最後の戦いの始まり
あいにくそのときは雨が降っていた。
その中約27名が走っている。
「おい、こっちで本当に合ってんだろうな?」
「大丈夫だ。完全に覚えている。」
その後しばらくは雨と走る音しかしなくなった。
そして、その後6分ぐらい走ると目的の建物にたどりついた。
「ここがそうか・・・。」
「げほっ・・・案外でかいな・・・・まさか今度は階段なんていわないだろうな?」
「安心しろ勝。エレベーターが動くはずだ。・・・・だが、悪いが、階段でいくからな。」
「何でだよ!?」
「いつエレベーターが止まるか分からないからな。」
「いいさ。俺一人でもエレベーターに乗る!もう歩くのは・・・・・」
バキッ
「――!?」
どさっと勝が倒れる。
反射的に弥生が駆け寄る。
「ちょっと、いきなり殴ることはないでしょ!?」
「・・・・・・仕方がないんだ。お前らが生き残るためには無理やりにでも、安全なほうを選ぶ。」
「・・・・・・」
弥生は少し不満そうだったが今はそんなこと気にしてる場合じゃない。
「ほら、急ぐぞ。」
「お、おう・・」
階段を上っていく音がやたらと、静かな空間に響いた。
それにしてもこの階段はいつまで続くんだ?
皆はもう疲れきった顔をしている。
「皆、大丈夫か?」
「ま、まぁ・・・」
「・・・・よし、女は前に行け。」
「う・・・うん・・」
その後また皆の足音だけになった。
「見えたーーー・・」
「え?」
前のほうを見ると確かに出口があった。
ドアを開けるとやっと、屋上についた。
「ついたーーーーーー!」
「マジ疲れたー」
そのとき誰かが話しかけてきた。
「おつかれさまです。お疲れでしょう。まずはゆっくり休みなさい。」
「あれ?あなた誰?」
「私は中元といいます。」
「中元さんね。でもなんでここに?」
「やだなぁ。私も一応生き残りですから。ここでヘリを待ってるんですよ。」
「へぇ。じゃぁこれからは仲間ってわけだ。」
「そうです。」
「ちがう!!」
いきなり弥生が叫んだ。
「どうしたの?弥生ちゃん?」
「お前、覚えてるぞ。私達を捕まえて実験に使ってた奴らのなかまだろ!?」
「!!」
「・・・・あぁ、あんたは弥生とかいう。」
「おい、中元、自己紹介はそこまでにして、さっさと来い」
「あ、はい。」
「ちょ、ちょっと待ってよ。何で分からないのよ。こいつは・・・・」
「分かっているさ。だが、こいつは味方だ。本当のことを言うとこいつは騙されただけだ。」
「だま・・・された?」
「はい、ここまで。戦闘が始まるぞ。」
「え?」
「奴らが来てる。しかもかなりの数だ。ヘリの到着予定はこれから10分後。奴らの到着はざっと、
5分後だろう。」
「最後の戦いってわけか。」
「このまま誰も死ななかったら生存者全員助かったことになるな。」
「ちがうよ。感染者達も元は人間だし最初生き残っていたのは42人だ。つまり今が14人だから、
28人は死んだことになる。」
「そうか・・・結構死んだな・・・・。」
「まぁ、俺達は助かったし、これで証拠も出来たしな。」
「何の?」
「どうせ、このウイルスを作った奴らは今頃このウイルスを発表して大金持ちになっているだろう。
そこに俺達が帰って本当のことを言って奴らをどん底に落とせるってわけだ。」
「なるほどそれはいいな。」
「さぁもうすぐくるぞ。」
「よーし、お前ら感染者共を皆駆除するぞ!!」