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⑸『生命と躍動』
⑸『生命と躍動』
㈠
生命と躍動、つまり、躍動する生命、我々はどこへいっても、何をしてても、躍動する生命を体感していたい、という訳であるが、それが、闇から光へと、何かグラウンドを一周するかのような不可思議に陥る時に、光明するのである。
㈡
自立という言葉は危うい、まさに、我々の我々であるからして、もうほとんど、意味を成さない小説が、我々を我々にするのである。何を隠そう、この小説の原点すら、生命と躍動とは言いつつ、訳の分からないものであるからだ。
㈢
それでいい、それでいいんだ、事は足りるのだから、それでいい。無理をするな、自然体であれ、精神の赴く侭に書かれた小説だけが、自分に事足りる本物の小説なのだから。そうだろ。無理をして得た小説なんて、本物じゃない、そう生命が躍動しながら、言っている幻聴を体感した。