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滅茶苦茶なシスコン剣士の妹件  作者: 魔王
やっと学院がそれらしい行事をするそうです
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滅茶苦茶なダンジョン攻略作戦! 2F

結局、壊すことにしました。

「うらぁぁぁぁあ!!」

ドゴォォォンとド派手な音を立てて、この空間の床一帯がぶっ壊されたのだった。



「全く無茶ばりするわね、このおにぃちゃんは」

「にぃ、さいきん、おおい」

「あはは」

俺は二人の妹を両手に瓦礫ともに下の階に落ちるのだった。幸い、石が上に落ちくることもなく、崩落もなく無事に着地できた。着地といっても手が塞がってる為、半ば尻餅みたいな感じでだが。

とりあえず起き上がって周囲を警戒するが魔物の気配はない。まだみんな、一階層をクリアしていないのか人の気配もない。

「で、どうするのよこの先」

「みんな、と、はぐ、れた」

「うーん、一階層に戻ってサラちゃんとレナちゃんと合流しなきゃいけないんだろうが…」

「しん、ぱい?」

「んや、ポル先のことだから大丈夫だろ。二人共無事だよ」

「あの先生そんなに強かったかしら?」

「少なくとも俺が知ってる中じゃあみんなの支援に来ていたDCTダクトのどの人たちよりも断然に強いよ」

「ふぅーん」

とりあえず、この先諸々のこととか心配したり考えながら一階層に続く階段を探すことにした。運が良ければ最初にダンジョンに入ったチームと合流できるだろうし。というか、思った以上にこのダンジョン相当広かった。まだ一階層だと言うのに二百人弱を余裕で入れるほどの広さ。例えるなら訓練場を迷路にした感じだな。それ故にみんなまだ二階層まで辿り着けていないのだろう。まぁ、DCTダクトの人たちはこのダンジョンの三十階層までは完璧に把握してるみたいだから最短ルートの行き方も分かってるんだろうが、それじゃあ俺達の授業にならないだろう。DCTの人たちがするのは最低限の戦闘支援とアドバイスだけだ。ほぼ、自力でみんなこのダンジョンを攻略しなくてはならない。それは俺達もあまり変わらないというか…。

「二階層は思った以上に通路が広いな。案外、すが見つかるかもな」

「そうね、戦闘もしやすいし」

「おにぃ、ちゃん、の、てき、じゃ、ない」

「だな〜」

そう言ってライはリーナに頬擦りするのだった。嫌がることもなくくすぐったくしている妹とその姿を少し羨ましそうに見てる魔剣の妹。一つだけ言うと、ここダンジョンね?

もちろん、それ邪魔する者がいるのはごくごく当たり前のこと。

「グギャァ!?」

「ガァ!?」

しかし、瞬殺されてしまうのが悲しいことかな?なんだかダンジョンとはいえ魔物が可哀想になってきた。なんだろ、ダンジョンが涙してる気がするよ。それを現すようにボトボトと灰色のスライム状の玉が天井から落ちてくる。これでもかと言わんばかりの。だがそれもまた、形成すると同時に破壊される。全てライによって。

「かわい、そう…」

リーナが誰にも聞こえない声量でそう呟くのだった。



「ティル」

「えぇ」

俺の意図が分かったのかティルは人の状態から魔剣の状態に変わる。俺はそれを優しく受け取ると腰に収める。なぜなら、目の前から魔物とは違う気配を感じたから。

「にぃ?」

「大丈夫だ、恐らくだが…」

心配するリーナを安心させるために頭を撫で続ける。それでも余所見することなく目の前の気配に集中する。どんどんこちらに近づいてくる気配にライは安堵して警戒を解く。その正体が誰かわかったからだ。

「いっちばんのりー!」

「おいおい、あんまはしゃぐなよ」

「まってくださいよー!」

「は、ハイペースすぎぃ…」

「元気すぎやしないか、今年の生徒達は…」

俺達の進む前の道から元気なはしゃぎ声と疲れた声が同時に聞こえてきた。その声の正体は…。

「あれれー!?なんでライがここにいるの!?」

アリシアクラスのアイドル、疾走の異名を持つエルちゃんがいた。

「え?え?私たちが一番乗りだと思ったのにぃー!」

不満たらたらなのか頬に空気をためてぷくぅーと可愛らしくお怒りのご様子。

「俺もそうだと思ってたんだけどな」

その後ろからはフィナクラスの、エルちゃんと対等に戦った相手。疾風の異名を持つターティルがそこにいた。さらにその後ろには同じくフィナクラスのリラとクレスト、それにDCTダクトの、くたくたの女神近衛兵が一人。どうやら、エルちゃんのパーティーと合流できたみたいだ。

「おひさー、エルちゃん」

「おひさー!ライ。じゃないよ!?どうやってこの二階層まで来たの?階段にはまだ誰かが通った形跡なんてなかったし」

「あー、ええとだな、床をこうドカーンと」

「おいおい、ガチならなんてことやってのけてんだこの国の専属執事さんは」

「へ?」

ターティルは理解出来たようだがエルちゃんや他の人には理解出来てないのか、リラとクレスト達も首をかしげている。それをお構いなしにターティルは話を続ける。

「それより、お前さんとこのパーティーは他に二人の魔法学生がいなかったか?」

「あーっと、それなんだけど宝箱のトラップにひっかかちゃってな。はぐれた」

「大丈夫なのか?それ」

「まぁ、うちらの担任がついてるか平気だろ」

そんな俺の答えにターティルは手のひらを額に打ち付けてあからさまなため息をつく。

「ほんと、グラウの言う通り滅茶苦茶な奴だな」

「よく言われる」

ライは照れてみせるがターティルは深いため息をつくだけだった。

やっぱり、フィナクラスとアリシアクラスじゃテンションの差が激しいみたいだ。

「でもまあ、無事なのはところは流石だよね〜」

横からエルちゃんがはいってくる。いまだにハテナマーク頭に浮かべてる三人をよそに話し始める。

「そういえば、一階層に上がる階段はどこにある?」

「あぁ、戻るのか?」

「そうだな、二人共回収しに行かないとだからな」

「それなら、今私たちが来た道をまっすぐ行って右に曲がったすぐそこにあるよ」

エルちゃんは簡単に説明してくれた。身振り手振りも使ってね。

「ありがとエルちゃん。それじゃあ俺達は戻るとするよ」

「はーい、後ろの人達にもよろしくねー」

「おう、エルちゃん達もダンジョン攻略がんばれー」

「それはライもだよー!」

俺はリーナの手を取ってエルちゃんの示してくれた通りの道を進む。リラとクレストとすれ違う際にも声をかけてきてくれた。

「気をつけてくださいね」

「一応、私たちの師匠とエルちゃんがこの先のほとんどの魔物をやってくれましたが、もしかしたらリポップしてる可能性もあるので」

「ご忠告ありがとな」

そう少し会話して通り去るのだった。

「結局どうやってきたんですかね?」

「わ、わからないわ」

そう小声でリラとクレストは俺がどうやって二階層に来たのか経緯に未だに話し合っているのだった。女神近衛兵はハテナマークを浮かべつつも一応、リードしなくてはいけない役柄なので頑張って先導していた。といっても、戦闘があの二人じゃ、というかエルちゃんじゃ制御できないと思うけど。

そんな苦労する最初のパーティーとちょっとしたゴタゴタがあり俺達は一階層に向かうのだった。

なんだか、魔剣の状態に戻ったティルが少し不服そうなのはリーナだけが知ってること。

ふぅ、久々に時間通りに出せた気がする。

ということで、いつも読んでくださってる皆様方、ありがとうございます!

五月もちょっと投稿危うし、というかずっと前に言った通り今年は更新が厳しいかもしれないのだよ。それとはまた別にちょっとした試みということで他の作品をちょっと力入れていってみようとおもうのだ、といっても五月いっぱいぐらいなのだがな、それをやってみようと思うのでもし遅れたらあしからず!いつもの事だがな!



エルちゃん「はぁ、ここの魔物じゃ物足りないよ〜」

ターティル「お前が強すぎるんだ」

クレスト「というか、師匠たち早すぎ」

リラ「追いつくのが手一杯」

ターティル「あぁ、悪いな」

エルちゃん「ぶぅーん」

ターティル「おいこらそこ止まれ!」



エルちゃん「次回!」

ターティル「滅茶苦茶なダンジョン攻略 2F→1F」

エルちゃん・ターティル「次回も見て!」

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