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滅茶苦茶なシスコン剣士の妹件  作者: 魔王
やっと学院がそれらしい行事をするそうです
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滅茶苦茶なダンジョン攻略作戦!2Fリターン

「ということでやって参りました二階層」

「ん、ついた」

「初めてあんな階段を見たです」

「ぐるぐるだったね」

と、まぁ無事5人で一階層切り抜け次の下層である二階層に到着したのだった。後ろにはちゃんとポル先も付いてきてくれてる。それよりもここに来るまでにクラスのみんなに会うことがなかったので俺たち以外は全員二階層に進んでいるのだろう。実質、俺達は一番最後に入ったわけだしあたりまえである。ちょいちょいポル先が魔石を通じて女神近衛兵と連絡を取ってるのも聞こえてくるし大丈夫だろう。

「さてと、早速分かれ道があるわけだけどみんなはどっちに進みたい?」

「え、えーと…」

「ど、どうする?」

「まか、すー」

「リーナも考えてよー!」

「そ、そうだよ、一緒に考えようよ!」

と、三人で輪になってどっちに進むか相談するのだった。生憎、ここは階段出口の空間とあってセーフゾーンらしいからな。魔物が襲ってくることはないからゆっくり考えても平気だろ。

そんな三人の姿を見て和みながら俺はこの二つの分かれ道の先の気配を探る。右の方は淡い青い色に光る宝石が所々に生えていて周りの明るさには困らないだろう。逆に左側の道は少し薄暗く不気味だ。まぁ、それは案の定左側の通路の方が魔物がうじゃうじゃしている。右側はいるにはいるが左ほどではない。さて、この子達はどっちを選ぶかな?と、視線を先の洞窟からリーナたちに戻すとリーナと目が合った。リーナは何を感じ取ったのかサラちゃんとレナちゃんに自分の意見を口にするのだった。

「みぎが、いい」

そんなリーナの意見にサラちゃんとレナちゃんはニコッと笑って答える。

「うん!じゃあ右に進もう!」

「お兄さん、右にしましょう!」

リーナ提案に反対することなくすんなりとそれを受け入れるのだった。なんていい子達なんだろう、この子達がリーナの友達で兄として心底よかったと思うのだった。

「よし、じゃあ右に進もうか」

「ん」

「「はい!!」」

というか、リーナに勘づかれたなこれは。どっちが危ないか。我ながらできる妹で兄ちゃんは嬉しいよ。後ろではポル先が右に進むと決まり安堵のため息を漏らしている。これはポル先も左側は厄介だと感づいていたんだろう。まぁ、一先ず二階層の第一難問は突破だな。俺は先頭に立ち右側の通路をリーナやサラちゃんとレナちゃんの歩くペースに合わせてすすんでいくのだった。



「「おお!」」

サラちゃんとレナちゃんが二人揃って感嘆の声をあげる。あの右側の通路を抜けた先の空間には綺麗な宝石があちこちに生えている空間があった。宝石の光に照らされたこの空間は神秘的で美しかった。そんな光景にライもリーナも呆気に取られる。

「こんな綺麗な場所があるんだな、ダンジョンって」

「ん、びっくり」

そんな光景を眺めていると後ろからポル先が話しかけてきた。

「ここら辺で昼食でもとったらどうだ?」

ポル先はこの景色を見たことがあるのかさして驚くことなくそう提案してくる。

「お、それはいいな」

こんな綺麗な場所は滅多にないだろう。それにポル先の言う通りどうやらセーフゾーンみたいだし歩き疲れてるであろう三人休ませるのにもうってつけ。そうと決まれば早速俺は持ってきていたシートを広げてリーナ背負っていたリュックサックからみんなの分の弁当箱を取り出す。そんなライ達の光景にポル先がボソリと呟いた。

「ピクニックきたのか、お前達は」

仕方が無いのだ。なにせライは五階層程度の魔物なら軽く蹴散らせるほどの力がある。まぁ、今はレナちゃんやサラちゃんにリーナの三人を基本一人で守り抜かないといけないため油断はできないが。万が一この子達に傷がつけられようものなら一大事だからな。溜息をつきながらだがポル先は周りを警戒してくれている。ちょっとしたボディーガードみたいだ。しかしそれが逆にありがたい。サラちゃんとレナちゃんとトラップに引っかかって別れた後はポル先が守ってくれていた。それ故にポル先の実力を知ったこの子達はポル先がそばにいるということに安堵してくれるからな。いやー助かる助かる。

向こうで警戒しながらもポル先もポーチにしまってあった非常食を口にするのだった。その非常食とはお世辞にも美味しいと言えるようなものではない。しかしそれを気にすることなくポル先はがつがつとすぐに食べ終えるのだった。そんなポル先の姿を見ていた二人、サラちゃんとレナちゃんは二人して目を合わせてきょとんとしていた。まぁ、初級生である彼女達にはまだダンジョンの基礎は教えてもらってない。基本、ダンジョンでは携帯食料を常に所持しそれわ食べるのが基本なのだ。ライ達みたいに堂々と弁当箱を広げて方がおかしいのだ。ただ、それがわかってないにせよそんなポル先の姿を見ていた二人は自分の弁当箱からおかずをそれぞれ取り合ってミニお弁当箱を作りその中に詰めていく。そうして出来たミニお弁当を二人一緒にポル先の元へ持っていくのだった。

「せ、先生」

「これよかったら食べてください」

「お、おう、ありがとう二人共」

サラちゃん達からミニお弁当を貰い少し戸惑うポル先、その逆にとっても嬉しそうに帰ってくる二人。余程ポル先は懐かれてるんだな。これはどうやら俺がいない間にもう一波乱あったみたいだな。

サラちゃん達から貰ったミニお弁当をポル先は美味しく頂くのでした。



「ごちそうさまでした」

「まん、ぷく」

「美味しかったです」

「はふ〜」

昼食を食べ終えてリラックスする四人。再度いおう、ここはダンジョン内だ。

サラちゃんとレナちゃんもポル先のおかげでだいぶリラックス出来てるみたいだしこのまま先に進んでも大丈夫そうだな。ライはそう二人の様子を見てこれからの進むペースを考えるのだった。

「よし、じゃあ充分休んだことだしそろそろ先に進もうか」

「ん」

「「はい!」」

「はぁ、やっとか」

ポル先は待ちくたびれていてライ達がやっと動くようでため息をつく。

「ライ、改めて言っておくがこの演習は五階層のエリアボスを倒さないと各個人終わらない授業だ。食料や水をちゃんと調節し考えながらも進むのもまたこの演習の内容の一つだぞ」

「わかってますよー」

「いやわかってないよな?ここダンジョンなんだぞ?どっからそのお弁当箱を出してきたんだ、それにこんなにも」

「さぁどうやってでしょうねー」

俺はニヤニヤしながらポル先の質問に答える。主に俺の手はティルフィングの柄を叩いていた。

「便利なものだな」

ポル先は半ば諦めて虚空へと視線をやるのだった。

「んじゃ、進もうか」

そうして、二階層をパパーッと攻略しに行くのだった。



あの宝石が散りばめられた綺麗な場所はあそこだけらしく、後は一階層と同じ茶色の壁が辺りを埋め尽くし、転々と篝火があるだけだった。まだ二階層に残ってるチームがいるのか魔物の数はそこまで多くなかった。

「みんな大丈夫か?歩き疲れてないか?」

「ん、へい、き」

「まだまだ大丈夫、です!」

「こんなの序の口だわ!」

「そっか」

ちょいちょい俺は三人に気遣いこの二階層を攻略していく。魔物は多くないと言っても出る時は出るのだがほぼライが瞬殺して終わらす。そうすることで二人に安心感を与えていく寸法だ。

そんな道すがらの中、一人の女生徒と会う。その子は俺達のようにサラちゃんやレナちゃんと同じ魔法学生を連れていける、いわば選抜された実力のある生徒だった。しかし、どこにも魔法学生の姿はないどころか他の仲間がいる訳でもなく、ましてや護衛である女神近衛兵すら傍にいないのだ。その子を後ろのポル先が眉をひそめる。紅色の長い髪を後ろにまとめて三つ編みにしている、綺麗な碧眼の瞳。アリシアたちまでとは言わないがそれでも可憐さがある整った顔立ち。どこか少し大人びてる生徒に俺は話しかけた。

「よ!こっちは一階層に続く道だぞ?」

「あら、そうなの。ご親切にありがとう、ライ」

「紳士だからな」

「自分で言っちゃうのね」

「紳士だからな!」

ライは二回ドヤ顔するのだった。

「それより本当に一人で大丈夫なのか?エレナ」

「ふふ、心配してくれてるの?」

「紳士だからな!」

三回目のドヤ顔である。

「ありがとう、でも平気よ。あなたほど強くはないけどこの程度の魔物であれば訓練にもならないから」

「そうか」

「えぇ、でもまぁ心配してくれてるのなら一緒に付いていってもいいかしら?少し心細く思ってたから」

俺は一度リーナ達に目線を送るが、その意図がわかったのかみんな首を縦に振った。

「こっちは構わないぞ」

「あら、ありがとう」

「ま、エレナもいればこの子達も安心できるだろうしな」

「そんなに買いかぶられても困るわ、でもまぁご期待に添えるようにはするわよ」

そう言ってエレナも俺地のパーティーと一緒に行動するのだった。そんなエレナの姿に心なしかポル先が後ろで安堵のため息を吐いてる。

「三階層への階段は大体検討がついてるわ、案内は必要かしら?」

「まじで?さっきまで一階層の階段を目指してたのに?」

「あれは単純に帰り道を再度チェックしてただけよ。あらかたこの層は歩き回ったし、それらしい場所も発見したってだけ」

「なるへそ、そういえば最初に組んでたチームはどうしたんだ?」

歩きながらそうエレナに聞いてみる。昨日のうちに元々チームは組んでいたのだが、今日突然にエレナだけパーティーを抜けて一人で行きたいと言い出したのだ。もちろん、みんな反対はしたがエレナの強い意志に折れてそうさせるのだった。ポル先もまさかエレナが一人では入りたいというとは思ってなかったのか驚いていた。それ故に心配していたのだが…。

「みんな無事よ」

「無事ってさっきまで一緒にいたのか?」

「えぇ、最初に組んでた手前勝手に一人行動するのだから、ちょっとした罪滅しとしてね。でもあの様子だと私がいなくても大丈夫よ」

「そうか、まぁなんにせよみんな優秀だからな」

「そうね、そのお陰でわたしもこうして自由に出来てるわけだし」

そうやってエレナと喋っていくうちに、いつの間にか次の階層に続く階段を見つけた。

「予想通りね。さ、次に行きましょうか」

そう言ってスタスタと先に進んでいくエレナ。その後の姿を見ていると誰かに袖を引っ張られた。

「にぃ…」

それは少し、困った顔をしたリーナだった。リーナが何を言いたいのかライにはわかっていた。

「あぁ、リーナが心配することじゃないよ」

何も心配はいらないと、優しく頭を撫でるのだった。そんな俺達のやりとりにポル先もサラちゃんとレナちゃんも疑問顔だ。でも俺達にはわかってしまったのだ。今のエレナの姿に、違和感があることを…。

「さぁ、行こうか」

何事も無かったようにライは三人を引き連れてエレナの後を追うのだった。

我、頑張る




ライ「最後の遺言並みに短いなー」

リーナ「これも、たぶん、短い」

ティル「そして本編も短いのね」

アリシア(一向に出番がなくてイライラしてるご様子)

ネア(同じく)

ライ「まぁまぁ、今回ばかしはリーナとティルのお話だから」

アリシア「むぅー!」

ネア「次に期待、ね」

ソレーユ「私達もまだそんなに出てない」

ルナ「まぁまぁ、お姉ちゃんも落ち着いて。きっとそのうちあるから」

ソレーユ「ルナがそういうなら」



ネア「次回」

アリシア「滅茶苦茶なダンジョン攻略作戦!3F」

ルナ・ソレーユ「次も見てね」

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