プロローグ
百合風味、はありますが、基本「ノーマルな」学園ラブコメです。
お楽しみいただければ嬉しいです。(作者謹白)
プロローグ
信じられない、
こんなに綺麗な女の子がいるなんて!
それが『彼女』の第一印象――
桜咲いた春。
ここ、剛勇学園高校は今年から共学になった元・男子校です。
新入生の女子はたったのふたり、あたし・遊里眞名美と姉小路千歳。
他はみんな男子ばっかり。右を向いても左を見ても男子、男子、そしてまた男子! けれどあたしは心細くなんかありません。だって千歳が大好きだから。さらさらと煌めく黒髪、すらりとしなやかな肢体。優しくって頭も良くって、その上とんでもない美人。一目会ったその時からあたしは千歳に首ったけなんです。
先週末の入学式、新入生代表として堂々と壇上に立った千歳。
今朝のHR、あたしたちの席が隣同士になるよう先生に掛け合ってくれた千歳。
放課後、男子生徒たちの告白をピシャリと切り捨てた千歳。
千歳のことを想うとあたし、体が熱くなるんです。どうしてかな、あたし百合とかお姉さまとか、そんな世界には全然興味がなかったのに――
このお話は、そんな千歳とあたしの物語。
男ばかりの学校に、たったふたりで放り込まれた千歳とあたし。
これから何が起きるのか、あたしも全く分かりません。
だけど千歳と一緒なら、楽しいことがいっぱいあると思うんです。
トキメキが止まらないんです。
あ、彼女が戻ってきました。そろそろあたしも行かなくっちゃ!
それでは皆さん、めくるめくふたりの物語をぜひぜひお楽しみください、ねっ!