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「あの学校も、もうすぐ無くなっちゃうんだけどね」
「え、どうして?」
「新しく建て直されるんだよ。
あの形よりも、もっと良い形にね」
「ルヒさんは、それに携わらないの?」
「僕にはもう、そんな力無いんだよ。
僕よりも優れた発想が出来る者が居るからね。
ここよりも上の街並みは、
もう僕の造った面影はほとんど無いよ」
「そんな…。
今はもう、造ったりはしないの?」
「当然の事だよ。
皆がより良く過ごせる様に、移り変わるのはね。
僕にはもう、出来ないんだ。
この樹陽の街並みも、僕の面影は無くなるよ。
さあ、次は何処へ行こうか」
「それは、そうかもしれないけれど。
じゃあ…、扉!
あの街の外へ続いている扉を、案内してほしいです」
モネは気にしないようにしていたが、街中を歩いている時のルビに対するすれ違う者たちの視線は、本当に険しいものだった。蔑む様な視線や、警戒する視線。明らかに彼を避けている様子に、一体何をしたのだろうとも、彼女は少し気掛かりにはなっていた。自分と接しているルヒには、特に変わった所は無いどころかとても親切だ、と。そんな事を考えている間に、二人は扉まで辿り着いた。




