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こんなに華麗な美少女が、あたしに恋するはずがない!  作者: 日々一陽
第6章 ミス剛勇ハイスクール
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第3話

あけましておめでとうございます。

今年も頑張って書き続けていきますので

ご愛顧よろしくお願いします。


作者謹白



 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


「千歳、ちょっといい?」


 夜、自分の机に座って、化学の復習をする手を止めてぼうっと窓の外に星を眺めていると、扉を叩いて入ってきたのはマナだった。


「勉強してたんだ、ごめんね」

「ううん、ちょうどいま終わったところ」


 本当は考え事で勉強なんて手についてなかったんだけど。

 水色のブラウスにキュロットという可愛らしい出で立ちのマナは、僕が見ていた窓から同じ夜空に目を向けた。


「出し物も考えないといけないけど、あっちの方はどうするの?」

「あっちって?」

「生徒会選挙」

「ああ」


 やっぱり。

 マナは僕が男だって知っている。そしてそれは1年間だけだと言うことも伝えた。彼女はそれを理解して受け入れてはくれたと思うけど――


「出馬なんて出来ないよ。だってわたくしは居なくなる身……」

「どうしていなくなるの? あたしは気にしないよ。秘密は守るわ、絶対に。だから――」


 彼女の言葉に心が揺れる。彼女にマリアナ女子への編入を思い留まらせたのは僕だ。それなのに僕はここからいなくなる。人を引き留めておいて自分はいなくなる。そんなの卑怯だと思う。だから揺れる。


 でも――


「わたくしはみんなを騙してるのよ?」

「だから? それで誰かが困った?」

「40人ほど泣かせた」

「確かに」

「本当に申し訳ないことだよね」


 誰とも付き合わないって宣言してるのに自爆しに来る男は後を絶たない。 男ってドMばかりなのだろうか? だけどその責任の一端は僕にだってあるのだ。しかしマナの視点は少し違っていた。


「違うよ。みんな千歳に憧れて千歳に胸躍らせて、千歳に恋をしてるのよ。幻なんかじゃなくって確かに千歳はここにいるの。ねえ千歳、恋をするって素敵なことだと思わない? 幸せなことだと思わない? あたしは幸せだと思うよ。みんなも幸せなんだよ。例えそれが実らなくても、そこにどんな秘密があったとしても……」


 驚く僕から目を逸らすと、彼女は部屋から出て行った。



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