14 エッセイ〔その他〕至高の主人公論『理解できないが理解出来る主人公』がウケている!!
【 タイトル 】
至高の主人公論『理解できないが理解出来る主人公』がウケている!!
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【あらすじ】
小説において中心的な核となる存在。
それが『主人公』です。
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ではどんな主人公が世間にウケているのか?
それはズバリ『理解できない』が『理解出来る』主人公です!!
これはつまり、
『自分はそういう風な考えは持っていないが、そういう考えのヤツがいるのは理解できる』
というギリギリのラインにいる主人公がウケているということです。
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もっと具体的な例をあげましょう。2019年現在一番売れている漫画である『ONE PIECE (ワンピース)』を例にすると、主人公である麦わらのルフィーは『海賊王になる』という目標を一貫して掲げ、その目標に強いこだわりを持っています。
現代を生きる我々にとって『海賊王になる』という目標は正直理解し難いものであると言えますし、実際に海賊王を目指している人はほぼ居ないと思われます。
ただ、そういう考えを持つヤツが居てもおかしくないだろうというのは間違いなく理解出来ます。
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そして、このギリギリ理解できるラインの主人公という設定は
・ 理解できないが理解できる主人公はキャラクターが特徴的で分かりやすい
・ ストーリーラインが明確になるので書きやすい
・ お約束構造が分かりやすいのでお約束の面白さが楽しめる
・ 数話飛ばしても話が分かるので、連載途中での読者の脱落を防げる
・ 強いこだわりが引き起こす必然的なピンチは、ドラマチックな展開を描写しやすい
などの利点があるため読者ウケしやすく、なおかつ作者にとって書きやすいという特徴を持っているのです。
そこでこのエッセイでは様々な作品の『理解できないが理解出来る主人公』を引用し、その特徴を分析し、その魅力や「何故ウケているのか」について深く掘り下げていきたいと思います!