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はじまり−2

 輪から出ると鉄の鎧を着た衛兵が大勢並んでいた。その者達全員が頭を下げてくる。僕が、驚きつつも頭を下げていると、リリーが僕の手を引っ張り大きな扉の前に立った。するとそこに立っていた門番らしき衛兵にリリーが声をかけると、その衛兵はリリーに深々と頭を下げると、大きな扉が開けられ、これまた大きな部屋へと通された。リリーと共にその部屋へ入った。天井までも何メートルあるのかわからないほど天井もとても高い。部屋の縦も横もどれだけあるかわからない。その部屋には、とても大きなカーペットがひかれ、上の方にある窓には、ステンドグラスが。壁や天井にもびっしり綺麗な絵が描かれている。

 その部屋の1番奥にとても大きな椅子があり王様らしき人が座っているが、そこにどんな感じの人が座っているかは、全く見えない。そんな中、リリーと歩いていると、部屋の真ん中くらいの場所で、リリーが突然しゃがみ頭を下げた。僕もそれにつられてしゃがみ頭を下げると、リリーは僕の手を離し、

「エレベスト・リリーと勇者、岡野コウキ殿ただいま参りました。」

 僕は戸惑っていた。いきなりリリーに、勇者と言われたのだ。僕は、驚きを隠せずとても動揺していた。すると王様らしき人が僕の元へ駆け寄って来て。

「よくいらしてくださった。勇者、岡野コウキ殿どうか我が国エレファストを導いてくだされ。」

 顔を上げるとそこには60くらいの優しそうな老人だ。その老人こそが、エレファスト王国国王である。僕がさらに戸惑っているとそのリリーが、

「こちらは、エレファスト・グレアタイン国王陛下で私のおじいさまなの。」

 僕は、さらに戸惑うと同時に、これまでの話も納得できた。この若さで国立学院の学長も王族であれば理解できるし、それにさっきの衛兵たちも頭を下げたことも納得できる。そんなことを考えていると、王様が、僕に

「お腹は空いてはおられんか」

 と聞いてきた。これは、断った方がいいと思ったが声が出ない。すると僕のお腹が、グゥ〜と音を立てた。

 これを聞いた王様は、周りにいる者に声をかけ、王様は、僕をこっちへと言わんばかりに手招きをした。これを見て僕は、行くべきか悩んでいると、リリーが、また僕の手を握って引っ張って、行こうと声をかけてきた。それにつられて、僕も隣の部屋へとついていった。

 王様とリリーに連れられ、隣の部屋へ入った。この部屋は、これまでとは違い少し小さめだ。ただ、普通の家のリビングの何倍もある。だが、僕は、大きな部屋にずっといたため、少し小さく感じた。そして、僕、リリーそして王様の3人は、その部屋の真ん中にある、テーブルの周りに20席ほど椅子が置いてある大きなテーブルの真ん中のあたりに、僕とリリー、向かい側に王様が座った。そして、王様が座った席のすぐ横に置いてある鈴を鳴らした。すると、メイドがやって来て、皿や大量に盛られた食べ物を持ってきて、僕たちの前に並べていく。

 僕は、テーブルマナーなんてできない。そんな心配をしていた。だって、ただの高校生だ。そんなものと全くと言っていいほど接点がないのだ。でもその心配は、すぐに無くなった。リリーが箸を用意して来てくれていたのだ。リリーにとって、ここでご飯を食べることや、僕がテーブルマナーで困ることは予想していたのだろう。

 僕は、そのファインプレーのおかげで緊張しながらも、食事をとることが出来た。もちろん、初の異世界の料理だ。どんな味か恐る恐る食べてみる。しかし、これまでの人生でここまで美味しいものを食べたことはない。というほど、日本での食事と比べ物にならないほどとても美味しい。

 その食事の時に。僕は様々なことがわかった。今、ゴブリン達モンスターが出て、国が荒れていること。

 この世界にも多くの国があるが、最近、その国々にもモンスターが出ている国が多くあり、その国々の内政状態も良くなく、そんな国々を狙っている国もあり、国際情勢もあまり良くないこと。

 他にも、エレファスト王国の歴史や文化など、様々なことを聞いた。

 そうしている間に2時間くらい経ち王様が、これから公務があるということで、リリーと来るときに使った輪を使い学院に戻った。その際にも、エレファストを導いて欲しいと何度も頼まれたのだった。


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