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魔王と勇者出会う

この世界には天才がいるそう……僕のことだ。

魔法が蔓延るこの世界に生まれ、物心ついた頃からありとあらゆる魔法を扱えるようになった僕は最年少で賢者の称号を貰い国で一番の魔法使いとして名を轟かせていた。

人生薔薇色。


なんの苦労もなく欲しい物は何でも手に入るし周りの尊敬や嫉妬の視線が心地よく毎日を楽しく魔法ライフで送っていた。

そんな人生を変える出来事が起こったのは、僕が所属する大魔法帝国の王様の誕生日パーティーにて、王様の誕生日プレゼントに守護魔獣を召喚して欲しいという依頼が舞い込んできた。


世界中から取り寄せた国宝級の素材をこれでもかと使い、僕もこれだけの素材を使って呼び出す守護魔獣がどれ程のものかと知的好奇心から悪ノリで自身のもっている中で最高級の素材をついでとばかり放り投げて召喚魔法の呪文を演出と芸術性を取り入れた巨大な魔方陣と長い呪文を用意し、神々しい光景を作り出し、正に今から神様降臨致します。


みたいな雰囲気を作り出す事により王族や貴族のご機嫌を取りながら自分の知的欲求と研究費どっちも満たせる最高だぜ!

と考えていたのが数分前で、眩い光に目がくらみ、

気が付いたらあたり一面が木々に囲まれていて訳が分からない光景に変わっていた。


「なんじゃこりゃーーーーーーーーー」


クールで何事にも動じないと定評のある僕でもあんまりにも予想していなかった光景につい声をあげ叫んでしまった。

落ち着いてあたりを見回してみるといつも僕の周りを飛び回っている精霊も大気中に漂う魔力も感じない、つまり魔法の世界にいて精霊や魔力を感じないというのは常識的にありえないことであり、ましてや賢者と呼ばれてる僕が感じないなどもっての外だった。


天才的な頭脳から導き出した答えは、考えたくはないが膨大な魔力による時空間の歪みによる影響で、遥か未来に飛んだか全く別の異世界に飛ばされたかの可能性が頭に過ったがあまり深刻にとらえる必要は全くない! なぜならまた召喚魔法を行使して同じレベルの時空の歪みを生み出し帰ればいいんだから。



最も触媒に僕の持っている中で一番強い魔力の宿る愛杖を犠牲にしなくてはいけないことを除けば、たいしたことはないのである。


「さて、魔方陣も詠唱も気にしなくていいが先程とできるだけ同じ感じでやれば大丈夫だろ」


僕は簡単に魔方陣を描き、詠唱も省略し真ん中に愛杖を置いて準備が完了したとともにまた眩い光に包まれ確かな手ごたえを感じた。

流石僕!天才だ!賢者だ!と心の中で自身の称賛の言葉を羅列していたら女の甲高い叫び声に意識を戻された。


「異世界召喚キタアアアアアアアアアア」

「・・・・・・」


頭が真っ白になって、言葉が出ないという状況になったのは生まれて初めての経験だった。元の世界に帰れると思っていたら突然魔方陣の中から奇声を発して現れた黒髪黒目の少女が出てきたら誰だって驚くことだろう。


「わ~あなたが私を呼んだ魔法使いさんですか!お城の中やお姫様がお出迎えを想像してたんですけど、森の中なんてやっぱりリアルな異世界召喚は違いますね!」

「・・・・・・」


訳の分からない少女は放置して、今の現状を整理しよう。

この少女が僕の元居た世界から来たということはないな。

魔力が感じないということと僕の世界は黒髪黒目の人間は存在しない。

この二つの事から推測するに僕とは違う世界から来た異世界人ということになる召喚魔法は成功だ!もう帰る為に必要な素材を使ってしまったので帰れない!

どうしよう!


「あの~頭抱えてどうしたんですか? 頭痛いんですか? 大丈夫ですか?」

「……心配してくれてありがとう。 少し不測の事態に混乱してるだけさ君は今の状況を分かっているのかい?」

「勿論ですよ!! 勇者としてこの世界を救って欲しいてことですよね? ちょっと待ってて下さい. 異世界に来たらまずステータスの確認をしてみたかったんです!」

「そうか、ステータスの確認か」


どうしようこの女が言ってることが一つも理解できない。

勇者て何?世界を救う?ステータス?何を言っちゃてるんだろう?

まず手違いで召喚してしまったことに対して誠心誠意謝罪の言葉から入ろうとしたら何故か喜んでるみたいだし、もしかしたらこの世界の住人だったり!でも異世界て言ってるからやはり違うのか?

と僕が考えている内に目の前の女は何やら大声で叫びつづけている。


「ステータスオープン! 開け! スキル確認! でないな~ステータスが観れる世界じゃないのか~残念」

「取り込み中の所悪いんだけど、少し質問して良いだろうか?」

「あ!すいません長年の夢だったのでついついはしゃいでしまって、質問てなんですか?」

「君は異世界に召喚されたと認識しているのに全く同様していないがもしかして異世界に召喚される事は珍しくないのか?」

「とんでもない!とってもビックリしてますよ!勇者として召喚されるなんて夢が叶いました!」

「ところでさっきから勇者て言葉を言っているがそれは何なんだ?」

「……私て魔王やら邪神を倒して世界を平和にしてほしいてことで召喚された勇者ですよね?」

「いや・・・・・・違うんですけど」

「え?」



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