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そう言って御守りをルヒへ無理矢理押し付けると、モネはその場を去って行った。大通りを足早に進む中、上の街へ行くのを止められたことが、彼女の中で引っかかりつつも、ワイスの喜んでくれた顔がそれを引き離した。モネが宿へ戻ると、いつも通りに、玄関でソムとおばあさんが話していた。
「用事は済んだかな?」
「はい!荷を取ってきます」
二人に笑顔で答えると、モネは部屋へ戻っていった。荷を背負い振り返ると、窓からは樹の景色が見えた。そっと扉を閉めて、玄関へ向かうと「お待たせしました」と彼女が現れたことに、ソムはゆっくりと立ち上がって身体を伸ばしていた。
「それじゃ、また来るね」
「お世話になりました。
行ってきます!」
「モネさん、待って。これを」
おばあさんはモネを引き止めると、草団子を手渡してくれた。
「まだ食事していなかったでしょ。
お腹が空いたら食べてね」
「お団子…。ありがとうございます!」
「いいなあ。私の分は無いのかね?」
「仕方ないですねえ」
二人はおばあさんから草団子をもらって、意気揚々と宿を出た。モネは大通りを少し眺めて、上への道を進んだ。




