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すっかり温まったモネは湯から出ると、明るい時間が短い事を思い出して服を着た。今日は街の誰かに話し掛けてみようと考えた彼女は、宿周辺から先へ進んで行った。モネに与えられている宿の周辺は、下から上へ物を運んで往来する者以外に誰も居なかった。家らしきものはあるものの、中に居るのか居ないのかも分からないような場所だった。
ペたペたと道なりに進み坂を登ると、大きな広場に出た。そこには果実や果物などのありとあらゆる食材が、たくさん並べられて積まれていた。モネが見上げて屈んでして見て回っていると、本を読みながら男性が歩いて来た。柔らかそうな大きい衣を纏い引きずらせ食材の前まで来ると、果実を見て手に取るとさっと拭ってかじった。そしてモネには見向きもせずに、そのまま元来た道を歩いて行った。
声をかける間もなく行ってしまう男性を、追おうとした彼女だったが、今度は後ろの方で物音がした。振り返って見ると、下着に上着を羽織っただけのような薄着の女性が、いくつもの果実を片腕で抱えながら最後に木の実の着いた枝を取って去ろうとした。




