はじまりー8
ついに始まった全校集会の冒頭で僕の紹介が始まった。学院長であるリリーと生徒会長であるソフィアが先に入る。それに続いて僕も入って行く。舞台の中心に歩いて行き観客席を見るが、1700人も人がいるのだ。緊張して足が震える。
リリーやソフィアが異世界から来た事など最低限の説明をした後、マイクのようなものを渡された。僕は、緊張のあまり、しどろもどろになりながら、自己紹介をする。これを横で見ていたソフィアが、
「頑張って」
と声をかけてくれた。そのおかげでそれ以降の自己紹介はしっかりと乗り越えた。
そして、ついに魔法の実演をすることになった。しかし、リリーやソフィアが頑張ってと囁いてくれ、魔法の詠唱を行い成功した。その瞬間、場内は拍手喝采に包まれた。それもそのはずだ。王国では、リリーのみしか使えないと言われていたのが、目の前で転入生が成功を果たしたのだ。これまで、何者という目で見ていた者たちの目の色が変わった。場内の歓喜の声は止む気配が一向に無い。そのため、リリーがマイクを通して、手を叩きなんとか止まった。全校集会を開いたもう一つの理由である話が残っているからである。なので僕は、最後に、よろしくお願いします。と挨拶し舞台袖へ下がった。