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7話

読まれているのかかなり不安だったんですが・・・

初めて評価が張りました!ありがとうございます!

特訓開始!

ということで父親にも護衛兼指南役として許可を得た。

お金の問題があったが・・・何とかなっている。

これまでコツコツと貯めてきたお小遣いが無くなってしまったが・・・


今日は初日ということもあり領主である父が見学している。

つまり見られているのだ。


「ではアスト様。基本から行きましょう」


アードラの言葉遣いが変わって雇い主としてきちんと扱ってくれているので助かる。

貴族は面子を重んじているので父が居る前ではなおさらだ。


「基本の剣術からだね?」


恐らくは僕がどれくらいできるのかを見極め今後の鍛錬方針を練るのだろうが・・・

父の手前色々と本気を見せられない。身体強化を使って見せたり、

いきなり人が変わったみたいに強くなっていては何かしらの障害が起きる可能性が高い。


だから


見せられない・・・。


いつも通りの王国推奨の剣術「王天流」を使う。

10歳の握力で握られた木剣を振るうが、アードラは事も無げに受け流して見せた。

身体強化すらしていない10歳が放つ剣だ。

大人からすれば児戯に等しい。

しばらくの打ち合いで一本を取られた僕にみせたアードラのその顔は「その程度かなぁ」って顔だ。

10歳の身体能力ではこれくらいだろう。


しかし、こう・・・モヤっとする。


自分がこんなに負けず嫌いな事を初めて知った。

正直な所、体力不足が酷いと思っている。

記憶が蘇る前は文官として生涯生きていくつもりではあったが、

今はそのつもりがほとんどない。


負けず嫌いのモヤモヤが何かと言われれば、

記憶の中の「俺」の動きが全くできないからだ。

少しくらいは妥協してもよかったが・・・ありえない程の齟齬が出た。

意図している方向へと動こうとしても考えてる通りに体が付いてこないのだ。

これは初めての記憶が蘇った事の弊害だった。

少しずつ思い出す中での自分の戦闘経験に少しは差を埋める必要がある。


次の日からは深夜、早朝に起きだしてのトレーニングを行い、

ポーション等を利用して急速回復を促し肉体改造に近い事をした。

当然、家族にはばれない様に。ついでにアードラにも。

何故ならあの顔に「驚愕」を張り付けてやりたいと思っているからだ。

最初の1週間で体の差異に大分慣れた事で次のトレーニングに入ることにした。


肉体強化の次は魔力強化が課題だ。

長寿の魔族とは違い人族の平均年齢は60歳前後であった。

長く生きていればそれなりに魔力が増大していくのだ。

そのためどうしても出てしまうのが魔力量の差だ。

倍の時間をかけて鍛えられればかなうわけがない。

が、実は魔力強化の方法は未だに確立されていないのである。

長年の経験から魔力を使う事で上がるとされていて、

使う時間が多くある魔族に有利になっていただけであった。


そんなわけで!


結局は使用する魔力である。

「俺」の時代に重ねたトレーニングで一番効果がでた秘密特訓を重ねた。

今現在の「僕」の魔力量はアードラの半分くらいにはなっていた。

ただ難点があり、魔力量は増大とともに上がりにくくなるのだ。


これがあるため魔族の長寿がさらに有利に働いた。

他の長寿な種族にも同じ事が言えたが。

魔力枯渇状態で部屋で大の字に倒れて、

「ははっ、ちょっと脅かすくらいには成れたなぁ」

とつぶやく。


適当に今までお茶を濁してきたアードラとの訓練もこれからは意味が変わるはずだ。

一回、ぎゃふんと言わせてやる!


子供っぽいかもしれないが男としての矜持だ。

本気の度合いってのを見せつけてやる!

負けず嫌いここに極まれりだ!

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