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滅茶苦茶なシスコン剣士の妹件  作者: 魔王
やっと学院がそれらしい行事をするそうです
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滅茶苦茶なダンジョン攻略作戦!5F

「ただいま」

「ただ、いま」

俺とリーナは程なくしてみんなの元へ戻る。レベンの言う目的がどんなものかは気になる。しかし今考えても仕方がないので頭の片隅に入れておく。わからない以上何もしようがないからな。

「おかえり」

「おかえりなさい!」

「おかえりなさいです」

エレナに続いてサラちゃんとレナちゃんも返事を返してくれる。

うーん、実に何か言い難いものを感じる。

「で、どうだったの?後ろの人とはお話は出来たのかしら?」

「おう、何でもなかった」

「そう、それじゃあ先に進みましょう」

その言葉にサラちゃんが元気よく立ち上がる。レナちゃんもあせあせとだが立ち上がる。

うん、充分に休憩が出来たみたいだし次に進んでも大丈夫だろう。

「よし、じゃあ先に進もうか」

「んっ」

俺は最後にリーナに確認をとり、了承が出たのでこのダンジョンの攻略を再開するのだった。




無事に四階層も難なく攻略でき、五階層のセーフゾーンにて再度休憩をとっている。ここまで来るあいだ、特に何事もなかった。レベンの気配を探ろうにもあの妙な奇術を見破ることが出来ない。そのため、今あいつがどこにいるのかわからない。不安要素はあるもののまだ何もしてこない分には安心していいんだろう。

「いよいよ、だね」

「はい、ですぅ」

サラちゃんとレナちゃんはこの階層がボスがいる階層であり今回の試験科目だとわかっている。そのためより一層緊張しているのか顔がこわばっている。その際に体が小刻みに震えているがそれをエレナがリラックスさせるように他愛ない会話をする。そのおかげか少しばかし二人の緊張は弱まったようだ。



確かにここまでくるのに俺は難なく、何事もなくと言ったが一つだけ誤解がある。つまり、異変は既に起きていることに気づいていた。この事にレベンが関係しているのかは怪しいところだが…。


俺は不意にリーナを見る。エレナたちの輪に混じってサラちゃん達と楽しく会話を弾ませている。そんな姿を俺は気持ちが悪いと言われるような、そんなはにかんだような顔で見てたんだろうな。俺の視線に気づいたエレナが『うげっ』みたいな顔してたから。

でもまぁ、仕方ないんだよ。それぐらい俺はリーナのことを大切に思ってるから。もちろん、リーナ自身が頑張って繋げた輪も大事だと思っている。それはサラちゃんやレナちゃん、他にも商店街のおばちゃんや俺たちに良くしてくれるザルバさん。それにシェルさんやランさん。俺は兄として妹が作る未来を守っていきたい。いや、守る。それにはもちろん、ティルにアリシア、ネアもいる。それに最近になって爆弾投下してきたソレーユとルナも同じだ。なんだかいろいろと増えてしまったな。

俺はそんな急激に増えた妹たちの顔を思い浮かべながら苦笑するのだった。



「ここがボス部屋、ぽいです」

レナちゃんがおずおずといった感じでそう切り出す。現在、俺たちは謎の形をした大きい扉の前にたっている。いかにもというほどのオーラを奥から漂わせている。紛うことなきボス部屋への入口だろう。

「じゃあ、先に私が入っていいかしら?」

エレナがなんの迷いもなく先陣を切る。

「一緒に行かないのか?」

「一応私は一人で攻略する組だったの忘れた?」

「そういえばそうだったな」

すっかり忘れてた。

「それじゃあ、また後で会いましょう」

それだけ言い残してエレナはボス部屋の扉を開けて奥へと立ち去っていくのだった。中は薄暗く奥の方まで見えなかった気配は感じ取れた。それもそこら辺にいる魔物とは格が違う強大な気配を。

といっても、エレナの実力なら一人でも余裕を持って倒せるぐらいのボス魔物だろう。しばらくして扉が閉ざされる。

「だ、大丈夫でしょうか?」

「大丈夫に決まってるじゃない!あんなに強いんだから平気よ!」

不安なのかレナちゃんがエレナを心配するがサラちゃんが強気で言い返す。なので俺も補足を入れておいてあげる。

「大丈夫だよ二人とも、エレナならあの程度よゆうでかてるだろうから」

「本当ですか?」

「本当!?」

「本当だよ」

現に、中に漂っていた気配はたった今消えた。それを示すかのように扉がすこだけガチャンと音をたてて開く。つまり、何事もなくエレナはこの試練を突破したということだ。

「それじゃあ俺達も行こうか」

「…」

「はい」

「はいです」

俺は三人を連れてボス部屋へと入っていく。



中は薄暗く先があまり見えない。周りを照らす灯火が次第に俺たちの続く道を照らす。そうして進んでいくと唐突に灯火が左右に分かれ大きい円を書くように照らしていく。部屋はおおよそグラウンドの半分といったところか、それでも充分に戦えるスペースはある。

俺は戦闘スペースを確認するように周りを観察すると上から急激な気配を察知。

三人を後に下がらせてティルを抜き放つ。

「みんなはあぶないから後に下がっててね」

「はい!」

「はいです!」

二人とも元気よく答えてくれた後、素直に俺の後ろに下がる。

うんうん、素直な子は嫌いじゃないよ。

「リーナもな」

「ん」

リーナは真隣にいたまま移動する気がなさそうだったので俺は優しくそう促す。リーナも素直で滅茶苦茶いい子なのだライの言われた通りにサラちゃんたちの場所まで下がる。

それと同時に相手も動き出した。目の前でなにか大きく青い物体が視界を遮りドチャッ!と音を立てて潰れる。しかし、潰れたその物体は徐々により集まり魔物の姿へと形成していく。

「なるほど、最初のフロアボスはラビットソルジャーか」

次第に象っていた魔物の姿は犬より少し大きいウサギに跨がる鎧を着込み片手に短剣を持ったゴブリン。フロアボスと言うからには大きい感じを想像していたが案外そうではないらしい。

ラビットソルジャーがこちらを睨みながら横にとずれていく。生まれたてだからといって決して弱い訳ではなく、またフロアボスは通常のダンジョンの魔物よりも強いと教わった。もしそうなら、あれも何かしらほかの魔物よりも特化しているものがあるはずだ。

そう相手の様子見をしていると、痺れを切らしたラビットソルジャーが迷いもなくこちらに突っ込んできた。そのスピードは他のここに来るまでの魔物達よりも速く、鋭い。俺はゴブリンから繰り出される短剣による斬撃を弾く。

あまり知能はないのワンパターンな攻撃ばかり。特化してるいるのと言ってもその機動力だけ。

(まー、こんなものか)

予想より若干下回ったがあまり長居するのもサラちゃん達に悪いだろう。それよりも、早くこの子達を地上に返す必要もある。

俺は懲りずに突撃してきたラビットソルジャーを一閃。たったそれだけでラビットソルジャーは溶けるように消えて少しだけ大きい結晶を残した。


あっという間にフロアボスがライの手により片付けられサラちゃんとレナちゃんは呆気に取られていた。仮にもフロアボスなのだからもっと強い何かがあると思い用心していたのだが何事もなく終わってしまった。

「お、おにーさんつよすぎです…」

「す、すごい…」

「ん」

そんな二人のコメントリーナは自慢げに胸をはるのだった。


さてと、これで課題もクリアしたしとっとと地上に帰ろう。洞窟の中では時間感覚が狂うため正確に今が何時なのかは分からないがもう夕方をすぎた頃ぐらいだろうか。とっととボス部屋を抜けた先にある転移門とやらでみんなで地上に帰れば俺達も無事に課題クリアだ。

俺はラビットソルジャーが残した結晶を拾ってポケットにしまう。

「よし、課題もこれでクリアしたし帰ろうか」

「はい!」

「やっと帰れるですぅ」

「ん!」



転移門の前に来てその扉に触れる。すると、扉は自動的に開いてその中身を見せる。扉が開くとそこは奥が見えず青緑色の波紋が中央から扉いっぱいに広がっている。この扉をくぐるとどういう原理かは知らないが洞窟の入口に帰されるのだ。

「よし、じゃあいこうか」

「は、はい」

「…ここを通るのです?」

初めてのことで二人とも少し萎縮してしまっている。まぁ、誰しも初めてとは怖いことなのだ。俺は二人の勇気が出るまで待とうと思っていたがそうもいかなくなった。

「あら、先に来てたのね」

後から聞こえた声に振り返るとそこにはエレナが立っていた。

そんなエレナの姿に二人とも転移門のことを忘れて喜びを見せる。

「あ!お姉さん!」

「ご無事でよかったです!」

俺はエレナの元へ行こうとするサラちゃんとレナちゃんの手を掴み走りかけていた二人を反転させるように転移門の中へ優しく放り出す。二人とも何が起こったのか分からず転移門の中に姿を消す。

そのまま俺は振り返りエレナに向き直ると既に彼女は目の前まで肉薄していた。自前の剣を抜き放って…。

「くっ!」

俺は咄嗟にリーナを庇うようにして抱きつく。エレナの剣の軌道が確実にリーナを狙ってのものだったからだ。俺はそのままリーナを抱き抱えてその場からバックステップの要領で緊急回避する。

エレナの振るった容赦のない剣は空を斬る。そこでライは回避位置をミスったことに気づく。咄嗟にエレナを背にリーナを抱え込む。

真空の刃がライに当たろうとした直前、それはある者によってかき消された。

「やはりぃ、仕掛けてきましたぁねぇ〜」

ライを守るようにして目の前に現れたのはレベンだった。エレナの風魔法との複合技、カマイタチを何の気もなく打ち消した。対してエレナはなんの表情もなく次の構えに移る。そんな彼女はまるで誰かに操られてるようにも見えた。

そのことにはエレナと最初にあった時から気づいていた。それはリーナも同じだ。ただ、アクションをおこさないのを見て放置していたがそれが仇となった。

「邪魔をするのか、レベン」

どこからともなくこの空間に響き渡る声。恐らくエレナを操っているやつに間違いがないだろう。しかし、声はこの空間に反射してやまびこのように響いてるため位置が特定出来ない。

そんなライをかばうようにして立つレベンは一振りのナイフを虚空に向けて投げる。それは綺麗な孤を描きエレナの後ろの壁に突き刺さる。

その部分がモヤがかかったように空間がねじれそいつは姿を現した。


「それは我らが主を裏切る行為だ、それを弁えてのことか」

レベンが不気味な笑顔のお面をかぶっているが、現れたのは逆に泣いている顔を模した仮面を付けた長身の男。レベンより背は高いだろう。紳士服を着込んだ奇術師であることは間違いないだろう。あいつもレベンと同じ気配がする。しかしどこか違和感を感じる。

「それはどうですかぁねぇ〜」

「つまり、お前は歯向かうと。そう受け取ってもいいのだな?」

相対する二人はそれぞれさっきを滲ませていく、それはごく微量で気づきにくいかもしれないがレベンはとっくに変な喋り方を変えていっている。その事にもライは気づき戦闘態勢で二人の話に耳を澄ます。

「そうですねぇ、我が主が間違いを犯そうとしているのならそれを正すのも我らが役目ではございませんかね?ラパン」

ラパンと呼ばれた奇術師は少し間を置いて答える。

「主が間違っていると」

「そういうことです、そしてその間違いを正すのも我らの役目」

「私は主の下僕でありあのお方のいうことはすべて私の道。ならば私はそれに従うのみ」

「間違いだとしても引く気はないと?」

「間違いなど誰にでもあることだ、それでも俺は主についていく」

「結論は変わりませんよ、ただ私はこの選択はベストでないと思っただけですので」

「平行線だ」

「平行線ですねぇ〜」

「ならば力ずくでもその女は殺させてもらう」

そう宣言すると共にラパンはどこからか二対の剣を取り出す。

レベンもそんな味方であろう相手に「やれやれですね」とリアクションをとって懐からあの妙に変な形をした短剣を取り出した。



「ではやりましょうか、どちらが正しいか」

「主の名にかけて」

いつの間にか2週間過ぎていたぞ…

ということでもう遅刻魔とかした我である。

その分頑張って3月にだすから!それで許してたもう!

ということで!今日はここら辺で、さらばだ!人間ども!



ライ「意外の展開だな」

リーナ「だ、れ?」

レベン「貴方の専属執事ですよぉ〜」

リーナ「あ…」

レベンが後書きから強制的に追放されました。

リーナ「チャット、みたい、に、なってる」

ライ「やっぱ次の話でぶっころころしよう」

リーナ「まもって、くれてる、から、め」

ライ「ぐぬぬ」

レベン「ひどいですよォ〜、私たち出番ここぐらしかないんですからぁ〜」

ライ「嘘つけ」

リーナ「つぎに、きたい」



アリシア「メインヒロイン、だよね?」

ネア「キャラ別、というやつね」

アリシア「しかも新キャラ増えるし!」

ネア「そろそろお仕置きね?」

アリシア「そうだぞ!お兄ちゃんはこんな可愛い妹をほったらかしにしてるのが悪いんだからな!」

ネア「執行ね」


アリシア「次回!」

ネア「女神と魔女のおしおk…」

ライ「まてーい!」

リーナ「勝手、に、かえちゃ、め」

ティル「次回」

ライ「仮面の宴」

レベン「見てくださいねぇ〜」

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