滅茶苦茶ヤバイ!
タイトル改!変!してないよ?したくなったけど、そんな内容になっております、というか無茶苦茶です、はい。
「はぁ〜」
昨日今日と厄日だった。
あの後、俺はグーデンにみっちりと説教と質問責めをされていた。
そんな終わりのない説教を聞いていたらいつの間にか夜になってて帰ることとなった。
なんのために執事服を着たのかが全くわからなかったが…。
帰りに女神様、ではなくアリシアが頑なに袖を離そうとしなかった。子供なのか大人なのか今日のアリシアを見てよくわからなくなった。
外見や普段の言葉遣いは子供なのにたまに大人びたところを見せてくるから対応に困る。
「ただいまー」
俺はラッフ亭の扉を開けて中に入る、と同時に倒れる。
「おいおい、そこで倒れるとお客様の邪魔になるだろうが」
ライガルが俺を担いでソファに下ろす。幸いにもお客さんはいなかったから誰にも迷惑はかけてない。
「リーナは?」
「寝てるぞ」
ライガルは俺をソファに下ろすとまたカウンターに戻り仕事をする。
そっか、もう寝ちゃったかぁ…。
「拗ねてたぞ」
「ぐはっ!」
そしてとどめの一撃。
もう今日は耐えれそうにない…。
俺はそのまま意識を手放すのだった。
眠りに落ちていく中ライガルが「ここでねるなぁ!」って叫んでるけどもう動ける気がしない。
俺はそのまま無視して寝るのだった。
「ん、んぅ〜」
無茶苦茶首が痛い、寝違えたなこれは。
まぁ、ソファで寝ればそうなるよな。
俺は小鳥のさえずりと共にゆっくりと目を開ける。
「ん、おはよう!」
「ふぁ!?」
なんと女神様の笑顔が目の前にあるではありませんか。
リーナじゃなくて本物の女神ことアリシアの笑顔が。なんでやぁ、ここはラッフ亭じゃないのかよぉ。
あまりの非現実的な朝に動揺する。
一応確認で周りの光景を見渡すがここはラッフ亭で間違いない。
ということはだ。
「女神様、いつからそこにいましたか?」
俺は額に手を当てて流れ出る冷や汗と共に寝起きで働かない頭を必死に動かす。
「う〜ん、朝日が登る前にはいた!」
まぁ、なんて元気な返答なんでしょうか。
もうどうしようもないっちゅーねん。俺は本来ボケ役なんですが!?
「そうですか、あのくそじ、じゃなくて大臣は?」
「連れてきてない」
つまりお一人で来られたと。
はぁーなるほど、今日も説教なのか…。
先が思いやられる。
つまり、この女神様は誰にも何も言わずここまで来たのだろう。
どうやってここがわかったかは知らないが。
「誰かと一緒に来たんですか?」
俺は念のため付き添い人がいないか聞くが女神様は頬を膨らませてご立腹モードだった。
え?なんで?
「アーリーシーアー」
なるほど、名前で呼ばなかったからか。
って、俺それで昨日さんざんわけのわからん説教くらわされたんだが…。
まぁ、この女神様にはそんなの関係ないんだろうが。ここは俺が折れよう、勝てる気がしない。
「それで、アリシアは一人でここに来たのか?」
どうやら名前で呼ぶと敬語が抜けてしまう癖があるな。直す気はないけどな。
「ううん、護衛と来た」
よかったぁぁあ!!!どうやら説教は回避できそうだ。
一緒に来たという護衛と話ができればなんとかなるだろう。
そりゃそうだよな!
女神様をこんな朝早くから、しかもお一人で外に出すなんてことはないよな、あはははは!
せめて、止めて欲しかった。
時計を見るとまだ朝日が登ってそんなに経ってない時間だった。
つまり、今日は無茶苦茶早起きした。
まだほとんどの人は寝静まってる時間帯だ。
さてと、時間経ってきて頭が回り始めてきたらやらなきゃいけないこと増えたしちゃちゃっとやらないと後々やばい。
ということで俺はアリシアをしばらくここで待つように聞かせて顔を洗ってくる。
ちなみに今日は休神日なので学院はおやすみだ。
俺は学生服ではなく黒を基調にした私服を着てアリシアの元に戻る。
今日も今日とてお城に来いと言われてるのだ。
破れば間違いなくまたあのクソジジイの長い長い説教を聞くことになるだろう。
それは嫌なので俺は大人しくお城に行くことにするのであった。
「またせたな、アリシア」
「ん!」
俺が敬語じゃないのをさして気にしてないようだ。
まわりを確実に気にするだろうけどな。そんなの知ったことではない!
「おにぃ、ちゃん…」
「はっ!」
今からお城に行こうとアリシアと外にむかおうとしたその時、後ろから寂しそうな声で俺のことを呼ぶ女神が!
「リーナ?」
俺はゆっくりと振り向く。
そこには俺の女神様がいた。
何を着ても確実に似合う女神様は当然のごとく寝間着を着ていて無茶苦茶可愛いけどその顔を涙で濡らしていた。
「お、おにぃ、ちゃん…」
リーナはとめどなく涙を流しいた。
「どこ、いくの…?おいて、いかないで…ひくっ…」
「り、リーナ!?」
ガチ泣きである。
それはもう今まで見たことないぐらいに。
そんな…、着替えてる時はリーナはぐっすり眠ってたと思っていたのにまさか起きてたとは。
しかも跡をついてくるなんて…。
俺がリーナの気配に気づかないなんて…。
俺はそんなにこの女神様、アリシアに振り回されてたのか。
そんな自分の後悔を見つめ直してる間もリーナはポロポロと涙を流してる。
そのまま泣き崩れてしまった。
普段は無表情と何ら変わりないリーナが泣いてる。
俺はその光景に耐えきれず瞬時に動いていた。
俺はすぐにリーナの元に駆け寄り抱き寄せる。
いや、抱きしめる。強く強く。
「んっ、ぐすっ」
「大丈夫だ、お兄ちゃんはリーナの前から消えたりしないよ」
そして、強く抱きしめる反面優しく頭をなでる。
絶対に離したりしないと、どこにもいかないとそう強く教えるために。
何度も何度も優しく頭を撫でてあげる。
そうしてるうちにリーナも落ち着いてきたみたいで泣き止む。
「ほん、と?」
「ほんとだ、お兄ちゃんの持てる全てを投げ打つぐらい本気だ」
「んっ」
俺はそのままずっとリーナを…。
「朝から何やってんだ」
ライガルの声で突如、俺とリーナのハッピーエンドが一瞬にしてぶち壊された。
「そんで、朝から女神様がやってきてお城に行こうとしたらリーナに発見されて収拾がつかなくなったと」
ライガルが一度場の状況を理解するために一から説明してくれる。
ちなみにライガルはリーナの泣き声で起きたという。ライガルもなんちゃリーナ想いである。
「はい」
俺は素直に答える。
リーナは俺の膝の上に座らせてる、横には女神様が座ってるんだが無茶苦茶不服そうにこちらを睨んでいた。特にリーナを。
「女神様はどういったご要件でうちに?」
「こいつは私の専属執事だ!だからライは私と一緒にいるべきなのだ!」
ライガルがものすごく、ものすごーく大袈裟に溜息をつく。
そして、俺を見る、呆れた顔で。
「おまえ、選ばれたのか?女神様に」
「そう、みたいです」
思わず敬語で答える。
なぜなら、いままでになく怖い迫力を醸し出していたから。逆らってはいけないやつである。
「お前それならそうと早くいえや!」
「ひぃぃ!」
今にも斬りかかってきそうなライガルに俺は両手を上げて降参する。
ライガルは話す相手を女神様にかえる。
「女神様、こんなやつのどこがいいんですか?俺には、こいつよりももっとほかにいいやつがいるとはおもうのですが」
なんか、腹立つな。
女神様に対しての口調がどうも板についてるなサマソのじっちゃん。
昔は女神近衛兵隊長だって言ってたけどまさか…。
まさかぁ、そんなことあるはずないない。
まさかサマソのじっちゃんが女神様の専属執事だったなんて天地がひっくり返ってもないだろう。
「むぅ!おまえ!私の執事に文句があるというのか!」
女神様は自分の選んだ執事が貶されてご立腹のご様子。ぷぎゃー!サマソのじっちゃんざまぁー!
「いえ、そういうことではなくて…」
「ライは私の執事だ!私が探してた、やっとみつけた執事なのだ!無礼は許さん!」
探してた?それは魔剣所持者が現れるのをか?
それとも強いやつが現れるのを?
俺はそれが気になりアリシアに聞こうとしたところでラッフ亭の扉が開いて誰か入ってきた。
「女神様、何事ですか」
なんと、入ってきのはあの女神近衛兵隊長のグレイツバルだった。
そりゃそうか、女神近衛兵だもん、女神様のそばにいて当然だわ。
「おまっ!」
グレイツバルをみてライガルがびっくりする。
「ふっ、久しいなライガル」
「てめーこそ、女神近衛兵隊長なんてやってたのかよ」
「誰のせいでこうなったと思う?」
ライガルは思う節があるのだろうグレイツバルから後ずさる。
「相変わらず愛想のねぇやつだな」
「それは昔からだろ?それよりお前があれからいなくなったせいで俺がこれをやることになったのは、もういわずともわかってるだろ?」
「い、いや、悪かったから、な?もうそんな昔のことはよせよ」
「ふん、別に気にしてはないがな。だがあの時、なぜいなくなったのかは理由ぐらいは教えてもらいたいものだな」
「えっと…それはだな…」
「まぁいい、おおかた女神様に何か言われたんだろう」
「うぐっ」
すげー、言葉だけでサマソのじっちゃんをここまで責め立てるヤツ初めて見た。
グレイツバルとサマソのじっちゃんって仲良かったんだな。昔からの友人みたいな?
「今日はそのこととは別件できたからな。別にお前に会うために来たわけじゃないからな」
お、なんかこいつツンデレっぽいぞ?
「はは、相変わらずその性格も変わってねぇんだなグレイ」
「ふん、ほっとけ。それよりライ・シュバルツ」
「お?」
急に呼ばれてびっくりした。
まぁ、アリシア様がいて女神近衛兵隊長がいて誰に用があるかなんてアリシア見てたら当然のことである。
アリシアはさっきかずっとリーナを睨みつけながらこれは私のものだと言わんばかりに俺の腕に抱きついてくるんですが…。
アリシア様?さすがに外見子供みたいだからってそんなにくっつかれると困るんですが?
子供って言ってもちゃんと女って思い知らされるし。
「女神様はお前を常にそばにおらすつもりだ。どういう意味かわかるな?」
「いや、全くもってわからん」
「つまり、お前を城に住まわせるということだ」
「ふぁ!?」
てことはなに?俺はあのクソジジイと同じ屋根の下で暮らさなきゃいけないのか!?
「安心しろ、グーデンは自宅から出勤している」
「あぁ、よかったぁぁ、じゃねぇ!」
しかもさりげなく心読むなよ!こえーわ!
「俺は城にすまないぞ」
俺のその堂々たる宣言に隣に座ってた女神様の方が「え?」って驚いた。
「な、なぜだ!?」
女神様が俺の回答に不満だったのだろう理由を聞いてくる。
「なぜって言われてもな」
こりゃまた不安そうに俺の様子を伺うリーナを見て俺は優しく微笑んで抱きしめる。
そのまま俺はアリシアに理由をいう。
「俺には大事な妹がいるからな」
アリシアはまさしく振られた女性のように地べたに座り込んだ。
「う、うぅ…」
あげく泣きはじめちゃったよ、やばいよ、女神様泣かしちゃったよ。
「ライ・シュバルツ」
「ひぇぇぇ!!」
こえぇ!グレイツバルただでさえダンディーで怖いのにさらに怖い!
「まぁまてって」
そこでライガルが止めに入る。ありがとう!無茶苦茶助かった!
「女神様、こいつとそんなに一緒にいたいですか?」
「うん」
え、なに無茶苦茶可愛いこの子。
「だったら、リーナも一緒に連れてってはくれませんかね?こいつかなりのシスコンなんで妹が一緒じゃないと何が何でも来てはくれませんよ?」
「むぅ」
どうやらリーナが嫌らしい。
泣きやんでくれたけど赤く晴れ上がったその目でリーナをアリシアは睨んでいた。
よほど気に入らないのだろうか。
しばし、リーナとアリシアが睨み合う。ってえ!?り、リーナがアリシアを睨んでる。
初めて見たよ俺、リーナの睨み顔なんて。
「むぅ」
「むっ…」
さすがのグレイツバルもこの睨み合いには口出しできそうにないみたいだ。
女の睨み合いって怖い!
「そいつは私のだ!」
「違う、私の、お兄ちゃん」
はっ!俺は今、久しぶりにリーナからお兄ちゃんってどストレートに聞いたかも。
一回も途切れずに。
このにらみ合いの元凶でもあるライはリーナの言葉に浸っていたのだった。
「そいつは私のだ!絶対にお前なんかに渡さないぞ!」
アリシアは俺達から少し距離をとる。
すると、アリシアの足元に魔法陣が一瞬だけだが見えた。
なんの魔法かまではわからなかったがそれもすぐにどういう系統のものかだけはわかった。
アリシアの体が淡い光に包まれていった。
身体強化の魔法だ、その神魔法バージョン。
アリシアの持つオーラがグレイツバルの比にならない程の気迫を出している。
それが外部に漏れてきている。
そんなアリシアに対してリーナが俺の膝の上から立ち上がった。
「リーナ?」
「お兄ちゃんは、私のお兄ちゃん、だから、奪わせない」
リーナはどこで覚えたのだろうか、自分の手元に光の粒子とはいえ剣を顕現させた。
え?リーナちょっとまとうか、それなんて魔法だ?
というか、詠唱も魔法陣もなにも展開してないよね?どうやって出したの?
ライはリーナのやって見せた魔法に滅茶苦茶驚いてた。
「むっ、私に逆らうか!」
「魔女、でも、女神、でも、私のお兄ちゃんを奪うのだけは許さない!」
「なら力ずくで奪う!」
「させない!」
アリシアがその拳を、リーナが光の剣を振りかざす。しかし、その二つの力が交わることなかった。
「おっと、そこまで」
「いたっ!?」
「あぅ!?」
ライがリーナとアリシアにチョップをお見舞いしたのだ。
そんな不意打ちに二人とも展開していた魔法が打ち消された。
それを見てグレイツバルは顔を驚愕させていた。
リーナのだした光の剣もそうだがライがパッと見ただのチョップが両方の魔法を打ち消したのに驚きを隠せないのだ。ただのチョップで!
まぁ、それぞれ頭を抑えて痛そうにはしているからそこそこの威力はあったんだろうけど。
「二人共ダメだろ?こんなところで争ったら。ライガルに謝りなさい」
「あぅ、ごめんなさい」
「ライガル、ごめん、なさい」
「お、おう、いいってことよ」
二人共、俺に厳しく叱られたのが効いたのだろう。
素直に謝る。
謝られたライガルは無茶苦茶テンパってたがな。
ちなみにガチ目の方でアリシアはショボーンとしてた。
リーナもリーナで俺に叱られて心にくるものがあったのだろう、またちょっと涙目になってる。
え、なにこの可愛い生き物たち。
まぁ俺も、何も解決策がなくてただ単に止めたわけではない。
「アリシア」
「な、なんだ?」
えぇ、また泣きそうになっちゃってるよ。やめて!そういう顔されると弱くなっちゃうから!
「アリシア、どうしても俺じゃないといけないのか?」
「うん」
「うむ、なら俺の妹になるというならなってやってもいいぞ?」
「ほんとか…?」
「ほんとだ」
あぁ、なんてことでしょうこのばか(ライ)。
女神様を妹にする気だよ!というか、堂々と言っちゃってるよ。
この発言にグレイツバルどころかライガルさえも固まった。
当の女神ことアリシア様は期待し始めてるよぉ、なる気満々だよこの女神。
「なら、私はお兄ちゃんの妹になる!」
もうなっちゃってるよぉ!
お兄ちゃん言ってる時点でもうアウトだよぉ!
国がぁ、国の主がばかの妹になっちゃったよぉ!
「よしきた!」
「よしきたじゃねぇ!」
たまらずライガルが声を上げる。
その反動でグレイツバルも戻ってくる。
「お、お前それは正気の沙汰か」
ライはその返答として堂々という。
しかも誇らしく、男らしく。
「もちろんだ!俺の妹だというならモンスターだろうが何だろうが守りきる!」
その返答にグレイツバルは唖然である。
急展開すぎて思考が追いつかなくなったのである。
「お、おにぃ、ちゃん」
リーナが不安そうにこちらを見上げて服の袖をつかむ。
「大丈夫だよリーナ。ティルみたいにもう一人増えただけなんだから」
「ん…、なら、だい、じょぶ」
もう滅茶苦茶である。とてつもなく滅茶苦茶である。しかもリーナはリーナで説得されちゃってるし。
ライはリーナとアリシアを向かい合わせる。
「妹同士なら仲良く出来るよな?」
「んっ、でき、る」
「できるぞ!」
そして、お互いに握手を交わした。
それを傍からずっと傍観することしかグレイツバルとライガルにはできなかった。
これがライの現状の解決策である。
なかなかにぶっ飛んでる。
だが、現状平和になってしまったのもまた事実である。別の意味では平和ではないが…。
「なら、リーナも連れてってやってくれないか?」
「うむ、わかった」
アリシアは俺がちゃんと執事になってくれたことがよほど嬉しかったのだろう、俺の言うことを聞いてくれる。
グレイツバルはというと、先のことを見据えてか頭を抱えていた。
ライガルも頭を抱えていた。
そこに救世主が現れた。
バンと勢いよくラッフ亭の扉が開いた。
そこには鬼を超えた存在がたっていた。
というか、こいつはもうモンスターなんじゃないだろうか。
そう、その名もグーデン。
「やってくれたのぅ、ライ・シュバルツ」
ヤバイ!ということでいつも読んで下さりありがとうございます!(新しいの書こうかなと馬鹿みたいにいろいろやってたらいつの間にか投稿日で間に合うかな?とか本気で思っててなんとか間に合った人)←ヤバイの意味。というか内容無茶苦茶です。はい。というかいまいち我のキャラが安定しないのだよ。そんなことはどうでもいいんだろけどな!我にとっては大事なことなのよさ!ということで、今回書き進めてたら我でもタイトルを変えたくなるないようになってしまったというわけだよ。こう、なんか我もそろそろ特徴が欲しくなってきたぞ。魔王ってだけではなくてな。まぁ、のちのち考えていくことにするぞ。というわけで、また来週の水曜日に会おうぞ人間共!