↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夏とアイスドール  作者: 高崎菜優多
PR
7/17

過去とおせっかい


***



小学校の時、大親友だった優太が、僕は大好きだった。

いつも二人は一緒で、僕に優太は笑いかけてくれてたんだ。


優太は僕が笑うと一緒に笑ってくれて、僕が泣くと慰めてくれて、そして一緒に泣いてくれた。


僕ははじめは無口で顔にもあんまりでないタイプで。

優太に会うまでは今と同じように人形って馬鹿にされてたんだ。

自分の気持ちと表情がうまく連動されなかった。

心から楽しいとか嬉しいとか感じることがなかなかなくて、そんなときどんな顔をすればいいかわからなかった。

それを、優太は庇ってくれて泣いてくれた。

それに、僕が泣いたり笑ったりできなくても無理強いをしなかった。


「心から泣きたい時に泣けばいいよ、心から笑いたいときに笑えばいいよ。」


そう言って貰ったとき、本当に心が軽くなったんだ。

大好きだった。

本当に大好きだったんだ。

優太がいなくちゃ笑かたがわからない。

優太がいなくちゃ泣きかたがわからない。

だから僕は今、どうしたらいいのかわからないんだ。


僕は今、どうしたいんだろう?

僕は泣きたいのか?笑いたいのか?


「いつも泣きそうな瞳をしてるよ、お前」


そう杉原に言われたとき、僕は泣きそうなんだと知った。

それから杉原に抱きしめられた。

あのときの温もりが優太に似ていた。

一度感じた、あの心の軽くなったあの感覚が。


僕はあの時・・・・・・どうすればよかったのだろう。



***



「なあ、星司」


弟の月哉が僕に話しかけた。

月哉は杉原に似て、社交的で明るい性格だった。

杉原ともすぐ仲良くなったし、二人とも運動が好きだから、よくそういった話をしていた。


「どうした?月哉」

「あのさ」


月哉は珍しく神妙な面持ちで僕に話しかけた。

僕は月哉を見る。

月哉は少しうつむいたあと、顔を上げた。


「夏来さんに、話さないの?優太のこと」


僕は月哉を見た。

月哉の目は、揺らいでいた。

僕は目を少し伏せて聞いていた。


「夏来さん、本気で星司のこと好きじゃん。

俺だって最初は男が男を好きになる意味とか全然わかんなかったし気持ち悪いとか思ってたけど、夏来さん見たら星司の対応もちょっとどうかと思う。」


月哉は少し気まずそうに僕に言った。

僕はため息をついた。

月哉も僕から目をそらした。


「俺、夏来さんなら優太を越えられると思うよ。」


月哉はそう言って俺のそばを離れた。

僕は頭のなかを振り替える。

青柳の優しい笑みが頭によぎる。

それから、優太との思い出がよぎる。

ふと写真たてに飾っていた優太の写真をみた。


そもそも、なんで青柳は僕が好きなんだろう。

なんで僕が泣きそうだとわかるんだろう。

わからない。

でも、心を開きかけていることは自分でも気づいていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。