過去のプロローグ
「これで全てが終わると思う?」
自前の愛剣である真っ白な剣を抜き放ち、眼前にいる長年の宿敵に向けて彼女はそう問うた。
そんな彼女を前に彼は不敵に笑いその質問に答えた。
「無理であろうな」
否定の言葉。それは二人にとっては当たり前の質疑応答であり一度たりとも肯定が帰ってくることの無いものだった。
彼女もそれをよく理解している、嫌という程に…。
でもだからこそ彼女は諦めないのだろう。
「いつになったら終わると思う?」
そんな諦めない彼女に彼は常に否定の言葉を吐いてきた。
それが彼にできる彼女への最大限の救済だからだ。
「いつになっても終わらぬ」
だから今回も同じ。
彼女がぶつける全てを彼は彼自身の全てを使い全力で否定するのだから。
彼は座っていた玉座から立ち上がり立てかけていた真っ黒な剣を抜き放つ。
「はぁ〜、あなたってほんとにいつも最低ね」
「なんとでも言うがいい、それが我の存在意義だ」
「やだやだ、そんなのだからいつまで経っても素直にはいと言えないんじゃないの?」
「馬鹿を言うな、それはこっちのセリフだ」
お互いが相手を正面に捉えて剣を構える。
「一応、モテなさそうだから聞いておくけどもう跡継ぎはしてあるの?」
「ククッ、お前の目は濁りまくっているからそう見えるのだろうな。我は案外モテるのだぞ?そういうお前こそどうなのだ?脳筋女」
「うわサイテー!それが一端のレディーに向かって言うセリフとは思えない!べー!だ。私は町や村じゃモテまくってるんだから!あんたの心配になんて及ばないわよ!」
「ふん、このド淫乱女め」
「なっ!そんなんじゃないわよこの浮気魔!」
「我は浮気などしておらん、愛人が多いというだけだ」
「それを人様は浮気って言うんですぅー!ケダモノ!」
しばらく二人は罵声を浴びせあった後、彼女は急にしゅんとしたように肩を落とした。
「本当に、本当にあんたと戦わないといけないの?」
「我に縋っても無駄だ。お前と我は常に対極に位置する存在なのだ。答えはもとより決まっておる」
「そう…、でも私は変える。例えあんたがそう未来を決定づけたとしても」
「落ち込んだかと思えば急に開き直りおって、いつ見てもせわしない女だな」
「切り替えは大事よ、でも信念は曲げない。何があっても私はあなたを倒す。だって私はあなたを唯一倒せる存在なのだから」
彼女はそう言うと落としていた剣を再度構え直す。
その切っ先は真っ直ぐに彼にむかっていた。
またその表情も覚悟で満ち満ちていた。
そんな彼女の様子を見て彼も覚悟を決める。
「伊達に何度もお前と戦ってるわけではないぞ、そう簡単にやられなどせぬわ」
そうして彼も剣を構え直し同じように彼女にその切っ先を向ける。
「だって私は…」
「なぜなら我は…」
「勇者だからだ!」
「魔王だからだ!」
元気にしてるか人間ども!
ということで新章突入だぞ!これでいよいよ5章目に突入だな。今回の章はゆるっとした感じにしようと思っていたのだが…。プロローグからどうなるかわからぬ!
プロット立てながらやれれば一番なのだがほとんどいきあたりばったりで書いてしまうからな、我。
ということで!そんな感じで(いつも通りに)新章に突入したがこれからも変わらず見てくださってる方、新しく読んでんくださってる皆様方、どうぞ滅茶シスをこれからもよろしくお願いします。
ということで今日はここら辺でサラダバー!
ライ「いよいよ新章突入だな」
リーナ「ん、ごーごー」
アリシア「というか今回は誰がメインなのだ?」
ティル「ふふ、誰でしょうね」
ネア「怪しい、ね」
ソレーユ「ずるい」
ティル「まだ何も言ってないじゃない」
ルナ「私知ってるよ、それフラグってやつだよ」
ティル「知らない言葉ね」
アリシア「次回」
ティル「滅茶苦茶なティータイム」
ソレーユ「気になるならみてね」




