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ゾンビ島  作者: tomita
15/22

終戦と別れ

「うあああああああああああっっ!!!」

「たすげでーーーーーーっっっ!!!!!!」

「痛いよーーっっ!!」

周りから聞こえる悲鳴、悲鳴、悲鳴。次々と死んでいく仲間達。銃声が鳴り響き

多くの人が死んでいく。

まだ1分しかたっていないのに約27人ぐらいいたうち、すでに17人が死んだ。

かつては普通の学校で普通に笑いあった仲間達。しかし今はその仲間達も残るは10人程度。

まだ4分。普段なら短く感じるこの時間も今ではすごく長く感じる。

「皆!!このままじゃ全滅してしまう!まとまれ!!」

次々と襲い来る感染者達。地面は足のふみどころもないぐらいに死体が転がっている

「これ生き残れるのか!?」

「考えるな!今は生き残ることだけを考えろ!!」

「あと3分だ頑張ってくれ!!」

こいつらだけは絶対、絶対・・・・・死なせねぇ!!!

「中井君!?」

「中井!?」

「やめろ!!」

気づいたら俺は感染者を素手でぶっ飛ばしていた。

「くっそがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

「・・・・なんだ?あいつ。あんな強かったか?」

「いや強い強くない関係なくあんなパワー人間じゃない!」

「と、とにかく俺達も続けるぞ!」

「うん!!」

・・・・壊されたくなどない。1ヶ月前までは普通の生活をおくれていたはずだった。

だが・・・すべてはあいつらのせいだ。

俺の友達矢家族を・・・思い出を・・・そして多くの市民を・・・さらに俺自身をあいつらはぶち壊した。

許さない・・・・決して許さない!あと2分・・・・絶対帰すんだ。最後まで生き抜いた皆を・・。

ダンッ

!!

その瞬間腹部に激痛が走った。

「あ!!ごめん!!」

「な!何してんだよ!!なに仲間を撃ってんだよ!」

「ご、ごめんなさいぃ!!」

「俺は大丈夫だ!とにかく撃ち続けろ!!」

「分かった!」

「あ・・・・やばい!弾切れ!!」

「俺もだ!」

「私も!」

しまった・・・このことを忘れていた。弾切れ。

このままヘリが着く前に全員の弾が切れてしまえば終わりだ。

できれば早く来てくれ!!

どぉぉぉぉぉぉぉぉぉんん!!

「な!!」

「何!?」

「なんだこいつ!!!」

いきなり目の前に現れたのはとてつもなく体が大きく体中血まみれで口が大きなそいつは見てすぐ

悟った。終わりだと。

「なんだよこいつ・・・。」

「こんなのに勝てるわけがねぇよ!!」

「あきらめるな!!もうすぐヘリが来るはず・・・」

ばばばばばばばばばばばば・・・・

「!ヘリだ!!」

「やったぁ!!」

・・・はっやばい!

奴が気づいてる!!

そいつはバッとジャンプしバリケードを壊しヘリを落とそうとした。

「ま。まずい!あいつがヘリに・・・」

ガッ

「くっ」

「中井!?」

「す、すげぇあいつ・・・に、人間じゃねぇ!」

あのヘリは落とさせない!

かっこつけようとしてるわけじゃないが、皆にはまだ未来がある。

その未来までをぶち壊させてたまるかぁ!

ガァァァン

「や、やべぇなあいつ・・」

「皆ヘリへ急げ!!」

「お、おう!」

「これで助かるんだ!!」

皆がヘリに乗り込んでいく。

「よし、全員乗った!後はお前だけだ!早く乗れ!!」

「・・・・。」

「どうした中井!?早く乗れよ!!」

「中井君!?」

「皆、ごめん。俺は行けないんだ。」

「は?な、何言って・・・」

すでに覚悟はできていた。それに準備もできた。後は・・・・

「俺は・・・・俺はもう手遅れなんだ。」

「まさか・・・」

「そんな・・・中井君・・・・」

「そう。さっきのを見て分かったはずだ。おれはすでに感染してる。」

「そんな・・・・」

「かくしててごめん。でも、皆をこの地獄から出すためには絶対隠して・・・」

「なんでよ!」

「!?」

「ひどいよ・・・・。なんでかくしてたのよ・・・。」

「だから皆を・・・・」

「ちがう!!そんなの認められとおもってるの?今まで必死にがんばってきたじゃない。なのに・・なのに!・・・・」

「・・・・ごめん鈴木さん・・・でも生きていく中で人はたくさんのものを捨てなければいけないんだ。」

そうつぶやいて彼女をそっと抱きしめる。

「ほんとにごめん。でも、僕はただ皆を助けたかったんだ。

「あ・・一人称が僕に戻った・・・。」

「最後くらい元の自分でいたいからね。」

「うぅぅぅぅ・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!」

突然鈴木さんが僕の胸のなかで泣き出した。

「鈴木さん泣かないでくれ。最後くらい笑顔でいさせてくれ。」

「だけどぉぉいやだよぉ」

「ごめん。ごめんね鈴木さん。そして皆、本当にごめん。」

バキッバキバキッ

「もう・・・行ってくれ。もうバリケードが壊れる。」

「う、うん・・・・。」

「ヘリを出してくれ。」

「・・・・本当にいいのか?」

「あぁ。たのむ。」

「中井君・・・ありがとう。」

「気にすんな」

僕はそのとき笑っていた。たぶん・・・今までの人生で一番の笑顔だったと思う。

へりはどんどん遠ざかっていく。

「・・・・よし。あとはこいつらをどうにかするか!」



               次話をお楽しみに!!

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