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ちょこんと佇むような小綺麗なその建物に入ると、小さなおばあさんが花を飾り付けていた。彼女はモネに気が付くと、不思議そうに歩み寄って来た。
「あら、どちらの方かしら」
「あ、私この街に来たばかりの者で、
泊まれる宿を探しているのですが、
ここはお宿ではなかったですか?」
「あらあら、そうでしたの。
ごめんなさいね、
常連の方以外のお客様はとても珍しくてね。
今日はいつものお客様のお部屋しか、
用意していなくてね。
お部屋を整えさせて貰いたいから、
明日からならばご用意出来るのだけれど、
如何致しましょうか」
「そうなんですね。
それじゃあ、明日からお願い出来ますか?
急にすみません」
「いえいえ、そんな。
こちらがご用意出来ていなくて申し訳ないの。
ではまた、明日にお待ちしておりますね」
おばあさんに見送られ、モネは挨拶をして宿を後にした。ワイスの家へ戻る頃には良い時間だと、大通りを帰って行った。行きとはまた違った景色に見えて、とても長い間歩いているにも関わらず、モネの機嫌は良かった。そして家まで辿り着き、彼女に会うと一言目にお願いをした。




