1話
初投稿になります。
不定期更新だと思いますが読んでいただけたら嬉しいです。
魔国ガルイックとオラフティア王国の国境にある平原
「ラスティア平原」に魔国の軍勢と連合国軍が対峙していた。
睨み合い状態になったのは一か月前。
数では上を行く連合軍。
オラフティア王国・ゼネデイロ聖国・ワークリア帝国
の三か国の軍勢に対して半数以下の軍勢もいない魔国軍。
魔族は恐れられたのだ。
各国が結託し魔族の国を滅ぼし安寧を求めた。
魔法に優れ異能の力を持つとされる魔族であるが故に
対峙できていたが、それも最後になるのであった。
国家の威信をかけた精鋭を本陣の魔王まで届け
魔王のみを迅速に討ち戦争を終わらせることにした連合国。
その事実を事前に知っていて俺はあえて受けた。
魔国宰相に後を託し、魔力の大半を使用して
大規模結界魔法を行使して魔国民の大半を避難させた俺に
連合国の精鋭である『勇者』を相手取る。
綺麗に終わらせる為の負け戦である。
魔国の王 ティアスト・ティマイン
実力主義の魔国にて成り上がった俺は最後の時間を迎える。
「魔王、言い残すことはあるか?」
戦場にて最後の乱戦の最中、送り出された連合国側の
勇者と呼ばれる男が倒れ血を流す俺に尋ねる。
「言い残すことか・・・」
俺は別段、戦争がしたかった訳ではなかった。
ただ、些細な発端があり、王としてそれを放置できないがために
抗議した結果がエスカレートしたのであって・・・
このまま世界規模の戦争にまでなってしまえば
世界が滅びかねない可能性だってあった。
なんて言い訳でしかないが。
「魔国はこれで滅ぶだろう・・・が、発端をさがして見るんだな・・・
正しい事をしたつもりかもしれんが、俺達側にも正義がある・・・
譲れないものがある。
俺の死と共にその胸にでも刻んでおくといい・・・」
貫かれた胸から出血が酷く既に目は見えなくなっている。
辛うじて紡ぐ言葉での負け惜しみだ。
事実仕掛けたのは連合国側でやり返す事が正しいとは
思っていなかったが・・・・
ここで綺麗に負ける必要があるだろう。
国のトップが死にあいつらの国々が世界の平定を
言い出す為の踏み台でしかない。
つまりは悪役だ。
残りの命の数分間。
頑張って作り上げた国が滅んでしまう事の悲しみ。
頼りにしていた仲間たちとの別れの悲しみ。
そんなことを思ってしまった俺の目から涙が流れた。
悔しいなぁ・・・。
和平を求めた相手が悪逆非道だと分かっていれば
国交など持たなかった可能性だってあったのだ。
結局は相いれない相手であっただけなのかもしれない。
正直、今でもぶっ潰してやりたかったが
国民の方が大事だと自分に言い聞かせる。
そう国は無くなるが国民である魔族は滅びない。
ただの無念を抱えて俺はこの世から消えた。
西方歴205年--------
魔国ガルイックは魔国王ティアスト・ティマイン
の死と共に滅亡した。
オラフティア王国の第一王子ガスクト・オラフティアは
魔王討伐の勇者として祭り上げられた。
そして時が流れた。
小説の投稿の仕方がむづかしい><