第4節『そんなバカなぁぁぁぁーーっっ!!』
シュレイグ城は一つの巨大な建造物である。
その大きさは、ゼクスの育ったリーファ村なら軽く10個ぐらい、すっぽりと収納されてしまうほどであった。これだけを考えても、およそ人工の建造物とは思えないほどの広さがあり、またそれを造るだけの人間の持つ技術の高さを窺うことができた。
閉会式の後、すぐさまゼクスたち合格はこれから住むこととなる、宿舎を案内されることとなった。宿舎といっても、闘技場同様に、それはシュレイグ城内にあって、東塔の地下一階と二階に広がっていた。
ここはまだ世帯を持たない一般騎士や、騎士見習いたちにあてがわれるもので、さながら騎士たちのアパートといったところだろうか。
また聖女たちの宿舎は、騎士たちの宿舎と完全に離れた南塔に存在し、騎士たちのそれより少しだけ規模が小さい。だが、そもそもの絶対数が騎士に比べ圧倒的に少ない聖女たちには、充分な広さがある、騎士たちのように何人かで共有することのない個人の部屋が割り当てられている。
今日新たに騎士となった彼らは今、ラファエルの執事セバスチャンなる人物によって、次々と部屋を割り当てられていった。色白でキチキチとした印象のこの男は、非常に口数が少なく、それでいてとても礼儀正しい。また彼の仕事ぶりは、まったくもって無駄がなく、まるで機械を相手にしているかのような錯覚を覚える。
大方部屋の割り振りも終了し、残すはゼクスのみとなった。ゼクスは黙々とセバスチャンに付いてゆくしかなかった。
やがて、セバスチャンはとある部屋の前で歩みを止めた。彼がいきなり止まったので、ゼクスは前につんのめりそうになりながらも、何とか踏みとどまった。
「こちらがゼクシード様のお部屋になります」
言って二度ほどドアをノックした。するとほどなくして、中から声が返ってきた。
「なんだ?」
「執事のセバスチャンでございます」
顔を出したのは、口元には髭を生やし、髪は全て焼却してしまったかのような坊主頭。
そんな大柄な男だった。ゼクスとは一回り以上も年齢に開きがありそうだ。
「おおセバスチャン。どうした?」
「このたび、晴れて騎士見習いとなられたお方をお連れしました」
「そういや、俺んとこにも、一人来るんだったな」
男は思い出したように、ツルツルの頭を撫でた。
「はい」
セバスチャンは目を細めて、静かに言う。
「それではわたくしは、これにて失礼させていただきます。それとゼクシード様、1時間後に白光祈騎士団の結団式が第2会議室で行われますので、くれぐれも遅れませんようにお願いいたします」
セバスチャンは丁寧にお辞儀をすると、ゼクスと坊主の前から去っていった。
ゼクスは坊主と二人、取り残される形となる。
「俺、ゼクシードっていいます。気軽にゼクスって呼んじゃってくださいよ、よろしくな先輩!」
「俺はこの部屋の室長をやってる、アランだ。よろしくな、ゼクス」
おどけたように言うと、アランは人懐っこい笑みを浮かべた。
「まぁ、とにかく中に入れよ」
「んじゃま、おっじゃっましまーす!」
アランに続いて部屋の中に入ろうとしたゼクスは、中の光景を見て一瞬、身体が硬直した。それというのも、今まで入り口越しにアランが立っていたために、部屋内部の様子がよく見えなかったのだ。
「なに、ここ?」
「あぁ?」
部屋には木製の二段ベッドが一つずつ両端に置いてあり、奥には同じく木製のデスクが四つ備え付けられているだけだった。
天井からぶらさがる電球。よく見ると壁はところどころが剥がれ、天井の片隅には蜘蛛の巣がくっきりと張っている。
コチコチと時計の針が時を刻む音だけが、しばしこの空間内を支配した。
「なにいつまでも突っ立ってんだ? 早く入って、ドア閉めろって」
部屋の前でいつまでも立ち尽くすゼクスに、アランは少々いらだったように声をかけてきた。
「あのさー、オッサン。どうやら、さっきの人、部屋間違えたみたいだ。間違えて案内しちゃったみたいなんだよね」
「はぁ?」
何バカなこと言ってやがるって顔つきのアラン。
「だってここ、物置部屋だろ?」
ゼクスはぐるりと部屋を見回して、そう断言する。どう見ても、人が住む空間としては成立していないと思ったからだ。
「俺は今しがた、お前に室長だって言ったよな?」
「だったら、ここは懲罰室だっ!」
悲鳴のような声で断言するゼクス。夢なら覚めてくれと願うばかりだ。
「いい加減、現実を見つめたらどうだ?」
しかしアランはベッドにもたれかかるような体勢で、つまらなそうに言った。ツルツルの頭に、裸にひん剥かれた電球の光が眩しい!
「こ、これが、憧れの騎士の部屋? 嘘だろ…………なぁ嘘だって言ってくれよ…………ねぇ?」
アランは固まったままのゼクスに、鼻を鳴らした。肯定の証のようだった。
「そんなバカなぁぁぁぁぁぁああああーーーっっっ!!!」
廊下に叫び声が響く。
「一通り絶望したら、とにかく中へ入れ。それと、ここは地下のせいでよく響くからよ、もうデカい声は出すんじゃねぇぞ。近所迷惑だからな」
「…………はい」
ゼクスは急に大人しくなり荷物を引きずるようにして、のろのろと落胆しながら部屋に入った。
ベッドは好きなところを使っていいと言われたので、入り口から一番近いところのベッドを選び、そこに荷物を置いた。
そして一息つく。
するとアランが話しかけてきた。
「お前、名はゼクスだったな。で、お前さんはどこの団に配属になったんだ?」
「どこの団? えーっと、なんて言ったかな。新しくできたとこ」
「てこたぁ、白光祈騎士団か黒天翼騎士団だな。この部屋に来るって事は、おそらく白光祈騎士団ってとこか。それより自分の所属する団の名前ぐらい、しっかり覚えとけよ」
アランの言う事はもっともだ。
シュレイグ王国では、騎士たちや聖女が所属する騎士団は今現在、九つの団によって構成されている。
紅蓮帝騎士団をはじめ。
金獅子騎士団。
紺碧葦騎士団。
紫仙楼騎士団。
蒼刃礫騎士団。
灰喰嵐騎士団。
桃源卿騎士団。
そして新たにできた二つの団、白光祈騎士団と黒天翼騎士団である。
「そういうハゲは?」
「ああ、俺はな……って、おいっ! ハゲって何だ、ハゲって! これはハゲじゃねぇ、坊主にしてるだけだっ!」
「同じじゃん。ハゲも坊主も」
「ちげぇーんだよっ! 全く全然ちっとも同じじゃねぇんだよっ! いいか! 坊主というのはだな。芸術の限りを詰め込んだ、夢のような産物であって、女神を信奉する我々にとって素晴らしくも、抗いがたい欲求に縛られぬ誓いであって、人々に安らぎを与えるものなんだ! またさらに……」
「わわ、分かったから、声、声。外まで丸聴こえだってオッサン!」
「だからっ! ……よし、オッサンなら及第点だ。だが、俺はこう見えてもまだ21だぞ?」
「うっそぉー! それどっかで記憶なくしてない? それとも自称?」
「お前なぁ……。まったくもって、先輩に対する敬意ははじめだけかってんだ」
アランはやれやれとばかりに、両手を肩の高さまであげて見せた。
「じゃあ、アラン」
「『さん』ぐらい、つけれんのかっ!」
「いちいち細かいハゲだなぁ~。そんなんだから髪の毛なくなるんだよ」
「ハゲじゃねぇ! しかもなくなったんじゃねぇ、切っただけだっ!」
「あぁ、はいはい、アランさん。…………やっぱなんか言いにくいから、ハゲでいい? 俺のことはゼクスでいいからさ」
「どこがいいんだよっ! まったくよくねぇし、言いにくくもねぇし、ハゲじゃねぇし、俺はっ!」
「よっしゃ、じゃあアランでいい?」
「はぁ、もういい。好きにしろ。まったくとんでもねぇ、ガキだな」
どこまでもマイペースに話すゼクスに、アランはもはやあれやこれやを求めるのを止めた。
ゼクスの態度は、まったくもってなっていなかったが、何故か怒りという感情が湧いてこないから不思議だ。
しかしそれでも、それでも(大事だから二度言った)! ハゲだけは絶対に譲れなかったが……。
話を聞くとアランが所属する騎士団は、紫仙楼騎士団とのことだった。しかも彼は訊いてもいないのに、自分の所属する団の聖女と団長がいかに優れた人物であるかを、熱のこもった口調で話すのでどう反応すればいいか非常に迷うゼクスだった。
結局はただの女好きのようだ。ハゲが聞いて呆れる。
「ところでさ、どこも大抵は4人部屋だって聞いてたんだけど、ここはなんで俺とオッサンだけなんだよ? まさかアランのイジメが原因とか?」
「アホんだらっ! ここも一年前までは他と同じで4人部屋だったんだが、今年に入ってみな次々と所帯を持って出て行っちまったんだ」
「ふーん、で、アランは?」
アランをじっと見つめるゼクス。
「俺はまだ当分はここにいるつもりだ」
「やっぱりなぁ。結婚とは縁無さそうな顔してるもんな」
「ほっとけよ! 余計なお世話だっ! ……それに俺だって、いずれはだなぁ……」
「え? てことは、彼女とかいるの?」
「………………………………」
「………………………………」
ひたすら長い沈黙が続く。
「………………………………………………いねぇーよ」
そしてかなり長い間の後で、ぼそりと小さく言うアラン。
「だよなぁ~、その顔とハゲでいたら奇跡だよ」
「ハゲじゃねぇ!」
「……食いつくのはそこなんだ」
アランは呆れているゼクスに向かって、空いている椅子を蹴り飛ばした。だからゼクスも負けじと、お返しに落ちていた粘っこい物体を投げつけた。
そんな子供の遣り取りの後、アランから部屋を使うにあたっての注意事項や、シュレイグ城で暮らすための簡単な説明を受けた。
騎士見習いは皆、先輩騎士から『シュレイグ城での暮らし方マニュアル』を教わるのが習慣なっていた。それには基本的な規則があるものの、各部屋によって勝手に細分化され、それが代々室長の間で受け継がれていた。そのため、たまに部屋によってはとんでもないことを伝統としているところもあった。
ゼクスは一通りの説明を受けた後で、すっかりベッドでくつろいでいた。ベッドといってもマットレスのようなものではなく、ただの木の板の上に薄っぺらな布を敷いただけのものだ。
「お前さ、いいのか?」
「ん? なにが?」
「なにがって、もうそろそろ結団式じゃねぇのか?」
「はぁ? 結団式? なにそれ?」
「はぁ……。お前が所属する騎士団の騎士と、聖女が全員集まって、これから一緒に頑張りましょうって誓いを立てる儀式みたいなもんだ。まぁ、簡単に言えば先輩と新人の顔合わせ会みたいなものだな」
「あぁ~、そう言えばさっきアグネスチャンが言ってたっけ」
「ったく、そんな重要なことを忘れるんじゃねぇ。ホントしょうーがないヤツだな。それにアグネスチャンじゃなくて、セバスチャンだ」
アランは心底呆れ果て、ため息をついた。
「そうそう、セバセバ!」
ゼクスは適当に何度か頷いて、おそらくセバスチャンの略称を唱えた。正直、ゼクスは人の名前を覚えるのが得意なほうではなかった。
「だったら、アランは行かなくていいのかよ?」
「まぁな。今年は俺んとこの団には、新人が来ねぇらしいからな」
「ふーん、そうなんだ」
頷くゼクス。
「おっと、いけね。そんなことよりも、とにかく急がなきゃ」
ゼクスは思い出したように、慌てて部屋を飛び出してゆく。しかしそれをアランは止めた。
「おい、ちょっと待てって」
「なんだよ? 俺は急いでるんだよ。てゆーか、アランが急がしたんじゃねーか」
「そうなんだが、それよりゼクス。お前、そんな格好で行くつもりか?」
「へ?」
ゼクスは自分の格好を見てみた。普段着ている私服だ。
結団式は各騎士団ごとに行い、規模こそ小さいものだが正式な式典といえる。そこへ私服で参加する事はできない。ゼクスたち騎士見習いは、制服ともいえる装束を身に着けることを義務付けられている。
そのことを思い出したゼクスは、さっそく部屋に支給されてあった騎士見習い装束に着替えた。
「うっへ~。なんだよ、このヒラヒラは。趣味悪ぃなぁ~」
装束は騎士団によって異なり、ゼクスの所属する白光祈騎士団のものは、全体的にゆったりした作りになっていた。ヒラヒラした純白の羽をところどころに付け、それなりに豪奢な作りでもある。
しかしまだ板についていないゼクスには、どこか衣装だけが先走りしている印象を拭えないが、それでも私服の時よりは数段に凛々しく見えた。
「はっはっは。しゃーねぇーだろ。騎士見習いは騎士団の団長が決めたデザインを絶対採用されたのを着るのが伝統だしな」
「伝統ねぇ……」
「それに、お偉いさんたちも羽とか好きなんだよ。ほら、飛ぶのは人類の夢だろ。でもまぁ、なかなか似合ってるぞ。馬子にも衣装てやつだな」
もう一度、豪快に笑うアラン。
ゼクスはしかめっ面をつくった。
「嬉しくねぇって」
ゼクスは今度こそ、部屋を出てゆく。
「あ、そうだ。ハゲ」
と思ったら立ち止まって、ドア越しにアランを見るゼクスは、
「俺のいない間に、勝手に荷物漁んなよ? 育毛薬は持ってねぇからな」
と、ニンマリ笑って言う。
「ハゲじゃねぇ! つか、見ねぇよ! くだらねぇこと言ってないで、さっさと行けっ!」
「ほーい!」
元気良く返事をし、今度こそゼクスは会議室へ向かっていった。
★
ゼクスが部屋を出て行く少し前――。
アリスティア・メルカトーレ・ローゼンバーグは足早にシュレイグ城内を歩いていた。今年から聖女として騎士団に配属となったアリスティアは、今日から家を出て城に住むことになる。
使用人たちがやってくれる手はずになっていたが、結団式までの空いた時間を利用して、その自分の部屋を見に行こうと思い歩いていたのだ。
「あ、アリスティア様! おめでとうございます」
女官がアリスティアに気付き、祝福の言葉を述べた。騎士団に所属されるのは、聖女として一人前の証でもあった。聖女見習いとして、教会で数年間厳しい修練を積んだ身としては、その祝福は素直にとても嬉しかった。
「ありがとう」
自然と、アリスティアの顔が綻んだ。
しかし何となく、釈然としない思いもあった。アリスティアの家名は、四大公爵家の一角『ローゼンバーグ』である。この威光を前にして人々が祝福してくれているのではないかと、どうしても妙な勘繰りをしてしまうのだ。
祝われているのは、自分ではなく。
ただ、代々素晴らしき聖女を輩出してきた『ローゼンバーグ家』としての祝福に思えてくる。
そんなことをアリスティアが考えていると、なにやら声が聴こえてきた。自分の部屋になる場所の方からだ。
「これは向こうの……ええ、そうです。もう少し奥に!」
若い女性の声だった。
「もっと丁寧に置いてください。鏡台はもっと右です。慎重に!」
部屋の中の者にテキパキと指示を出しているようだ。
「これはアリスティア様! ついに宿願の聖女、おめでとうございます。私も騎士の一員として、心からお喜び申し上げます」
声で大体の予想はあったが、指示を出していた女性はやはり、アリスティアの知っている人物だった。彼女とは世話係として幼少の頃より付き合いがあり、アリスティアにとっても数少ない信用のできる人だ。
そんな彼女には聖女としての素質がなかったから、騎士となって今では団長を務めていた。非常に優秀な人なのだ。
「ありがとう、クローシェ」
いつもはほんわかしているクローシェだったが、騎士の衣装を纏った彼女は、普段とは比べ物にならないほど格好良く見えた。
「今日からここがアリスティア様のお部屋。ちょうど今、セッティングが終わったところです。少し手狭ですが、どうぞお入りください」
言われるままに、アリスティアは部屋に入った。
「…………」
無言のアリスティア。
その部屋は――。
(まんま私の部屋だ……)
大き目のベッドに、置かれるぬいぐるみ。それに部屋に飾ってあった家族の絵まで……一緒だった。きっと移動させてきたのだろう。
よくもまあ、これだけ大掛かりに運び出したものだと感心してしまった。
「それにしても、何かございましたか?」
「え?」
クローシェがいきなり話しかけてきたものだから、アリスティアはちょっぴり驚いた。
「何か悩んでいるように見受けられましたので……」
「――クローシェは知ってる? どうして私があの騎士団に配属されたのか……」
「はい。宰相ラファエル様のお達しだということぐらいは」
「……団長がサーバント家で」
アリスティアがそこまで言って、クローシェが続きを遮った。
「ロイド・セイ・サーバントですか……」
「うん。しかも新人騎士として配属されるゼクシードという者は、騎士テストで一回戦負けをしたにも関わらず、騎士になれたと。一回戦で負ければ絶対に騎士にはなれないはずなのに……」
団の構成メンバーのリストを眺めていたら、おかしなところがいくつかあって、その中の一つがこれだった。
「その事でしたら、アントニオ様の調書に面白いことが記されておりましたよ」
そう言ってクローシェは、語り始めた。
アントニオとは、アリスティアの父親のことだ。彼はローゼンバーグ家の婿養子であり、シュレイグ王国の家老でもあった。
「どんな?」
「ゼクシードの父親の名前は、ジダン・ヴィ・エルトロン」
「ま、まさかっ! ジダン様……。伯母様のパートナーだった、あのジダン様だと言うのっ!」
ジダン・ヴィ・エルトロン。シュレイグ王国最強の騎士。数年前に突如王国に現れ、破壊の限りを尽くしたとされる神の一柱を、紅蓮帝騎士団を率いて討伐した男。このシュレイグ王国の誰もが知る伝説だ。
そしてその紅蓮帝騎士団の聖女こそ、アリスティアの伯母であるクリスティアン・サルバトーレ・ローゼンバーグだった。
「いずれはジダン様のようになるであろうと、ラファエル様が見込まれ選出されたのでしょう」
「……そっか。分かったわ。ありがとう」
「アリスティア様。あまり深く考え悩んではいけません。アリスティア様は、アリスティア様の為すべきことを、しっかりと為せばいいのです」
「……そうだね。私はローゼンバーグ家を背負う者なのだからね」
「はいっ! それでは私はこれで。ご活躍期待しております、アリスティア様」
綺麗な微笑を浮かべたクローシェが、部屋から出て行った。
広い部屋で一人きりになる。やはり落ち着かない。
だからその気持ちを何とか宥めと、アリスティアはゼクシードなる者の事を考えた。
(伯母様のパートナーだったジダン様の息子。ゼクシード……。団長とは上手くやれそうもないけれど、ゼクシードとは上手くやっていきたいな。伯母様もきっと、そう望んでるよね?)
彼のことを想像していると、少しだけ気分が良くなっていった。
しばらくしてからアリスティアは部屋を出て、結団式が行われる第2会議室へと向かうのであった。
5話にてヒロイン登場。アリスティア・メルカトーレ・ローゼンバーグです。頭は良いです。最初はツンとしています。にしても登場が滅茶苦茶遅いですよね……。
もっと早くに登場させるべきでした><