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世界が変容して三十年

 西暦2015年。星に突如として197の大規模地下ダンジョンが発見された。


 どのように考えようが、そこに地下大空洞などあり得ないし、存在できるはずもない。だが事実として現代科学を否定するかのように唐突に前触れなく、神が隣にいたようにダンジョンが発生した。

 人類に光の速度を越えるが如く、情報の伝達が行われ、国がどのように情報規制をしようが意味がない。


 かくして、人類は奇跡を目の当たりにし、波乱と混沌のダンジョンブームが訪れた。


 人は広大で深淵、そしてありとあらゆる出入口が未知の冒険へと駆り立てられていた。だがそれも落ち着き、ダンジョンとの共生する社会は前とあまり変わらない生活を織り成していた。

 ほんのすこし、バイオレンスで狂気が漂うこの世界に青少年達の教育方針も変化があった。


 『ダンジョン探索』と呼ばれる教科が教育過程に追加され、体育の授業では模擬戦があったり、武器の使用することができたりと。その他にもあるが、2015年に発生したもう一つの育成が大々的に行われている。

 ダンジョンと共に発生、発現した人にありあまる超能力とスキル。その二つは今後の全てを決定するに等しい力をもっていた。


 超能力が社会的な意味をもつ時、富も名声も力も手にする。個人が保養する能力だが、それを手にするに相応しいからこそ与えられる。

 超能力により全ては決まってしまうこともある、だがそれも扱えなければ意味がない。よって、超能力を育成する教科が追加された。

 超能力と、超能力を扱う技術により学生生活も、今後の未来にも優劣が生まれる結果となった。


 その中で一人の少年がダンジョンを探索する者。


 --探索者。になるためにダンジョンと超能力の教育にもっとも力を入れている七薔薇学園へと入学した。


 華々しい才能と努力が集い、目標は多種多様なれど、達成するべく才能を努力を注ぐ誇り高き志を持つエリート校。

 多くの若者を未来へと送り出した実績は、芸能界、経済界、政治界、スポーツ界。科学界、芸術界、探索界へと広々に花を咲かせている。


 今の若者にとってこの学園に入学することがどれだけ未来にとって意味あるものかは、水面の月を見ているようなものだった。

 現代にしてあり得ない受験者数1万を抱える学園には必然と才能と動力を併せ持つ者が選ばれていく。


 入学した才能と努力を持つ若者は、夢と希望を抱いてこの学園の門を行き来をすることになる。


 だが同時にここは『才能』と『努力』をした者が必然と集まっている、なればもしどちらかが欠けていたら? もしも一つしかなかったら?


 もしも、もしも、もしも、両方……『才能』も『努力』もなかったら?


 ここではどんな惨めなことになるのだろうか。

 才能もなく、努力も否定されて、彼は何を思い、何を成すのか。


 ここでは、この世界では、才能(能力)努力(スキル)が物言う。


 どれだけ、夢を見ようが、希望を抱こうが、奥底から漏れ出す湿気たくらーい絶望が巣食らう。

 それでも諦めず目指すならば……知るだろう。


 決して越えられぬ『運命』を越えなければならないことを。

 少年--天命(てんめい)由目(ゆめ)は課せられたのだった?

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― 新着の感想 ―
[良い点] 文量も多く、かつ内容も濃くて読み応えのある作品でした! [気になる点] 改行を多めに使ってみてはいかがでしょうか? [一言] 読み応えがありとてもいい作品でした! よろしければ僕の作品も…
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