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「ようこそ、お待ちしておりました。
昨日はごめんなさいね。
さあ、こちらへどうぞ」
モネは少し頭を下げると、案内について行った。用意された部屋は、彼女にぴったりな場所だった。窓からは街から覗く景色も、街中も眺めることが出来て、モネには十分な広さに小さな机には小さな花が生けてあった。その花は、おばあさんが部屋を整えた後に、入り口で見た時のようにちょこんと座って生けてくれたのが想像出来て、モネはとても嬉しい気持ちだった。
「それでは、ごゆっくり。
あ、そうだわ。
あなた、お名前は?」
「あ、失礼しました。
モネ、といいます」
「モネさんね。
可愛らしい名前ね。
夕食は、どうなさいます?」
「ご馳走になりたいです。
お世話になります、よろしくお願いします。
あの、お代はおいくらほどですか?」
お宿のお部屋もおもてなしも、モネが想像していた以上に良かったが、お代も想像していた以上のものだった。おばあさんが扉を閉めた後、荷物を隅へ下ろしたモネは、窓辺に座るとため息をついた。窓から見える綺麗な景色はいじらしくも、そのため息を受け止めてくれたようだった。彼女はひととき項垂れたが、すくっと立ち上がるとワイスの作った服を羽織り、街へ出掛けて行った。




