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滅茶苦茶なシスコン剣士の妹件  作者: 魔王
過去よりも未来よりも今を生きる血族たちへ
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マイシスターの滅茶苦茶なお願い ネア編 後編

「というわけでこの場合は撤退が好ましい。いくら相手がスライム並に弱そうな魔物に見えてもそれが未知なら話は別だ。スライムだってまだまだ未知が多い魔物でもあるし他の魔物もまた同じことが言える。もしダンジョン内にて見たことも聞いたことない魔物が出た場合は撤退及び情報収集が最優先事項だ、わかったな?」

ポル先は黒板に下手くそな絵を描くとこれはまた下手くそな字で説明している。

そんなポル先の授業を欠伸しながらライは聞いていた。

そんなライのお膝元にはいつもならアリシアが座っているのだが今日はネアが座っていた。

ネアは欠伸が出るようなこの授業を真剣に聞いていた。

俺はそんなネアをえらいえらいと、撫でてやる。

こちらからは顔が一切見えないが照れてるのは容易に想像がついてしまう。

と、顔をニヤケさせているとものすごいスピードで飛んできたチョークがおでこにクリーンヒットした。

「ぐはっ!?」

「はいここ、テストに出すからな」

チョークを投げた張本人であるポル先は何事も無かったように授業を続けていた。

的確な一撃を食らったライはぐわんぐわんする頭を抑えて何とか立て直す。

その際にネアが心配そうにチラリとこちらを見たがすぐに頬を朱に染めて授業の方に意識を戻した。


ネアは基本甘え下手だ。

それはここ数ヶ月、一緒に暮らしてきてわかったことだ。

その癖こういうことには基本耐性がないのかすぐに照れて顔を隠す。

だから、ライのお膝の上に座るという行為でさえネアにとっては恥ずかしいみたいだ。



授業が終わりお昼の時間。

お昼は二人きりで食べたいのかネアはライの手を引いて教室を後にした。

ネアがライを連れてきたのは町外れの平原、薬屋『シェルラン』だった。

意外な所に連れていかれたライは暫し呆然としていた。

ネアが店の扉を手にかけようとすると内側から扉が勝手に開いた。

「ふふ、そろそろだと思ってたわ〜」

その中からはこの店の店主であり国の最高級薬師でもある超がつくほどのエリート。

長い髪を三つ編みにしてゆったりとして体のある一部をぽいんと弾ませている。

そうシェルさんだ。

「もう準備できてるわよ」

その後ろからこれはまたえらいべっぴんさんが顔を出した。

シェルさんとは対称的なキリッとした表情にスレンダーなモデル体型。

このお店の番人と言えるほど戦闘においてはプロ。

双子のランさんだ。

そんなランさんはエプロン装着していた。

「ほら、ネアちゃんこっち」

そういってランさんはネアを手招きしてそのまま店の奥に入っていった。

もちろん手招きされたネアもそれについて行くように奥に入っていった。

当然俺もついて行こうとしたらシェルさんに腕を掴まれ止められてしまった。

「ライくんはこっち〜」

シェルさんは俺の腕を掴んだままネア達とは反対方向の平原に連れていかれる。



シェルさんはネアから遠ざけるように俺を連行する。

このだだっ広い平原に二人して並んで座らされていた。

座った途端、この辺をテリトリーとしているメデウサギ達が撫でて!と言わんばかりに膝の上に乗ってきたりして続々と周りに集まってくる。

そんなメデウサギをシェルさんと一緒に撫でながらゆったりする。

「癒されますなー」

「癒されちゃうね〜」

シェルさんと一緒になって一息つく。

「そんなことよりいつの間にネアと仲良くなったんですか?」

「ん〜、二ヶ月ぐらい前かな?」

「割と前ですね」

「うん〜、ネアちゃんはとってもいい子よ〜」

「それは兄である俺が自負しますよ。あと可愛い」

「ふふふ〜そうね〜。ライくんは覚えてる?ここに魔女騎士が現れたこと〜」

あぁ、確かそんなこともあったな。

ここがちょうどその場所だった気がする。

試しにキョロキョロと辺りを見回すと…。

うん、バッチリあってたみたいだ、少し遠くに地面がひび割れてる場所があった。

あそこは最後にあの大剣の魔女騎士である憤怒ワルスと正面からぶつかった時にできたものだ。

今では草花の自然に覆われていてほとんど分からなくなっているが。

「そのことをね〜、ごめんなさいって言いにきてくれたんだよ〜」

まさか俺の知らないところでネアが謝りに来ていたとは…。

「それからライくんが学院でいない時は、私たちのところに顔出しに来てくれるのよ〜」

「そうだったんですか」

正直、俺が学院に行ってる間にネアが何をしているのか気になったことはある。

だからってネアのプライベートを除くようなことは決してしない。

ネアだってああ見えてお年頃だろうし。

お兄ちゃんそういうプライバシーなことはちゃんと守ってるんだよね。

でもまぁ、リーナとアリシアは俺と一緒に学院にいるしティルはほとんど寝てるしネアだけが謎だったんだよな。

それがシェルさんたちと交流してたんだな。

「それでなんで俺はここに連れてこられたんですかね?」

「それは〜もう少ししてからのお楽しみよ〜」

シェルさんは相変わらず笑みを崩さず「ふふふ〜」と笑っているがライは既にそれぐらい察している。

昼飯時にネアが俺をここに連れてきたこと、そしてランさんといえば料理が得意だ。

つまりはそういう事だ。

あぁ〜お昼が楽しみだな〜。



あれから少ししてランさんが呼びに来たのでお店に戻って来ました。

そしたら俺の予想通り、一つの机に食器類が並べられていた。

俺はそこに座るようにとネアに促され、ワクワク気分で座った。

そしてネアはいよいよ待ちに待った手作り料理を持ってきたのだ。

「おぉ、これは…」

目の前に出されたのは毒々しい色をした紫色のスープ。

温度が熱いのかよく分からないが気泡ができてコポコポと音を立てている。

「ん、最高傑作、ね」

「そうか、最高傑作か」

ネアは自信満々に胸を張った。

その体には少し不釣り合いな程の大きな胸がはち切れんばかりに主張している。

「私も一緒に作ってたのだけれど目を離した時にはもう…」

ネアの後ろからランさんが申し訳なさそうにそう言ってくる。

言葉から察するにランさんはネアの料理のサポートをしてたみたいだ。

「ランさん謝らないでください、ネアのこと手伝ってくれたんですよね?」

「え、えぇ…」

「なら大丈夫ですよ、それにネアもこう言ってるんですし」

俺はそう言って机に置いてあったスプーンを手に取る。

「俺のためにネアが作ってくれたんだから絶対に美味しいに決まってますよ」

俺は勢いよくスプーンでスープを掬いそのまま口の中に入れる。

「ん!これは!」

美味しい!と言おうとしたところでライはそのまま椅子ごと後ろに倒れるのだった。



「ん、ここは…」

目が覚めると目の前にはには大きな山が二つあった。

試しに手を伸ばして触ってみるとふにょんと手が沈んだ。

「おぉ、これは…」

その感触が気持ちよくて無性でもみもみする。

何だろう、俺はこの感触を知ってるような気がする。

なんだっけ?

「んっ、ぅゅっ」

と、起きたばかりで回らない頭を回転させながら揉みしだいていると不意に熱っぽい声が聞こえた。

「へ?」

なんだか聞いたことある声に疑問を持ち掴んでいた手を離す。

そのまま寝ていた身体をゆっくりと起こして振り返る。

そこには少し瞳を潤ませてちょっと艶っぽく頬を朱色に染めているネアの姿があった。

俺はしばらくネアとさっきまで大きく柔らかいお山を揉んでいた手を交互に見る。

「んっ、いい、よ?」

ネアに潤んだ瞳でそう言われて途端にライのなかで何かが覚醒し宇宙空間に迷い込んだ。

という冗談はよそうか。

「突然悪かったな」

「うきゅ」

素直にそう謝るととネアは朱を通り越して耳から首筋まで真っ赤にする。

そんなネアを俺は抱えて胡座あぐらの真ん中に座らせる。

そのまま魔女ハットを優しく外して直接頭を撫でる。

ネアはまともに顔も見れないのかライの胸板に顔を埋めている。

「ごめんごめん」

ライがそう謝りながら頭を撫でてやる。

少ししてネアも落ち着いたのか胸板から顔を離してライを見つめる。

まだ恥ずかしいのか相変わらず頬は朱色に染まっていた。

「いい、の。私の全てはもうライのものだから…。心も、身体も、私の持てる全てが、ね」

ネアは最後にちょこんと傾げるように首を振ると着けていたチョーカーがチリンと音を鳴らす。

「そうだな、ネアの全てはもう俺のものだ。だから勝手なことは絶対にさせないからな」

そう言ってネアを力一杯に抱き締めてやる。

ネアは抵抗することなく抱きしめられる。

代わりにネアもぎゅーっ!とライに抱きつく。

「これからは外出控える、ね」

「いや、それは控えなくていい。むしろどんどんシェルさん達と仲良くなって欲しいな。お兄ちゃんとしてはシェルさんとランさんだけじゃなくてこの国の人達とも仲良くして欲しい」

「わかった、なら頑張る、ね」

「えらいえらい」

「んっ…」

撫でられるのが気持ちいいのかネアは目を細める。

まるで猫みたいだな。

「あとスープ、美味しかったぞ」

「それは要練習、ね。次はもっと頑張って作る、ね?」

「それは楽しみだ」

滅茶苦茶お久しぶりだな皆の者ー!

ということで、いつぶりですかね…。半年ぶりぐらいですか?1月の更新を最後に1度も更新できず申し訳ありませんでしたぁぁ!!

正月に週一更新やるぞーって言っておいて続いたのは最初の月のみでした。すみませんでしたぁぁ!!

はぁ、これが仕事の弊害か…。

というわけでお気づきの方もいるかもしれませんがこの「めちゃシス」の登場キャラである親友のグラウ、そして保護者であるライガルの個人ストーリーもだしていきます。

もうやらないと多分いつまでたってもやらないと思ったので強引にでもやり始めた次第です。

不定期ではありますがなるべく順番ずつで進めていきたく思います。

なので読者の皆様にはとてもとても暖かい目で見てくれると嬉しいぞ!

なるべく月一でそれぞれのストーリーを綴れるように頑張るが仕事次第では今回みたいに長く更新できなくなる時もあるかもしれないのでその時は広い心で見てくれると嬉しく思います、はい。

というわけで長々と書いてしまったので我はここら辺でサラダバー!!人間ども!


ネア「はずかしい、ね」

アリシア「私でもあんな甘々なことした事ないのにぃ」

リーナ「こんど、たのむ」

アリシア「今度は私も愛情たっぷりのご飯作らないとな」

リーナ「ん、わたし、も、やる」

アリシア「じゃあ私と一緒に作ろう」

リーナ「もち、もち」

アリシア「もちろんネアもだぞ!」

ネア「いいの?」

アリシア「ネアがどう料理するのか興味があるからな」

リーナ「たし、かに」

ネア「別にいつも通りに作ってる、ね」

リーナ・アリシア「ほほう〜」

ネア「な、なに」

ティル「次はいよいよ私ね」

リーナ「ん、たのしんで、きて」

ティル「えぇ、楽しませてもらうわ」


ネア「次回」

アリシア「マイシスターの滅茶苦茶なお願い ティル編」

ティル「楽しみにしてなさい」

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