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仮章;語り
目が見えず、不自由な姫君と
不器用でも優しい精霊の話。
これは、月の光を華麗に浴び続ける物語…
遠い昔、彼と彼女は月下のもと出逢う。
語られることのない姫君は、何を決断するのか…
―この命途切れるその時まで貴方と、共に…
―約束しよう未来永劫、お前を探し続けると…
―お前には、公武合体の礎を果たしてもらう。我が、皇家の為だ。
―御姉様…御姉様が例え忘れられてしまおうとも、この和宮は華宮御姉様の事を語り続けます…
―私…本当はっ…貴方と、貴方と共に…生きて、っ笑って…生涯を共にしていきたかった…生きたかったっだけ、なの…