第14話 復讐の果て――
【クリスター政府ポートシティ クリスター政府議事堂 クラスタ・オフィス】
グリードシティの戦いから1ヶ月がたった。クェリアを始め、国際政府の中枢メンバーは全員死んだ。事実上、国際政府は崩壊した。
だが、その代償は相当のものだった。グリードシティの市民は90万人が死亡。国際政府軍人も30万人が死亡し、クリスター政府クローン兵も20万人が死亡した。140万人もの人々が半日で死んだ。
――お前は自分自身を騙している。本当は私に復讐したい。だから、戦争を仕掛けた。でも、個人的な復讐で戦争を仕掛けるなんて論外。だから、侵略戦争を防ぐという名目を立てた。自分とクリスター政府に対してな。
クェリアの最期の言葉が私の頭に色濃く残っている。それは何度も私の頭の中でフラッシュバックする。
ティトシティの戦い。グリードシティの戦い。この2つの戦いは、今後も呪いのごとく私を苦しめ続けるのだろう……
私は薄暗い不気味な夕陽を背に、デスクの上に置かれた1枚の紙を手に取る。
『クリスター政府防衛大臣クラスタを防衛大臣の任から解く。内閣総理大臣フェスター』
私は防衛大臣という地位を失った。クリスター政府議会イースト議院・ウェスト議院・ノース議院の三院は圧倒的多数で私への不信任決議を可決し、首相のフェスターは私を罷免した。
グリードシティの戦いはあまりに死者を出し過ぎた。クリスター政府軍だけでも、20万人が死亡し、10万人以上が重傷を負っている。また、国際政府がクリスター政府侵略を計画している証拠も結局捜し出せなかった。罷免は当然だろう。
「…………」
私は解任命令が記された紙をデスクに戻し、覚束ない足取りで部屋を後にする。そこには、『クリスター政府議会イースト議院議員辞任』と題された辞表も置かれていた。
私はただの破壊者だ。
自らの復讐で、国際政府を滅ぼし、その首都の人々に惨禍を降らせた。
解放という名の、復讐。
『オペレーション:“ネメシス”』は成功し、グリードシティは瓦礫の山と化した――




