36/49
36
翌日外が明るくなり始めた頃、目を覚ましたモネは出掛ける支度を始めた。そして部屋を出て玄関へ行くと、今日は誰も居なかった。そっと扉閉じて外へ出ると、ひんやりとした空気に差し込む陽の光が、とても心地よかった。モネは大きく息をした後、大通りを歩いてワイスの家へ向かった。
「あら、こんな時間に誰かと思ったわ。
何だか、久しぶりな気がするわ」
「早くからごめんなさい。
街を離れるから、挨拶しておこうと思って」
「下の町へ帰るの?」
「いいえ。上の街へ行く事になったの」
「上の街へ!?
あなたすごいわね、羨ましい。
私も入った事なんて無いのに」
「大丈夫。
いっぱい見てまわって、
たくさん話を持って帰ってくるわ。
他にも聞いてもらいたいことがあるし、
その時はまた泊めてくれませんか?」
「他にも聞いてもらいたいことって、
ルヒの事でしょ。
この前見掛けたのよね、二人で歩いてるところ。
もちろん聞かせてもらうわ。
あなたが来るのを、楽しみに待っているね」
モネは手を振ってその場を後にすると、ルヒに会うために時計塔へ向かった。時計塔へ辿り着いた彼女は辺りにルヒを探したが、都合良く見つけられるはずもなかった。街の者にルヒのいる所を聞くと変な物を見るようにしながら、時計塔の奥から続いている小路を指して教えてくれた。




