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10話

評価増えないです><

〇アードラ・スフォリス


10歳の子供が本気を出した。

ありえない話ではないがありえない状況だ。


思わず笑ってしまうほどに。


木剣を構えて互いに向かい合うと、すぐに脚を狙った斬撃が飛んできた。


速い。


身体強化を限界近くまで行っているのがわかるが、

一歩間違えば体を壊しかねない危険な行為である。


バックステップで距離を十分に取ったつもりだったが、

アストは逆の手に魔法を発動させその爆風に乗る様に飛んでくる。


「ちょ、本気!?」


そんな魔法なんて教えていない。

魔法を攻撃ではなく行動の補助「加速」するために

使うなんてありえない。


そのまま斬撃を繰り返してくるアストをなんとかしのぐ。


「これはとんでもないね!」


思わず叫ぶ!

歓喜だ。人間にもこれほどの子供が居る。

世界を見て回る事を目的として「外出許可」を必死で得た甲斐があったというものだ。

冒険者の中には熟練の強者もいるらしいがこれほどの強さを見せる事は普通ないのだ。

魔物退治が主な冒険者稼業ではあるがそれほどの強さを要求されはしない。

さらに言えば上位のSランク等見たこともないのだ。

居るのか?と不思議に思っていたが・・・これは居るかもしれないと期待させられる。


しかし、これはどうなんだろうか?

上位ランクの冒険者に匹敵しそうではないか?

まだ私には届きそうにはないが鍛えればまだまだ上にいけそうなのだ。

強者に会えるのがうれしくないわけがない。


魔族の強者は桁が違うので相手にすらされないが、

こっちでは多少楽しめると思ったが予想を外してつまらなかった。


それがここにきてこれだ。

不敵に笑う少年アストがさらに魔力を上げる。


「そうですか!」


「じゃぁギアをあげますよ?」


そういうとアストは限界を迎えているはずの

身体強化がさらに上がる気配がした。


「レベル3!」


ちょっとまて。

それは体が持たない!

まずいッ。


「初めて余裕がなくなりましたね?」


下手をすれば再起不能になるのにこんな事を考えていたとはね。


「まさかここまでとは思ってなかったよ」


馬鹿な事をする子供だ。

初めての身体強化での全能感を持ってしまった子供がやらかす失敗だ。

勢いで体が持たないレベルの強化をしてしまう。


「来なよ・・・」


即座に気絶でもさせて反省させてやらないといけない。

このレベルで全開超えての強化をしているとなれば強力な一撃で落とすしかない。


自分の身体強化の上限まで魔力を上げる。

纏った魔力では互角なんじゃないかと思うほどだ。


だが、間違った事をしてはいけない。

強化の限界超えは禁忌だと教えなければいけないのだ。

と考えていたら・・・。

爆発でもしたかのようにアストの足元が爆ぜる。

これで脚の骨が折れてそうだが・・・。

迎え撃つようにこちらも突っ込み剣を交差させる。

ぶつかった木剣同士が粉々に弾け飛び爆発を起こすと木剣を振りぬいた体制のまま吹き飛ばされる。


10メートル程の距離を飛ばされて受け身を取り、

体制を立て直すと反対側に飛ばされて倒れているアストを見つけた。


「力を出し切ったってところかな」


ゆっくりと近づいて行くが身体強化等の魔力を纏った気配がない。

多分、気を失っているんだろう。


「魔物よけの魔道具も勝負の後に倒れる事を見越して使ったのだろうな

 こっちも久々に疲れがでたよまったく」


膝枕の体制にアストの頭を持っていくと寝かせて

損傷個所を調べるため回復魔法を発動するが、最初の魔法解析で意外な事が解った。


「疲労だけ・・だと・・・・」


明らかに限界を超えていたはずだ。

最低でも爆発するように蹴った脚は折れていても不思議ではない。

魔力による身体強化は言わば無理やりに体を動かす魔法でしかない。

一体何をしたというのか。

この子供は一体何者なのだろうか。

期待する半面不安もあったが、

この後目覚めたら色々と聞いてみるのが一番なのかもしれない。

優しく髪を撫でながらそう思うのだった。


ブックマークも0とな・・・うーん。

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