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太く枝分かれしたその場所には、所狭しと沢山の建物が犇めき合う様に建ち並んでいた。そしてその街並みを照らす光は、モネの見たことの無い陽の光に満ちていた。木漏れ日や木陰の陽の光とは違う、くっきりとした陽の光。眩しさに目がくらんで、手で光を遮りながら街並みを眺めた。白を基調とした色合いの街並みに、風が吹き抜ける気持ち良さを感じ、陽の光に目が慣れてくると街の外に見える景色に、根からは遠く高く離れた場所に来たのだと感じることが出来た。見上げるほど高い建物に囲まれながら街中を歩いていると、後ろから声をかけられた。
「あら、また会ったわね。
しばらく見なかったから、
下へ帰ったのかと思っていたわ」
振り返ると、下の街で会った女性が歩み寄ってきた。モネは女性を見た途端、何故かとても安堵して目を潤ませて駆け寄った。
「やっと辿り着けたの!
一緒に…」
「ルネ?!」
女性と話していると、今度は名前を呼ぶ男の声が後ろから聞こえた。モネが振り返ると、その男性が彼女へ抱き着いてきた。モネが理由も分からずに同様していると、女性と周りに居た人が引き離してくれた。
「あなたルヒと知り合いなの?!」
「誰か分からない、誰?!」
ルヒと呼ばれる男性は投げ飛ばされるように引き離されると、伏せ目がちにまたモネを見た。
「ごめん、人違いだ。
匂いが似ていたから、ごめん」
女性の後ろに匿われながら、ルヒが背を向けて離れていくのを見つめていると、急に辺りが陰っていった。そしてポタポタと水が降り始め、それはザーっと勢いが強くなった。
「あなた、行く所はあるの?」
「今は特に…」
「それなら着いてきて!
行きましょう」




