番外編 イリスの素顔
※注意※
時系列無視の完全お遊び番外編
完全にノリと勢いで書いたためお見苦しいかも
キリウの師匠、イリス。彼女の正体は弟子のキリウから見ても未だ謎が多い。
キリウの感じる一番の謎としては素顔を未だにまともに見たことがない点だろう。
彼女は常にフード付きローブを着用しており、そしていつもフードを深く被りこんでいる。口元や時折垂れる赤い髪など、断片的には見れなくもないのだが、いかんせん情報が少ない。
直接イリスに聞いてもはぐらかされるだけで、はっきりとした返事は返ってこない。
何故師匠は頑なにフードを脱ごうとしないのか、出会った初期から浮かんでいたキリウのその疑問は修行の間すらも時折頭をよぎり、謎に包まれたその素顔への好奇心は高まっていくばかりであった。
そして溜まりに溜まった好奇心はついに爆発し、キリウを突発的行動へと走らせた。
作戦一、隙を見てフードを取る。
結論から言って、この作戦は不可能な作戦だったと言える。
隙を見てとは言ったが、修行中もそれ以外も大抵一緒に行動しているし、そもそも身長差がだいぶあるため手を伸ばしきるか、ジャンプしなければそもそもフードに手が届かない。
あのイリスを前にしてそんなことは不可能だと実行する前からわかりきっていたが、もしかしたらという希望にかけてキリウは一度だけ挑戦した。
イリスがよそ見をした瞬間を見計らってジャンプしてフードを外す、はずだったのだが、振るった手は背中に目でもついているのかと言いたくなるような身のこなしで華麗に回避され、そのまま見事なにもない空を切り、勢いあまって着地に失敗しその場に落ちる。結局「どうした?」とイリスに心配されただけに終わった。
作戦二、水浴び中を覗く。
あくまでも旅の途中、というかそもそも森の中であるためお湯の出る風呂などない。残念なことに、都合よく温泉が見つかる、ということもない。そのため身体を洗うときは近場にあった泉を利用している。
勿論順番は別々であり、一緒に入るなどということも起きたりはしない。覗くなよ、と念押しもされている。
見つかった瞬間に殺されそう、そんな想像がキリウの身体をぶるると身震いさせるが、ここで動かねば男が廃ると意を決して息を潜め泉へと近づいた。
大切なことを言うが、キリウに下心は一切無い、ただ純粋な好奇心のみが彼を動かしているのだ。
幸いなことに泉の周辺は草木、茂みが多く、隠れる場所に困ることはないだろう、問題はそもそもそこまで辿り着けるかというところなのだ。
キリウは茂みの中をゆっくりと匍匐前進しながら進み、後少しというところまで辿り着いた。
しかしこれは湯浴みではなく、水浴び。普段行って帰って来るまでの時間を考えても残り時間は長くない。
速度を上げよう。そう思いキリウが再び腕に力を入れると、突然ポンと肩に手を置かれる衝撃が伝わってきた。
(あ、死んだ)
キリウは即座にそう思った。
しかし想像していたような死刑(魔法)が飛んでくることは無く、おかしいなと思いながらも恐る恐る後ろを振り返ると、そこには呆れた顔をしたアリスがキリウのすぐ斜め後ろに寝転んでいた。
「なんでアリスが……?」
「私は見張り役、主に貴方のね。いっつも近くで隠れて監視してたんだけど気づかなかった?」
「全然気づかなかった……」
「はあ、取り敢えず見なかったことにしてあげるから止めときなよ」
わざわざこのタイミングで止めに入ったということは、ここが最終勧告ということなのだろう。
これより先に進めば命の保障はないと言われているようなものだった。
どちらにしろ見つかってしまった以上、このまま進んでもどうしようもないだろう。
見なかったことにしてあげるという発言を冷静に聞くことが出来る程度には、キリウの冷静さは残っていた。果たしてそれが冷静といえるかは謎だが。
アリスの忠告を受け入れアリスと共に素直に元の場所に戻ってきたキリウは、また失敗したと大きく溜息をついた。アリスはそんなキリウを見て苦笑を浮かべながらも、声をかけた。
「気になるのはわかるけど、なにも言わないでほしいな。いつか必ず見せてくれると思うからさ」
そう言われてしまうと、なにも出来ない。
仕方ないとまた大きく溜息をつき、押し寄せる好奇心を胸の奥へとしまいこんだ。
がさがさと揺れる茂みからイリスがにょきりと顔を出す。
「ただいま-。いい子にしていたかね?」
「はい、師匠」
相変わらず素顔は隠されている。
いつ素顔を見せてくれるのか、気長に待とうとキリウは一人思った。
実は本編ちゃんと読むとイリスの表情に関しての記述がなかったりしてます
イリスから見てキリウが笑った、などの文章はありますがイリスは雰囲気や笑い声だけで顔が写っていません
時間があれば見直してみてくださいね( *・ω・)




