滅茶苦茶なダンジョン攻略作戦!1F
最近は遅れすぎになってごめんなさい!
街から外れたフェバルの森とは逆の方向にあるメレッツ平原。そのほぼど真ん中にダンジョンへの入口がある。周りはゴツゴツとした金属とも石ともつかない不思議な素材でできたあからさまに地から盛り上がっている洞窟があった。そう、それこそがこのクラッツセイントのダンジョン。名前は確か、ミハルギの試練だったかな?
「よし、全員いるな。今回は補佐として俺もダンジョンに入る」
改めて移動したため全員のチェックをし、それを終わったあとはポル先も自らダンジョンに入る宣言をした。ちなみに気になるレアーナ先生は?と思うが。
「すみません、みなさん。私は戦闘系の授業はうけてないので今回は全然力になれそうになくてすみません。ですが、皆さんのこともポルーク先生におまかせしていますのでなにか困ったことがあればポルーク先生を頼ってくださいね」
だそうだ、今回はポル先も来るのか。ポル先は前にも言ったと思うけど元女神近衛兵の一人だ。その実力は安心して任せられるものだろう。
「じゃあまずはDCTの人に続いて進んでいってくれ。もしなにか危険に巻き込まれたり危ないと感じたらみんなに与えた笛をならせ。ダンジョン内はよく響くから近くにいるやつはその笛の音を聞いたらそのなる方向へ助けに行ってやってくれ」
「「「「はい!!」」」」
「よし、じゃあこれからアレーザ剣士学院中級生特別授業、ダンジョン攻略を開始する!」
☆
ダンジョン内は思った通りの構造をしていた。本来、地上の光をすべて遮ってるはずなのにうっすらと中は光っていた。それは洞窟内のあちこちに嵌め込まれている光石のお陰だ。僅かにだが周りが薄らぼんやりと緑色に見える。通りは思ってた以上に横幅が広かったな。これなら、戦闘も楽そうだ。
五人がフルで動けるくらいか。あまり大人数で同時戦闘するのは向いてないがバックとの交代しながらならいいな。複雑ではあるが別れ道も多いし。迷ったらちょっと困るけどな。
「お、お兄さん怖いです…」
「ダンジョン内って薄暗くてジメジメしてちょっと嫌いかも」
「♪」
サラちゃんはまるでお化け屋敷にでも入るように怖がってレナちゃんの腕に抱きついている。それを真似するようにしてリーナは俺の腕に抱きついている。
階層はまだ入ってまもない、第一階層の入口近くだ。ちなみに俺達がこのダンジョンに入るのが最後。つまり、この先はほとんどみんなが倒してくれている。それを考えてのことかポル先が俺達を最後にしてくれたのだ。
「大丈夫だよサラちゃん、この先は俺の友達たちが魔物倒してくれてる。それに…」
俺は少し立ち止まり後ろを振り向く。そこには俺よりも後に入ってきた人がいた。
「俺らのすごーくつよーい先生が後ろを守ってくれてるから大丈夫だよ」
「は、はぃぃ」
「もう、シャキッとしなよサラ」
ポル先は少し困ったようにこちらを睨んだがまぁ大丈夫だろう。サラちゃんとレナちゃんは俺の後ろにと言ってもほんの一二歩後ろにいる。ポル先とは数十メートルは離れてるがギリギリ目視で確認できるぐらいは近くにいる。それに前の姿は見えないが安心して先を任せられる奴らだ。俺達の前に入ったパーティーは魔法使いの生徒を入れて五人パーティーであるグラウのパーティーだからな。例え、その前のパーティーが逃していたとしても確実にグラウたちが仕留めるだろう。
「それでもサラちゃんが不安なら、もう一つとっておきのものを見せてあげるよ」
「とっておき、ですか?」
「あぁ、ティル出て来てくれ」
俺がそう言うと右手に黒い渦が出てきて俺の手を飲み込んだ。俺はその中から一振りの剣を抜く。
「わ、わぁ!?」
「わぁ!すごーい!」
サラちゃんは驚き、レナちゃんは興味津々に魔剣であるティルをみる。それでもってリーナはこっそりとティルに近づいてる。
「おね、がい、ね?」
『言われなくても分かってるわよ』
リーナの言葉に俺の心の中でだがティルは返事するのだった。
「お兄さん、そ、それは…」
「これは魔剣だよ、サラちゃんとレナちゃんは見るのは初めてかな?」
「ま、魔剣!?」
「えぇ!?本物の魔剣なの!?」
「あぁ、本物だよ」
「すごーいすごーい!」
あまりにも凄かったのかレナちゃんはぴょんぴょんと飛び跳ねる。サラちゃんも不安より驚きの方が勝っているようだ。
「これで安心したかな?」
「は、はい!」
どうやらサラちゃんも俺のことを信頼してくれたみたいで何よりだ。それぐらい、魔剣の存在は大きい。これは出てきてくれたティルに感謝だな。
「ねぇねぇお兄さんお兄さん!」
俺はここから先、サラちゃんとレナちゃんの質問攻めに会うのだった。そんな興味津々なサラちゃんとレナちゃんに返事をしながらゆうゆうとダンジョンを歩いていくのだった。
☆
「全然魔物こないねー」
「う、うん」
「おにぃ、ちゃん、どうし、て?」
ダンジョンを難なく進んでいくことに不思議がる少女二人と妹。そう、ダンジョンに入って一階層とはいえだいぶ奥まで進んだはずだ。それなのに一向に魔物と出くわすどころか気配がないのだ。その事に疑問を抱いているのだ。
(まぁ、前がグラウたちなのが一番の原因なんだろうけど。ポル先も暇そうに欠伸なんてしちゃってるし)
俺は常に何かあった時のために気配察知をしているが一向に魔物の気配はなかった。というか、あったとしてもすぐに消える。なぜなら全部グラウのパーティーがやっちゃってるからだ。
「それはな…」
と、説明しようとした時。突如、頭上の壁がピシッと音を立てて割れたのだ。俺はそれを察知してリーナを首に抱きつかせてサラちゃんとレナちゃんを両手で抱っこしてその場から離れる。
「んっ」
「きゃ!?」
「ふえ!?」
リーナは割と落ち着いていたが二人は何事かとパニックになる。しかし、それが落ち着いてくれるまでそれは待ってくれなかった。その割れた天井から黒い何かがボトッと落ちる。その姿にサラちゃんとレナちゃんが「ひぃ!」と悲鳴をあげるが今はかばってあげられない。その黒い塊はいくつも落ちてくる。その数五。やがて、吐き終えたと言わんばかりに天井のヒビは修復されていく。残された黒い塊は徐々に形を作り色をつけていく。それは魔物へと形を変えた。緑色の肌に人間と似て非なる顔。その手足は鋭い爪があり、引っ掻かれたらまともな防具でもしてない限り重症だろう。目の色は赤く、こちらに気づき睨みつけてきている。
「…」
「あ、あれって…」
「魔物?」
三人は目の前で起こった出来事がわからず混乱する。そんな三人にライは先輩として優しく教えてあげる。
「そうだな、あれはボコブリン。サラちゃんやレナちゃんはゴブリンについて習ったかな?」
「は、はい。地上に存在するゴブリンには人間と共存するもの、それぞれ集落を作って暮らすものがいると聞いたことがあります」
「普段は温厚で優しい性格で協力的な魔物でしょ?」
「大正解だ。二人共偉いね」
そんな真面目なサラちゃんとレナちゃんの頭を撫でてあげる。二人共、ちょっと照れて頬をピンクに染める。
「そう、ゴブリンは平和の象徴としてる魔物の一種族だ。けど、目の前にいるボコブリンはそうじゃない」
「どうゆう、ことなんですか?」
恐る恐るだがサラちゃんは興味津々に聞いてくる。俺はそんな勉強熱心なサラちゃんに説明する。
「ゴブリンにも派生種族って言うのがあってね。ゴブリンは基本温厚だけど、中には凶暴なゴブリンが生まれることもあるんだよ。そのゴブリン達のことをボコブリンと呼んでる」
「じゃあ目の前にいるのは?」
レナちゃんも興味津々に質問する。二人共、イイコだなぁ。
「あれはさっきも言ったようにボコブリン。ゴブリンとは正反対の魔物だよ」
「え、じゃあ、えと、もしかして…」
サラちゃんが急に何かを理解したようにボコブリンたちの方を見て固まる。五つの黒い塊はすべてボコブリンに変形し終わりこちらを睨みつけている。かとおもいきや、サラちゃんの言葉を先に行動で答えるように一斉にこちらに向かって走り出した。
「きゃぁぁ!」
「こ、こっちきたぁぁ!?」
明らかに俺達のことを襲いに来ているボコブリン達にサラちゃんは蹲り、レナちゃんは対抗しようと懐にしまっていた杖を取り出すが…。
「ぁ、ぁ…」
震えていて的が定まらず詠唱もできる様子じゃない。まだ、サラちゃんやレナちゃんは下級生。俺よりも四歳も年下なのだから。というか、よくこのダンジョン攻略に志望したなと思うよ。それをあのおじいちゃん先生もよく許したな。それほど俺達のことを信頼してくれているのだろう。
「ちょっとここで待っててな」
俺は腕に抱きついていたリーナを優しく解き、頭を撫でてやる。リーナは満足したように頷き俺に託す。
俺は一歩サラちゃんたちの前に出てティルを構える。前に出る際、レナちゃんを優しく肩を叩いて落ち着かせる。
「お、お兄さん…」
「大丈夫、いったろ?君たちのことは俺が必ず守る。それに、こんな魔物に遅れは取らないよ」
「こ、こんなって。で、でも数が…」
「平気だよ。俺とこいつならな」
そう言ってティルを見せる。レナちゃんは怯えてはいるにせよちゃんと戦闘状況をきっちりと把握出来てるみたいだ。未来の魔法使いさんは優秀な子ばかりかもしれない。
「ちょうどいい、証明しようか。ちゃんと守れるってことを」
俺はそのままボコブリンの群れに突っ込む。その姿にレナちゃんは止めようとしたが上手く体が動かず手を伸ばすだけで終わった。
「お、お兄さん!」
サラちゃんとレナちゃんにはまだ俺の実力を教えてない。それ故に、今ここで見せる必要があるだろう。ボコブリンでこれだけパニクってしまうのならこの先ちょっと危ないだろうからな。
「え…」
レナちゃんは目の前の起きた出来事に唖然とする。ライとボコブリンが交わる瞬間。一瞬にしてボコブリン達が爆ぜ、その姿を消したのだ。レナちゃんにはボコブリン達が勝手にやられたようにしか見えなかった。後に残ったのは小さな紫色の欠片だけだった。
「よっと」
ライは落ちた欠片をすべて拾って支給されていた小袋に入れる。その欠片はダンジョン内の魔物が落とす魔石と呼ばれるものだ。魔石は魔物の魔力が封じ込められてる石で色々なものに使えるらしい。それに、魔物によって落とす魔石の大きさや純度が違い、質が高ければ高いほど強い魔物のものという証明になるのだ。
「ほら、大丈夫だったろ?」
俺はニコッと笑ってサラちゃんとレナちゃんを安心させる。
「ん、にぃは最強」
リーナも後押ししてくれる。そんな妹と俺の姿にサラちゃんとレナちゃんは
「こ、ここ、こんなに強かったなんて驚きですぅ」
「お兄さん強すぎ!」
と、ようやくホッとしてくれたみたいだ。急なリポップ現象には驚いたが魔物もこの程度なら何の問題もないな。
それからのダンジョン攻略はスムーズに進んだ。
☆
「あ、お兄さんあれ!」
しばらくダンジョンを彷徨っているとサラちゃんが何かを発見したようにその場所に指をさす。その先には四角い箱が置かれていた。今通ってる道とは違い、奥が広い空間になっている。その一番奥側にその箱は置いてあった。
「宝箱だな」
「宝箱ってほんとにあるんだぁ!」
これがダンジョン特有のイベントってやつだな。それもボーナス系の。迷うことなく俺達はその広い空間へと足を踏み入れる。後ろでポル先が「あ、バカ!」と、叫ぶ声がしたが遅かった。その空間に足を踏み入れた瞬間、天井から大きな石が落石してきたのだ。これはどうやら罠だったらしい。俺は咄嗟にサラちゃんとレナちゃんを元来た道の方へなるべく優しく投げる。俺はその反対に空間の方へとバックジャンプして落石を避ける。俺にくっついていたリーナはそのままひろい空間のほうへ付いてきてしまう。
「お兄さん!!」
「リーナちゃん!」
サラちゃんとレナちゃんの声は虚しく大きな岩石によって遮られてしまった。というか、この空間に閉じ込められた。サラちゃんとレナちゃんにはポル先がついてるから大丈夫だろう。問題はこっちだな。
「お、にぃ、ちゃん」
「どうした?」
俺はサラちゃんとレナちゃんを向こう側の方へやった後、その反動で宝箱の空間側へ飛んだ。リーナは首にくっついたままだっのでそのまま俺の方へ来た。俺はリーナを怪我させないように抱きかかえて背中から地面に着地する。ちょっと擦れたが問題ない。
「いっ、ぱい?」
「いっぱいだな」
いっぱい、とは何を指しているのか?答えは周りを見ればわかる。周りには先ほどリポップ現象で見たボコブリンや、他に犬に似ているがそれよりも犬歯が鋭く、体が大きい魔物。ワーグルというすばしっこくて力の強い魔物だ。馬などその牙で普通に噛み砕くぐらいに。それともう一種、小さい鳥の体に四つの羽根と一本の角を生やした、明らかに普通の鳥とは違うそいつはデーピジョン。飛行型の魔物で敏捷性が高くなかなか攻撃が当たらない厄介な魔物だ。そんな魔物達がこの広い空間にうじゃうじゃといた。
「怖くないか?」
「おに、ちゃん、いるから、へいき」
「そっか、じゃあちょっとだけ待っててな」
「んにゅ」
あまり、魔物との遭遇に慣れてないリーナに気を配ってはいるが、心配なさそうだ。俺は軽くリーナの頭を撫でて魔物の群れと対峙する。後ろは岩で道を塞がれて逃げ場はない。目の前には一人では絶対に処理できないであろう魔物の数。にも関わらず恐れもせず、絶望さえもしない。リーナは何も恐れてはいなかった。なぜか?こんな危機的状況なはずなのに。それは一つの存在がすぐそばにいたから。ライの存在だ。それほどまでにリーナはライのことを信頼している。それにいざとなればリーナ自身にも戦える術はあるため、尚更心配する必要などないのだ。
「さてと、どう調理してやろうか」
『面倒なら全部吹き飛ばしたらいいじゃない』
「それもそうだな」
ティルの言葉に俺は構えをとる。と言っても一振するだけなんだが。ティルの刀身が紅く光り始める。
「魔絶技 幻ノ型 陽炎」
そう言ってティルを一振り。ティルの刀身を纏っていたぼやけた紅い光は斬撃の跡を現すように確実な物体となってその面積を
横に広げ魔物達へと迫る。その正体を知ることなくその紅い揺らめく刃は魔物達をすり抜けるようにして通り過ぎる。やがて、目の前にいる全ての魔物に行き渡り、陽炎の斬撃は壁に触れて消失した。と同時に、魔物達が霧散した。悲鳴をあげるよりも先にその全てを霧散させて小さな宝石にその身を変えた。
「さすがだな」
『褒めたって何も出ないわよ』
「てぃ、る、あり、が、とう」
そう兄妹してティルを褒めるのだった。恥ずかしくなったのかティルはその身を変えた。
「もう!リーナまでそうやって私を弄るのね」
「おひ、さし、ぶり」
リーナはティルの姿を久しぶりに見てそう言った。機会がなくてあまりリーナの前でもティルは姿を現さない。それでも、前まだ、ちょくちょく姿を現してはいたんだが、ここ最近ソレーユとの件があってずっと魔剣状態だった。それをあまりリーナはよく思っていなかった。だからこうして誰もいない今を狙って人化させたのだろう。ここなら暗いし万が一誰かに見られてもなんとでも言えるからな。
「えぇ、お久しぶりねリーナ」
「よし、よし」
「も、もぅ!」
いやぁ、こうやってリーナとティルが仲睦まじくしてるのを見るのは久々だな。そんなリーナとティルのやりとりに俺は終始ニヤニヤしていた。最近はカオスだのソレーユだの事件が多かったからな。なかなかゆっくりする時間もなかったからこういうのが一番和む。場所はダンジョンだけど…。今度、ちゃんとゆっくりした日にまたみんなでピクニックにでも行こうかな。今度はフィナのとこの国にでも。せっかく引っ越してきてくれたのはいいけどまだ一回も行ったことないんだよなぁ。
「おにぃ、ちゃん」
「ん?」
そんなことを考えながらニヤニヤしてるとリーナが声をかけてきた。そんなリーナに即反応した俺はリーナと目線を合わせるようにしゃがむ。
「どうした?」
「たから、ばこ」
「あぁ、そうだったな」
リーナに言われて思い出した。この空間は宝箱を守るための空間だったと。なにせ、魔物が弱すぎてそんなことを忘れていた俺であった。
俺とリーナ、そしてティルと三人で宝箱の前までくる。宝箱はなんとも無難な形をしていた。というか、開けれるのだろうか?感じ的に鍵かかってそうな形状だけど。手を伸ばして宝箱の蓋を開けてみるよう試みる。案外、簡単に蓋はパカッと音を立てて開いた。
「お、中は何が入ってるんだろうな」
「わく、わく」
「適当に宝石とかじゃないの?」
そんなティルの意見とは正反対、中に入っていたのは錆びれた剣だった。
「なんだこれ?」
俺は宝箱の中からその剣を取り出す。どこからう見てもただの錆びた剣だ。あらゆる角度でも見るもそれは変わらない。まぁ、まだ一層だしそんなものか。
「これ…」
なんだかティルが興味津々に剣を見ている。なんか思い当たる節でもあるのだろうか?
「ティル、何かわかるか?」
「…なにもわからないわ」
何もわからないらしい。珍しいなティルがそんなこと言うなんて。とりあえずこの剣には何かあるのだろう。だってティルはわからないと答えたから。それはつまり、ただの錆びた剣でもなく他の何かということになる。なかなか面白いものを見つけたかもな。これはあとで地上に持って上がって日頃頑張っている大臣にでもあげよう。きっと大いに喜んでくれるだろう。
「ふし、ぎ?」
「えぇ、不思議ね」
そんな不思議を俺は後回しにしてこの先どうしようか少し悩む。落石で塞がれた石を少し押してみるがびくともしない。というか、塞がっているのだ。この入口が。まるでセメントで固められたみたいにピクリとも動かない。向こうにいるであろうサラちゃんとレナちゃんが少し気になるがポル先のことだ、何とかしてくれるだろう。この密室状態でどうやって外に出ようか。
「壊せばいいじゃない」
と、まぁ短絡的にティルがそう言ってくれるが俺はその意見を否定する。
「無理だな。壁が厚すぎて魔法や剣じゃどうしようもできない」
「でれ、ない?」
「そういうことになるな」
しばらく三人して悩む。これはちょっと予想外だな。どうやってここを出ようか。
この広い空間に一つの錆びた剣、聖剣と魔剣と元魔王の悩む姿がそこにはあった。
ふははは、なんてこったい。
ということで、いつも読んでくださってる皆様方、ありがとうございます!
いよいよ、本格的にダンジョン攻略開始だぞ!そのせいか魔物の設定というか外見の表現とかその他設定諸々が穴ありすぎてもうどうにでもなっちゃぇー!的な感じになっていってるがもうわれはキニシナイ。もうそろそほ本格的に基盤をちゃんとしないといろいろとおじゃんになりそうなので考えてみようとは思うが…、詰まるのだよ!という、絶賛ちょっとスランプに陥ってしまった。だけど、それと同時にちょっとこういうダンジョン系書くの好きだからがんばる!
ということで、サラダバー!人間ども!
ティル「まさに私たちの現状がいまの状態ね」
リーナ「いき、どまり」
ティル「だからちゃんとプロットは組まないとと、言われていたのに」
リーナ「ばか、だか、ら」
ティル「それはもう知ってたからいいわ」
リーナ「うにゅ」
ティル「それより、一階層で閉じ込められたのは予想外ね」
リーナ「だん、じょん、て、きち、く?」
ティル「まぁ、鬼畜といえば鬼畜ね。下に行けば行くほど強くなるし、行くたびに体力に消耗品も削られるから」
リーナ「きち、くぅ〜」
ティル「そんなキャラだったかしら?あなた(ボソッ」
リーナ「じ、かい」
ティル「滅茶苦茶なダンジョン攻略! 2F」
ティル・リーナ「じかいも、みてね」
ティル「ちゃんとみてよね」




