ユース・キングダム、レイジとソロウその他世界観説明
本編十六話まで読んでいない人には推奨しない。重大なネタバレが含まれている。
【ユース・キングダム】
産業革命期の19世紀イギリスを基にした国。魔導騎士であるマーカスが実権を握る軍事国家であり、数多くの植民地を持っている。
何故王家ではなく魔導騎士が統治をしているのかと言うと、この国は数え切れない数の植民地を持っている為に恨む者が多い。その為に常に暗殺者が待ち構えており、王家を安全な王宮に押し込める事で平穏を保っている。
魔導騎士については後述するが、そうする事で国家としての体裁を保っていられている。この辺りを本編で解説するのは中々に苦しいので今後説明するかどうかは不明だ。
ユース・キングダムの平均身長は170cmであり、この数値は19世紀当時のイングランド人の身長を調べて妥当な数値に脚色した結果だ。実際の数値はこれより低い。私も調べて驚いた物だ。
脱線するが隣にな魔術について優れた国があり、そちらはフランスをモチーフてしている。
【魔導騎士】
龍をシンボルにしている軍の最高司令官であり、事実上の国王。必要な能力値、そして王家の信頼を得られれば庶民や貧民層でもなる事が出来る役職だ。
人々の憧れの的でありユース・キングダムの顔でもある為に審査基準は厳しく、体術、魔術、知恵、身体能力全てを高い次元で求められ作法も覚える必要がある。
庶民もなれるかもしれない、と言う点が売りであり賄賂を渡して不正に魔導騎士になる事は不可能。少なくとも現在の女王が生きている限りは。
十三人の守護者は魔導騎士直属の部下であり、他の作品の幹部にあたる立ち位置だ。守護者になる方法は貴族からの出世コースか魔導騎士候補からの繰り下げがある。
【拳銃】
小さいながらも引き金一つで人の命を奪える武器。大きさはまちまちだが基本的に大きければ大きい程威力も高い。しかし大き過ぎると取り回しが悪く、小さ過ぎると威力も精度も悪い難しい得物だ。
五、六発装填が多く、ほぼ全てがリボルバータイプの為に連射が効かず再装填には時間が掛かる。しかし補って余りある破壊力を発揮し、直撃すればレイジやフェイクですら命を落としかねない。
鎧を簡単に貫ける弾丸を発射するので一時期は甲冑が製造停止になりかけたが、銃弾を弾く魔術が発見されてからは鎧が再び猛威を奮った。
魔術を帯びた甲冑を貫通させるには弾薬一つ一つに魔術を掛ける必要があり、労力と対価を見比べた結果弾に魔術を掛ける者は居なくなった。
今では拳銃を使う者は街のギャングや力の弱い者、心配症な者だけとなっている。理論上、拳銃を巧みに扱えば多勢に無勢の状態からでも脱却出来るが、現在実践した者も出来た者も存在しない。
【切り裂きジャック】
数年前にユース・キングダムに現れた正体不明の連続殺人鬼。レイジが痕跡を追い掛け捕まえる事が出来なかった唯一の犯罪者であり、犯行現場に居合わせた警官達が皆殺しにされていた事から頭脳、身体能力共に優れている事が分かる。
そのあまりに非道徳的な行いや狂気すらも感じ取れる殺害方法から未だ尚人々に畏怖される犯罪界の帝王。
その姿を見た者は居らず、また混乱を避ける意図があった魔導騎士の情報規制の為に今や本当に存在したかどうかもあやふやな都市伝説の様な存在となっている。
ただその残虐な殺し方と曖昧な目撃証言のみが語り継がれ、最早実在したかどうかを気に留める者はいない。ただ恐怖だけを拡大させて行く。
嘘と孤独で塗り固められた愛の物語。それこそが切り裂きジャックの物語であり、歪んだ感情の行き着く末。全貌を明かす事は出来ないが、貴方が答えに辿り着いた時隠されたある人物の感情を知るだろう。
切り裂きジャック、それは実際に行われた残酷な未解決事件の犯人と呼ばれる人物。「盾を刃に」でもそれに習い、作中で犯人を特定する事は無い。
当然解決はするが、犯人は謎のままだ。切り裂きジャックのその正体、物語で語られぬある人物の隠された魂の叫び。その謎を解き明かすのは貴方だ。
【紳士】
身長177.9cm 体重78kg
初老の男性であり、平均身長の170を超える背の高さを持っている。また老人でありながら逞しい肉体を持ち、レイジやフェイクまではいかないまでもギャングとなら張り合える筋力を持つ。
生まれ付き承認欲求が強く、常に自分が一番になる事を夢見て来た。しかし最も得意とする魔術が聴心だったせいでサポート役に回され役不足に悩む。
※役不足とは役者の実力が不足しているのではなく役に満足出来ていないと言う意味
外科医の父と魔導師の母を持つ恵まれた家庭の出身だが、二人と同じ事をしても自分自身が認められる訳では無いと感じ商売を始める。
熱心に新たな魔術を修得しようとする一方で魔術その物に対する研究も進めており、学生時代に培った化学の知識を生かし探求を進めている。
近頃はその気質を嗅ぎ付けた魔導騎士とも交流研究をしてより一層魔術とは何かに対する探求に打ち込み始めた。しかしそこまでして魔術を知ろうとするのには訳があり、それは決して人には言えない事だ。もしレイジに知られてしまえば確実に敵対する、その訳が。
先天的な勃起不全。
「制作裏話」
意味深な登場人物だが、登場が決定したのは第三話を書き始めてからとかなり遅い。それと言うのも元々登場させる予定など無かったからだ。本筋に絡む予定も無く、設定など微塵も無かった。
ダーウィンを基にしたキャラクターは登場させたいと考えてはいたが、この様な人物にするとは考えてもいなかったのだ。その為あまり設定も練り込まれておらず詳細が決まったのは薄命同盟からだ。
歴史の浅いキャラクターの為設定は穴だらけだが目を瞑って欲しい。余談だが最初に思い付いたのはレイジ、その次にジアル、フェイク、バレットだ。
レイジに至っては三、四年前から既に設定を考え始めていた。詳しくは後述する。
【レイジ・アンガー】
トレードマーク:スペードのA、トランプ
身長196.3cm 体重105.7kg
二メートル近い身長を持つ巨体の男であり私刑を下す自警家。決して人殺しはしない主義だがその分殺し以外は何でもありで、骨を折る事や拷問を躊躇いも無く実行する。
基本は素手で戦闘を行うが196cmと言う異常な体格、そしてレイジ本人の高い身体能力が合わさり比類無き実力を発揮する。
レイジの戦闘シーンは今執筆した段階では二回あるが、そのどちらも戦闘スタイルがよく分からなかっただろう。ここではその点も記載する。
基本はボクシング、中国拳法だ。しかしレイジは全ての登場人物の中で最も多くの戦闘バリエーションがあり、その他にもクラヴマガやカポエイラも使用する。だがここで説明しても理解出来ない人も居る為ここでは省く。
まず不可視の攻撃だが、これはブルース・リー創始のジークンドーを基にしている。相手よりも速く多くの攻撃を当て六秒以内に終わらせる高速戦闘技術。動画を見て貰った方が早いので出来ればそちらを見て貰いたい。
あまり速過ぎると威力が無くなるのではないかと言う疑問もあるかもしれないが、レイジは鉄の容器を握り潰す握力だ。その力で殴られれば手打ちでも想像を絶する痛さなのは分かって貰えるだろう。
裏設定だが、単純な身体能力ではレイジがトップだ。そしてその残酷さも。残酷と言えばフェイクもそうだが、レイジの場合は生まれ持った素質。
本編で意味ありげにレイジが持っていた金の懐中時計だが、読者は皆分かっているだろう。あれはレイジとフェイクの繋がりを表している。しかしどんな繋がりなのかは明かせない。
どんな関係なのかは読者が妄s……考察した方が楽しいだろう。故郷の幻覚が大きなヒントになっているので覚えておいて損は無い。
未だ謎に包まれ一向に伏線の回収されないレイジだが、大抵の伏線は回収する予定の為に安心して欲しい。とりあえず伏線や暗示を撒いてしまうのが私の悪い癖だ。
因みにレイジは男性に受けがいいと予想しているのだが、どうだろうか? 今の所いい場面が全く無いので何とも言い難いが、フェイクとレイジではレイジの方が男性比率が高くなると考えている。女性はイケメン大好きだからフェイクで安定だろう。
後々分かるがレイジの素顔はスキンヘッドのおっさんだ。イケメンではない。むしろむさ苦しい青髭のあるそこら辺に居そうなおっさんだ。
今後物語に大きくレイジが関わって来るので注目してみるといい。
「制作裏話」
前述の通り、レイジは随分前から制作されているキャラクターだ。その大元はお調子者の大男であり、モチーフはマーベルコミックのデッドプール。現在のレイジの設定はダークソウルからだ。
最初は正義感から人間を守る王道な主人公だったが、そこに段々とダークソウル要素を加えて行った結果今の感情の無いレイジが出来上がった。
今のレイジは感情があった時でも正義感から動いていた訳ではなく、別の事情があって動いている。それは何れ遠くない未来に分かるだろう。アリアと言う修道女が絡んでいるとだけ言っておこう。
初期設定では色々と人間離れしており、ジャンプしただけで数十メートル飛び上がりのは当たり前で大岩を素手で砕くのもお手の物。極め付けには決め技が跳び蹴りだ。どこの仮面ライダーかと言いたい。
色々と試行錯誤し闇の魔術を使わせたり吸収魔法を使わせたり、悪魔が取り憑いているとかその悪魔の魔法は磁力だとか様々な事があった。
結果的にこうして落ち着いているので無駄ではなかったが、もし初期設定のままで「盾を刃に」に登場させていたらバランスブレイカーもいいところだろう。
設定はブレブレなのに外見が唯一変わらなかったキャラクターでもある。初期構想の段階から黒い鉄製のヘルメットに赤い目、黒いロングコートだった。自分でも中二病だと思うが、単純にカッコイイから仕方ない。
余談だが一番設定を変更されたのはフェイクもといソロウだ。
【フェイクもしくはソロウ】
トレードマーク:薔薇と白い鎧
身長182.8cm 体重87.5kg
ズヤカ村のジアル宅に居候する白い鎧の騎士。垂直な壁を登る、高所から細い縄の上に着地するなどの高い身体能力を有する。
一見礼儀正しく穏やかな青年に見えるがその実態は冷酷な殺人者であり、普段ジアル達に見せている笑顔は演技。笑いながらも心の中ではどうやって殺そうか考える油断ならない相手だ。
アズラエルの数少ない生き残りであり、最年長の約五百歳。生き残りの中で一番強く人間を憎んでおりその実力も人間よりも優れているアズラエル一族の中でも最強に位置する。
その演技力の高さと端整な顔立ちから人を油断させる事が得意であり、すぐに打ち解ける社交性も有している。ソロウ本人が心を開いているかどうかは別の話だが。
ソロウの行動理由は大切な物を奪われた復讐、及び仲間を守る為の安全確保と言う独善的な物だ。地球の未来や環境破壊などどうでもいい、ただ大切な物を守れればいい。そんな感情的なキャラクターだ。
ソロウはこの作品を表す顔であり、色濃く「盾を刃に」のテーマを表現している存在となっている。どれだけ小難しい事を並べても結局最後には感情が全て、理由は尤もらしさを持たせる為の道具に過ぎない。
私の作品に綺麗事は無い。愛の力で敵を倒す事も絆の力も正義も全てソロウに叩き潰される。それは何故か? 怒りや憎しみに勝る感情は愛のみ、しかし「盾を刃に」での愛は従来とは違う物だ。その為にソロウには勝てない。
縄張りを奪おうとする動物と子を守ろうとする動物が戦えば、大抵子を守る方が勝つらしい。それが熊と獅子の様な差があっても。
ソロウは仲間を守りたい。怒りも憎しみもある。だからソロウには勝てないと私は断言している。信念がある者に説得など無意味、綺麗事を言った所で聞き耳持たない。
止めるには同じだけの力をぶつけるしかない。人間を守りたい、殺人は許さない。そんな考えのレイジこそがソロウと対等に戦える。話し合いも最後には感情のぶつけ合いだ。
どれだけ理性的に見えてもその根元にはその意見を持つに至った感情がある。人の全ての行動理由には感情がある。だからこそ私の作品のテーマである「感情、精神」を体現するソロウが必要なのだ。
どうでもいいが脳内イメージを二次絵からフォトリアルにしてくれると嬉しい。これは単なる私の要望だが。二次絵だと筋肉が足りない……
「制作裏話」
ソロウの初期設定は魔導大戦で多くの仲間を失った悲劇のラスボス、と言った物だった。そして名前は現在と違い我王。中二病満開であり名前の元ネタは劇場版仮面ライダー電王の悪役ガオウだ。名前そのまま。
仲間を失ったと言うのは同じだが、事ある事に人間は世界のゴミだとか持ち出していた点が違う。現在の方がかなり理性的になっている。
それと初期の一人称も俺であり私ではなかった。変えた理由は私と言っていた方が上品でカッコイイと感じたからだ。
それと初期は黄土色の鎧だったが白い鎧に、光線の魔術から消滅の魔術になり更に瞬間移動と目眩しに変化した。やはりラスボスと言う事もあって強過ぎる能力の絶望感と高貴さを押し出したかった。
大幅に設定を変更した一番の理由は、レイジと対にしたかった、だ。黒のレイジに対して明るいイメージの白、赤い目の反対として神秘的なオッドアイ。
荒々しく男臭いレイジと対照的に上品で理性的なソロウ、とするのが狙いだ。そして大幅な設定改変と共にソロウのコンセプトも一新。誰もが羨むハイスペックを持った人物へと変更。
容姿端麗、文武両道、丁寧な言葉遣いに上品な物腰。他者を上手く扱う統率力の高さと高慢な態度に相応しい実力と。完璧人間から性格をマイナス1したと考えれば大体そうだ。
蛇足だがマルチリンガルと言う設定もある。ソロウは英語、ロシア語、ドイツ語、フランス語、中国語、イタリア語。
レイジは英語、ドイツ語、中国語、日本語。ダヴィッドとサラはバイリンガルで英語と中国語が話せる。違う世界の為に実際は似た地域の言語だが。
この設定はそれぞれの人物が渡って来た国を表している。最年長のソロウは歳の数だけ多くの国を渡っている。
補足や追加して欲しい説明があれば感想欄に書い貰いたい。




