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始まりの話

荒廃した戦場。その中で2人の少年と少女がたくさんの敵と戦っている。

敵の数 、 およそ5万人。

4人は100人単位で薙ぎ倒していく。

そして、10分もしないうちに敵は壊滅した。

しかしその時、敵の残党が何かを引っ張った。

地震が起きて、1000体以上のドラゴンが現れた。

ドラゴンは100体でも絶望的だ。それが1000体ともなると結果は見えている。

しかし、1人の少年が他3人を逃がして、ドラゴンの大群の方へと向かっていく。


「また夢か。」

そう呟いて高坂 勇人は目覚めた。

最近ずっと同じ夢を見る。

勇人はこの『カラトラム学園』の生徒である。

ここは、学園内の彼の部屋である。


この世界には、昔からモンスターたちがたくさんいる。人類はかつて、モンスターによって絶滅しかけた。

しかし、人類は『スキル』という能力を使えるようになったことにより、モンスターを倒すことができるようになった。こうして、人類は今まで発展を続けている。この学校は世界最高峰のスキル養成学校である。


『スキル』とは、言うなれば魔法のようなものである。スキルには得意不得意があって、得意なものは使いこなしやすいが、不得意なものは使えない。

また、人にはスキル適性があって、それが強いほど使えるスキルの幅が広がり、スキル自体も強くなる。

もちろん、スキルには相性があって、例えば上位の炎が得意なスキル使いが、下位の水が得意なスキル使いに負けるということもある。


実は、彼はスキルが使えないのだ。

その代わり、彼は超人的な身体能力と知能を持っている。この学園の入試で、スキルは0点だったにもかかわらず、筆記と運動で満点をとり、この学園に合格したのだった。


「勇人っ、起きてるか!」

という元気な声と共に、男が部屋に入ってきた。

彼は茅野 航平。勇人と同じ1年F組の生徒である。


この学校は3年まであり、点数によってSからFまでの格付けがあって、勇人たちはその最下層のクラスである。

なお、この学園ではクラス対抗の戦いがある。

その戦いで活躍すれば、格の高いクラスに行くことができるようになっている。


勇人は着替えて朝食を済まして教室に向かった。

教室には、すでに半分近くいた。


「あっ、勇人。航平。相変わらず暇そうだな。」

とアッシュが話してきた。


「お前もだろ。」

と航平が言う。


「勇人君。航平君。おはよう。」


「勇人と誰か知らん奴おはよー。」

と平井 莉嘉とエリーナが言う。


「おう、おはよう。」

と勇人、


「俺には航平って名があるわー!」

と航平が言う。


アッシュ、莉嘉、エリーナ、航平は前からの親友である。クラスもいっしょのF組にいる。

勇人と航平はそれぞれの席につく。


この学校の授業は普通の勉強の授業とスキルの授業、

模擬戦の3つがある。

スキルの授業は、スキルを学び、スキル使いと戦う時や、スキルの応用の仕方、モンスターとの戦い方を学ぶ。

模擬戦は、1日の最終授業で、1対1で戦い先に相手を降参させるか、相手をダウンさせるかで勝負を行う。

この5人は、模擬戦で負け無しなのでクラスの対抗戦の代表になっている。


今日も授業を終えて、5人で外で話をしていた。


「航平。今日の授業でも寝て怒られてたよね。まったくダメな奴だね〜。」

とエリーナが呆れながら言う。


「いいんだよ!寝る子は育つって言うだろ。」

と航平が言う。


「いや、ダメだろ。」

と勇人は冷静に航平にツッコミを入れる。

まあそれが正論だろう。


「まあまあ、そんなこともあるよー。」

と莉嘉がすこし笑いながら言う。

アッシュも笑っている。


その時、後ろから誰かが来た。振り返ってみると、2メートルくらいの大男が勇人たちの方を見ていた。

後ろには2人、物陰から隠れて見ていた。

大男のクラスの書いてある所を見てみると、

2年A組

と書いてあった。


後ろの2人がブツブツ言っているのを聞くと、

大男はウィルといい、自分の力を2人に見せつけるために、目の前にいた勇人たちと1人で戦うということだ。


「なんだよF組か、雑魚を相手にしてもあいつらに信じてもらえないだろうし、こいつらはやめとくか。」

とウィルが言って立ち去ろうとした時、


「おい、逃げるなよ。勝負していけ。もしかして俺に負けるのが怖いのか。お前はその程度の男か。」

と勇人が挑発して言った。


「勇人、相手は2年A組だ。俺らなんか瞬殺される。やめろー‼︎」

「やめろ勇人‼︎」

と航平とアッシュが止めようとするが、


「こいよ無能。」

勇人はさらに挑発する。


「これだけの格の差があるのに、この馬鹿は勝てると思っているのか、2度とこんなこと出来ないように叩き潰してやる。」

とウィルは言いながら勇人と自分の周りを結界で囲んだ。結界で囲んだので、勇人はウィルを倒さないと出ることができない。


「勇人‼︎」

と4人は叫ぶ。

しかし、結界はそのスキル使いより強い攻撃でないと破れない。


ウィルが攻撃を仕掛ける。

全ての方向から氷の杭が勇人に襲いかかる。


しかし勇人は、

「この程度か。」

とつぶやいて、人間ではあり得ないスピードとパワーで、氷の杭を一瞬で全て破壊した。

そして、驚きで声もでないウィルを殴り飛ばした。


結界が解けた。

どうやらウィルは気絶したようだ。


「大丈夫か‼︎」

4人がそう言って駆け寄ってきた。

後の2人はビビって逃げてしまったらしい。


4人と別れた後、

(実は本気じゃないんだが。)

と勇人は内心思いながら、自分の部屋に帰った。



「学園長、2年A組の生徒が1年F組の生徒に負けたみたいです。」


「名前は?」


「 高坂 勇人 だそうです。」


「高坂 勇人。いつか会ってみたいわね。」





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