……こんなまいくりかえしをびょうじゃくわたしまで……。

   えられるとおもう? )」


玄武

『 なってみなければわかからないだろうな 』


衛姫

「( ………………なんとかして、わたしよめりをふせげないかしら? )」


玄武

『 はあ?

  (じっ)()すわるつもりか? 』


衛姫

「( そうじゃなくて…。

   くもらない殿とのがたふうにならなくてもいいようにしてほしいの )」


玄武

ためうのだろう 』


衛姫

「( うったって、いただいたこいぶみへんいたり、一寸ちょっとかん、おはなしたりするだけじゃないの!

   それであいなにわかるってうの?

   みんなわたしられたくてねこかぶってせっしてるのに……。

   それに、わたししきそとにはられないんだもの。

   とうなんて…とてもだし…… )」


玄武

ほっしんぱいならひつようない。

  ワタシがる。

  がいしゅつしたいのなら、してやろう。

  とうる 』


衛姫

「( ……ちちうえさまははうえさまあにうえさまゆるしてくださらないわ。

   ちょうぜつだもの…。

   そのくせ、よめりはさせたがるけど…… )」


玄武

おやこうこうしてほしいのだろう 』


衛姫

「( おやこうこう?? )」


玄武

『 1ばんおやこうこうは、りょうしんよりさきなないことだろうが……。

  じょならば、あいさきとつぎ、とつさきのこし、とつさきせんまもり、とつさきこうけんすることおやこうこうになるのだろうな 』


衛姫

「( …………わたしにはとてもこうけんとかそうにないけど…… )」


玄武

おやこうこうにもさま(ざま)かたちがある。

  それがないからといって、おやこうにはならない。

  あんしんするといい 』


衛姫

「( …………うん )」


玄武

えいひめ…… 』


衛姫

「( ──あっ、ねえ、げん )」


玄武

『 どうした? 』


衛姫

「( あのねっ──、…………じったいない? )」


玄武

『 はあ?

  じったい? 』


衛姫

「( そうよ、じったい!!

   げん姿すがたが、わたしがいひとにもえるようによ。

   なれない? )」


玄武

『 ………………………… 』


衛姫

「( ……やっぱり…?? )」


玄武

のうではないな 』


衛姫

「( るの?! )」


玄武

のうだ 』


衛姫

「( じゃあ、じゃあ── )」


玄武

て、ういひめ


衛姫

「( むう…〝 ういひめ 〟ってわないでよぉ… )」


玄武

『 ワタシをじったいさせてどうする? 』


衛姫

「( ……え?? )」


玄武

じったいすることのうだ。

  れいのうりょくさえあればな。

  しかしだ、じったいするためにはぼうだいれいのうりょくひつようとなる。

  さらじったいけいぞくさせるには、きないれいのうりょくひつようだ。

  このわかるか? 』


衛姫

「( …………れいのうりょくはあるでしょう? )」


玄武

ぼうだいひつようだ。

  きないれいのうりょくはどうする? 』


衛姫

「( ……わたしれいのうりょくではなの? )」


玄武

だな 』


衛姫

「( そくとうしないで!

   …………わたしれいのうりょくは、きてしまうの? )」


玄武

とうぜんだ。

  にんげんながれいのうりょくに〝 きない 〟はそんざいしない 』


衛姫

「( …………わたしれいのうりょくきてしまったら…げんは…どうなってしまうの? )」


玄武

えいひめにもえなくなる 』


衛姫

「( ……それは〝 えてしまう 〟ということ?? )」


玄武

えはしない。

  そばにはる。

  えなくなるだけだ。

  ……ああ、かいなくなるか 』


衛姫

「( え……??

   えないし、はなしなくなるの?? )」


玄武

『 そうだ 』


衛姫

「( いやよ……。

   そんなのいやっ!! )」


玄武

『 どうにもならないな 』


衛姫

「( どうしたらいいの?

   どうしたら…わたしれいのうりょくきないようるの?

   ほうほうは…あるの??

   あるんでしょう? )」


玄武

『 ……………………あるにはあるが…おしえたくないな 』


衛姫

「( どうして?

   げんわたしはなしなくなってもへいなの?

   わたしげんえなくなってもへいなの?? )」


玄武

だいない 』


衛姫

「( はあ?

   一寸ちょっと!!

   そくとうするとかない!!

   すこしは躊躇ためらってよ!!

   〝 さみしい 〟とか〝 つらい 〟とか〝 かなしい 〟とか──、かんじょういの?! )」


玄武

しきがみひとなみみのかんじょうもとめるな 』


衛姫

「( どうしてそんなにたん(たん)としているの! )」


玄武

にんげんからればそうかもれないが……。

  これでもしきがみとしてはかんじょうゆたかなほうだぞ 』


衛姫

「( …………そうなの? )」


玄武

『 そうだ 』


衛姫

「( ねえ…、げんよりもかんじょうゆたかなしきがみるの?? )」


玄武

じゅつしゃれいのうりょくきょうじゃくによってへんするからな。

  ないことはない 』


衛姫

「( しきがみかんじょうゆたかなのもゆたかじゃないのもれいのうりょくかんけいしているの? )」


玄武

『 そうだな。

  れいのうりょくには、しつこうていいからな。

  れいのうりょくというにくがんではえないちからは、にんげんしんちからではない。

  れいのうりょくかみ(しん)ほとけ(ぶつ)のおちからだ。

  れいのうりょくしつがどうだのとこうていやらこうおつやらをけたがるじゅつしゃもんにしたほうがいい 』


衛姫

「( もんぎじゃないの?

   ……おしえてあげたらいいんじゃないの?

   げんじんいっしんだから、くわしいんだし…… )」


玄武

姿すがたえず、こえこえぬあいにか?

  おしようにもがある。

  …………えいひめがワタシのだいべんをするならのうだが? 』


衛姫

「( わたしげんだいべんしゃになるってこと

   ……ひとりのわたしるの? )」


玄武

『 やりもしないでていするのはかんたんだな 』


衛姫

「( …………じゅつしゃっておんみょうことよね?

   そのみちくろう()()よ?

   げんことだいべんするとしてよ?

   なおみみかたむけてくれるとおもう? )」


玄武

むずしいだろうな。

  そもそもあいにされるかどうか…だな 』


衛姫

「( だったら!

   げんじったいしておしえて、あげたらいいのよ!

   いまわたしはなあいをするために、ひと姿すがたをしているけど、ほんらい姿すがたかめへびわさった姿すがたなのでしょう? )」


玄武

『 はあ?

  それはにんげんかっかんがえた姿すがたでしかない。

  ほんらい姿すがたかみ(しん)ほとけ(ぶつ)どうようだ。

  にはえないし、姿すがたかたちもありはしない。

  しゅうだ 』


衛姫

「( そ、そうなの??

   それじゃあ、わたしている…わたしえているげん姿すがただれ姿すがたなの?? )」


玄武

『 ワタシがるか。

  ワタシしん、どのよう姿すがたえいひめえているのか…ようがないのだぞ 』


衛姫

「( そう…なの?? )」


玄武

『 そうだ 』

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