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幹をなぞりまた歩き始めた彼女は、緑の香りに触れて、触れられていた。手を取り惹かれ合い、腰に手を回してみたりと軽快な足取りは、軽く飛び跳ねて見せたりもした。鼻歌交じりの音に任せて踊って見せて進むモネに、草花に葉っぱに枝までも、手拍子に拍手と喝采だった。そうして気持ち良く進む彼女は、突然足を躓かせて手を着いた。
爪先のその先にある、躓いたであろうものを見ようと凝らした目が見つけた物は、道に出張る根でも、落ちている枝でも切り株でもなかった。モネはそれに触れると、つるりとして四角い形をした恐らく樹の一部だったものだと感じた。誰かしらの加工がされた四角いものだった。そして転げた辺りを見渡すと、その四角い物が敷き詰められて先へ続いており、道が形造られていた。これまでの道のりには無かった、明らかにこれ迄よりも洗練された物だった。
その形造られた道の先は、彼女にはとてつもなく眩しく光に照らされているように見えて、その場にへたり込んでいた足腰は飛び跳ねるようにモネを立ち上がらせた。これまでとは違う足に伝う感触に、もう直ぐそこに街があるという期待。手には汗を握り、踊り出しそうな足は、抑え込むように敷かれた道へ踏みしめて、大きく聴こえる鼓動を感じて進んだ。




