”ぱぱ”とぼくのはなし
幼稚園児のいとこのために絵本っぽいものを書こうと思い、挑戦しました。
全編ひらがなです。
よろしくお願いします。
―――――ほしが きれいな よるでした。
いえの そとから すずむしの りんりん という こえが きこえてきます。
「ねぇ ぱぱ」
ぼくは ぱぱに はなしかけました。
「ききたいことが あるんだ」
ぱぱは ぼくの ちかくに すわりました。
「なんだい?」
ぼくも すわりました。
「どうして すずむしは ないているの?」
ぼくは ききました。
「ないているわけじゃ ないんだよ」
ぱぱは こたえました。
「かぞくを よんでいるんだ」
「すずむしにも かぞくが いるの?」
「もちろん どんなにちいさな いきものだって かぞくが いるんだ」
「ままも ぼくが りんりんって ないたら かえってきてくれる?」
ぼくが きくと、 ぱぱは にっこりと わらいました。
「きっと すぐに あえるよ」
ぼくは うなずいて、 まどの そとを みました。
「どうして そらは くろくなるの?」
あおいろの おそらを おもいだして ぼくは ききました。
「それはね そらも おやすみしているからだよ」
「そっか」
ぼくは きゅうに ねむくなって あくびをしました。
「そらも つかれちゃうんだね」
「そうだよ」
ぱぱは うなずきました。
「そろそろ ねる じかんだ。 おやすみ」
「うん。 おやすみなさい」
ぼくは たちあがって ぱぱを ふりかえりました。
そのとき きがついて、 ぼくは もういちど そのばに すわました。
「ぱぱ」
「なんだい?」
ぼくは ぱぱを みつめました。
ぱぱも ぼくを みています。
「だれ?」
”ぱぱ”は ほほえみました。
「それは こたえられないな」
ぼくは すこし ざんねんな きぶんに なりました。
「”ぱぱ”にも わからないことが あるんだね」
そのとき ぼくのほほを つめたい みずが すべりおちました。
それは なみだでした。
「”ぱぱ”。 どうして?」
ぼくは ぱぱじゃない ”ぱぱ”に ききました。
「どうして ぼくは ないているの?」
”ぱぱ”は こたえました。
「それはね、 きみが そのこたえを しっているからだよ」
ぼくが しっていること。
すずむしは かぞくをよんでいる ということ。
そらも おやすみする ということ。
それと―――――
「きみは もう しんでいるんだよ」
”ぱぱ”の いった このことだけでした。
ぼくは ”ほんとうの” ままと ぱぱのところに いこう と きめました。
「”ぱぱ”」
「なんだい?」
ぼくは ”ぱぱ”に いいました。
「おやすみなさい」
―――――ほしが きれいな よるでした。
挑戦の結果、母親にボツを食らいました。
「幼稚園児に何ちゅうもん見せるつもりやボケ」というツッコミ付きでした。
私的には、ちゃんと絵本っぽく書いたつもりなんだけどな…。
そんなこんなでフォルダの隅に眠っていたこの作品が、日の目を見ることができて良かったです。
平仮名だらけのこんなに読みにくい話を読んでいただいて、ありがとうございました。