25/49
25
この街で初めて星の降り注ぐ町を知っている者に出会って喜びが溢れたモネだったが、ソムの雰囲気に何処と無く恐れを感じて、それ以上話すことを口が許さなくなった。穏やかに話す彼の視線は、彼女の一挙一動一言一句全てに注意深く観察しているように見えた。羽織っている上着の縁を握る手に力が入っていった事も、ソムには見透かされていた。
「ああ、下から来たからって偏見は無いよ。
その辺の者なら分からないが、なんたって私は歳を重ねているからね。ただ懐かしい響きだなってだけだ」
「ソム様、あなた身体も大きいんだから、こんなお嬢さんだと恐がっても無理ありませんよ。モネ様、食事の用意は出来ていますよ。直ぐに準備致しますね」
「恐がらせたか、ごめんよ。
食事か、いいねえ。彼女の料理は絶品だ。
私は先に休ませてもらうよ、ではまた」
「い、いえ。恐がってなんて、そんな。
ありがとうございます。
はい、また」
モネが部屋へ戻って間も無く、おばあさんが料理を運んでくれた。木の実で魚が盛り付けられていたりと、上品な造りになっていた。ぺたりと座りながら、彼女は飾られた木の実をつついてソムに感じた違和感を思い出しつつも、町のことを知っていると言った彼とは、また話す機会があればと思った。そして木の実を摘むと、窓の外を見た。




