ライとソレーユの昔の滅茶苦茶なお話 後編
(なるほど、わからん)
「わからないって、顔してる」
「その鋭い感は生まれながらなのか?」
俺はソレーユから過去の話を聞いていた。その中でも彼女なりにわかりやすく説明してくれてるみたいなんだが、専門用語が飛び通っていて俺には理解出来なかった。似たようなことをユグドラシルも言っていたがどうも理解に追いつかない。まぁ、昔に勇者と魔王がいたというのは分かったし、ソレーユは合法ロリじゃないこともわかった。
「私は勇者の末裔でもあり、正真正銘勇者の子供。わかった?」
「それはわかった。それで、妹がいることも」
「うん。けど、今はどこに暮らしてるかわからない」
「それ、大問題だよな?」
「平気、だと思う。私とはまた違う場所で平和に暮らしてると思う、から」
「どういうこと?」
「私だけが家出してきたから」
「は、家出?」
「うん」
なんだか話の行先が怪しくなってきたというか、すごく単純なことに聞こえてきて仕方がない。
「え、じゃあ妹はそこにいると?」
「たぶん、引っ越してない限り」
「じゃ、なんでソレーユは家出?してまでここにきた?というか、故郷であるフェデルマがドラゴンによって壊滅させられたから倒しに来たんだよな?」
「それは口実、ルナ、妹がそれを知って悲しんでたから制裁加えにきた」
「へ?じゃあ」
「ルナのためにここまできた」
なんだこのバカ姉、俺も人のこと言えないが妹のためにドラゴン倒しに来るって…。俺もやりそう。
「なんだ、ただのシスコンか」
「ライも、相当だと思う」
「なぬ!?」
そういえば、ソレーユにも俺のことを少し話をしたんだったな。ソレーユが私だけ話すのはずるいと言ってきたので最初におれの話をしたんだった。なぜ俺がここに来て、あの森にいたのか。それは単純な事だった。ある人に預けてる眠り続けている妹を守るため、目が覚めたら明るい未来を過ごしていけるように、そうさせてあげられるだけの力を求めて。そのためだけに俺はここまで来たと。
「つまり俺達は似たもの同士ってことか」
「全くもって、その通り」
そうしてお互いの顔を見て二人して笑う。似たもの同士で、やることも同じで、そんなむず痒い気持ちがある。妹のために家を出て、妹のためにそれをやり遂げようとする。全くもってシスコンの度を超えている。
そんな話を長々としていて、気がつけば夕方になっていた。
「帰るか」
「うん」
それからの日々、お互いにいろいろと自分たちのことを言い合ったせいか、打ち解けあっていった。
そんなふとしたある日。
「ライ、デートして」
「はっ!?」
いつものように稽古をしていたら唐突にソレーユがそんなことを言ってきた。あまりの言葉に驚きを隠せずティルを滑らす。
『ちょっと、手を離すなんて酷いじゃない』
「ごめんごめん、あまりにもびっくりしたから」
俺はすぐにティルを拾い上げてソレーユと向き合う。
「ちゃんと意味わかって言ってます?」
「おじさんが教えてくれた。休むにはデートが一番いいって」
「休むにはデートって、あの人どういう考え方してんだろ?」
最近、休むことなく毎日稽古に行ってる姿をグレイスおじさんは見てよく思わなかったのだろうか?ソレーユにそんなこと教えるとは。けどたぶん、本当の意味はわかってないよな?この子。
「心の保養、とも言ってた」
「心の保養、ね」
「うん」
「ちなみにだけど、デートの意味って知ってる?」
「男女で一緒に買い物に行くこと、じゃないの?」
『本当に世間知らずね』
ふと頭の中でティルの声が聞こえた。
「えーとなソレーユ、デートっていうのはな…」
俺は一からソレーユにデートとはどいうものなのか教えるのだった。
「問題ない」
「へ?」
説明し終わって早々、ソレーユはそう言った。言葉の意味がわからず俺は間抜けな声を出す。
「問題ないって?」
「私はライのこと好きだから」
「へ?」
今度は意味がわかってしまってでたマヌケな声だ。
「お嬢さん?どういう意味かわかってらっしゃる?」
これは一からまた教える必要があるかな?
「わかってる」
その必要は無いみたいだ。
「わかってるから、いってる」
「ち、ちなみにだけど、なんで好きになったんだ?」
「助けてくれたから」
「助けた?」
「うん」
「助けたって…」
俺が最初にソレーユと会った時は、敵対心むき出しで近づくなオーラが凄かった。正直、今思えばここまでよく進歩したと思う。それに、ソレーユはあの時魔力切れを起こして気絶してたはず。あれからずっと寝てたはずなのだ。ユグドラシルから託された時も。それとも…。
「掠れゆく意識の中で、ドラゴンがいた。でも、ライが助けに来てくれてた」
あぁ、それは確実にユグドラシルのことだ。しかも、恐らくシチュ的にあの洞窟から助け出した時のところだな。どう誤解を解こうか。と、悩んでいたが。
「大丈夫」
「なにがだ?」
「ライの言葉は信じる。だから、ユグドラシルに会う」
どうやら、ちゃんと、約束は覚えていてくれてたみたいだ。
「そうか」
「うん」
ソレーユはちょっと微笑んだ。相変わらず無表情に近い笑顔だが。ソレーユと触れ合ってほんの少しだけその違いに気づけるようになった。お互いに顔を見合わせて、俺もちょっとはにかむ。
そこでほんの少し沈黙が訪れる。そこからまた、ソレーユはデートを掘り返す。
「したく、ない?」
「いや、別にしたくないわけじゃないけど」
『なんで断らないのよ』
そんな俺の反応にティルが若干イラつく。
「いや、なぁ」
そんな俺の返答に今度はソレーユが反応する。
「ねぇ」
「ん?」
「誰と話してるの?」
「…は!」
そうだった、普通にティルと話してたけど俺以外にティルの声は聞こえないんだった!
「それは、えーと…」
そういえば、魔剣と聖剣の知識に関してソレーユは全くもってという程無かったんだ。どう説明しようか。と、こりゃまた説明に悩んでいるとティルが。
『まぁいいわ、最近あなた達がイチャついてて正直イライラしてたから』
そう言うとティル、ティルフィングが黒く輝き出す。そんな急な出来事にソレーユは目を丸くする。
気がつけばそこに、ティルが立っていた。闇色のドレスに赤い花の髪飾りをつけた。凛々しさを感じさせる美少女がそこに。人が目の前に現れてソレーユは何が起こったのか把握出来ずにいる。そんなソレーユにティルはスカートの裾をつまんでお辞儀する。
「初めまして、勇者のお嬢さん。私は魔剣ティルフィング」
「ま、まけん?」
「そう、私の主がお世話になってるわね」
「あ、主って…」
ソレーユは視線を横にスライドさせて俺を見る。俺は困り顔でやれやれとジェスチャーするのだった。
「じゃあ、あなたはライの…」
「そう、愛人よ」
「!?」
流石にティルの言葉には俺がびっくりした。
「ティル!?」
「間違いではないでしょう?」
「愛人…」
「いやぁ、うーん、間違ってはないんだろうけどこの場合すごい間違えてる」
「難しいわね、人の言葉は」
「あ、愛人なの?」
ソレーユがすごいおどおどしながら俺に聞いてくる。そんなソレーユに俺はちょっとした間違いを正す。
「えと、ティルは愛人じゃなくて俺の妹だ」
「???」
ソレーユはあまりのことに理解が追いついてないみたいだ。
「魔剣、なのに?」
「まぁ、そういう契約だからな」
「契約?」
「魔剣は聖剣と違って契約を結ぶんだよ」
「そうなの?」
「あぁ、その時に俺は妹と同じくらいティルを愛するって契約したんだ」
「妹…愛人…魔剣…」
ソレーユの目がぐるぐるしている。全くもって頭が追いついてないみたいだ。そんなソレーユに更にティルが追い打ちをかける。
「デートするなら私もついて行くわ」
☆
「ふぉっふぉっ、似合ってるのぉライ」
「そうか?」
俺はいつもの服ではなくちょっとオシャレな服に着替えていた。時刻は朝、と言ってももう十時ぐらいだ。そんな中、俺はグレイスおじさんの着せ替え人形にされていた。
「うむ、昨日買ってきたかいがあったのぅ」
そう、なんでこんなことになってるかというと昨日のことだ。
昨日、あれからデートの話になりすでに根回ししていた、というか確実にそう導いたであろう主犯、グレイスおじさんとパリベナおばさんは昨日のうちにデートの準備をしていたらしい。そうして俺はいま、こうして現代の若者が着そうなちょっとチャラい感じの服を着せられている。
「ふむ、これでばっちしじゃな」
最後にネックレスを俺につけてグレイスおじさんは満足そうに頷くのだった。
「お金はちゃんと持ってるおるな?」
「まぁ、というかこんなことでお金をもらうのは気が引けるんですが…」
ライはシスコンで馬鹿だが常識はちゃんとしてる。まさかデートのためだけにここまで用意してもらうとは…。軽い散歩ぐらいで済むと思ったのだがここまで本格的にされるとは。
「ふぉっふぉっ、デートにお金は付き物よ。さぁ行ってこい」
そう言ってグレイスおじさんは俺の背中を押した。
☆
場所は変わってグレイスおじさんたちの家から下に降りた場所にある小さな街、エドルワの街の公園にある噴水のある近場のベンチに座っていた。なんでも、デートは女性が遅れてくるもんだよぉ、とパリベナおばさんが俺を先に行って待ってるように言われたのだ。よくわからん。どうせなら一緒に行けばよかったんじゃないだろうか?
「女の子は色々と時間がかかるものなのよ」
「ティル」
いつの間にか俺の隣にティルが座っていた。ごく自然に、さもそこに居たかのように。しかし…。
「大丈夫なのか?いくら小さな街って言ってもそれなりの人通りはあるぞ?」
そう、ティルは大の人嫌いでそれこそ人前に絶対に姿を表さないほど。そんなティルがこんな堂々と街中に姿を現すなんて…。
「へ、平気よ。今すぐ剣に戻りたいけどあなた達だけでデートだなんて許せないわ」
「そんなにか」
今まで一切合切俺の前以外では人化したことないティルがここまでするとは、そんな嫌だったのか?俺自身、そんなデートって感じでもなかったんだけどな〜。
とか思っていると、デート相手が来たようだ。
「お待たせ」
「おう」
そこには綺麗におめかししたソレーユの姿があった。というか、え?こんなに綺麗になるものなのか?女の子って。ていうかソレーユ?
「ど、どう?」
「え、あ、めっちゃ綺麗だ」
「あぅ…」
思わず本音が出た。そんな俺の本音にソレーユが照れる。というか、照れるソレーユとか滅茶苦茶レアなんだが。えぇ〜、いつもジャージのような服を着て愛剣を片手に持ってる子が、こんな可愛く見えるとは…。驚きぃ!
「あぁ、えーと…」
というか、普通に何言っていいか言葉に詰まる。正直、デートなんてした事ないしそんなことに詳しいわけでもない。どちらかというと遠ざけていた。必要がなかったからな。でもこういうのって男がリードするんだってグレイスおじさんは言ってたんだよなぁ。どうリードしろと。せめてデートのアドバイスの一つや二つ欲しかった。
「みてられないほどイライラするわ」
そんな俺たち二人にティルがイライラしながら、隠す気なく素直にそう答える。
「まぁまぁ」
そんなティルの姿に俺は少し緊張がほぐれる。相変わらずさっきからイライラしているティルを落ちつかせる。ソレーユもソレーユで少し落ち着いてきたみたいだ。
「ん、何が気に入らないの?」
「こうしてデートしてること自体、かしら」
ティルはおもむろにソレーユを睨むのだった。今まで溜まってたんだろうなぁ、これ。
こうして、デート開始からそうそう険悪なムードから始まった。
そうしてまず最初に行ったのがちょっとオシャレなクレープ屋さんだった。内装もちょっと女の子向けのファンシーな感じ。周りにいる客もカップルばかりだ。そんな中、俺の目の前に座ってるデート相手であるソレーユとティルは相変わらず睨み合っていた。
(金よりも手が掛かるな、これは)
それがこのデートで感じた率直な感想だ。
ちなみにティルはブラックベリーのチョコクレープでソレーユはリンゴのバニラのせクレープだ。俺?買ってない。何故かと言うと。
「どっちがライに満足に食べさせれるか勝負しましょ」
周りのカップルがやってるアーンをみておもむろにティルは対抗心燃やしながらはなった一言から始まり、こうしてどちらが先に食べさせるか睨み合ってるのだ。
「いいわ、ここは先手を譲ってあげる。あなたからどうぞ」
「ん」
最初にソレーユが食べさせてくれるみたいだ。
「はむ」
たべさせてくれる、はずなんだけどソレーユはクレープをアーンすることなく食べた。まぁ、そりゃいくら周りがしてるからってアーンは恥ずかしいよなぁ。とか当たり前のこと思ってるとソレーユはクレープをそのまま口に含み俺に顔を近づけてくる。
「ソレー、ゆ?」
そのまま無言で俺に近づいてくるソレーユ。え、待って怖い。
ソレーユはそのまま躊躇うことなく俺にキスした。
「なっ!?」
ティルはソレーユの食べさせ方があまりにも予想外でビックリしている。もちろん、当のそれをされてる俺でさえもビックリしすぎてフリーズしている。そんな中でも唇に触れる柔らかさはしっかりと感じている。というか、え?甘いんだけど、これは…。
「んっ、口移し。これ以上の食べさせ方はない」
「んくっ!ソレーユ!?」
俺は口移しされたクレープをなんとか飲み込む。ソレーユのとった方法があまりにも、その、ね?積極的というか、やばいというか。ティルとかもう魚みたいに口をぱくぱくしてるし?
周りのカップルでさえキャーって黄色い悲鳴をあげてるよ。それを聞いて正気に戻ったティルが速攻でクレープを口に含み俺のところまでくる。
「ちょ!?てぃ、んぐっ!?」
ティルと呼ぼうとしたら有無を言わさず口を塞がれた。もちろん、ティルの唇で。今度はなんだか甘酸っぱい味が口の中に広がる。
「はぁ、はぁ、これで同じね」
「なかなかやる」
ティルは満足したのかちょっと頬をピンク色に染めてソレーユと向き合い睨み合う。ソレーユもソレーユで強敵を見るように睨み返している。
(これ、俺の体が持つかなぁ〜)
いきなりスタートがこれって。デートって激しいんだな。色々と。未だ口に残る甘く、酸っぱい感触を感じながらそう思うのだった。
あれからちょっと街を見て回っていたが、何をするにもティルとソレーユは勝負事に発展し、その度に俺が犠牲になっていた。果たしてこれがデートなのだろうか?グレイスおじさんの休むとはなんぞ?と思うほどに今の俺は疲れていた。まだお昼下がりだというのに。
「ん、どう?」
「あぁ、滅茶苦茶おいしい」
そう、俺はソレーユの手作りサンドイッチを口に含みながらゆっくりと味を楽しむのだった。俺達は今、街から出て丘の上で昼食をとっている。これがまたいい。気温はぽかぽかで太陽の光が暖かい。ソレーユの作ってきてくれたというサンドイッチは最高に美味しいし。
「むぐぐ」
ティルはそんなソレーユのサンドイッチを食べて悔しそうに唸っている。何故かと言うと…。
「甘く見てたわ、まさか料理もできるなんて…」
「家事は得意」
ソレーユはえっへんと胸をはる。そう、ティルは大がつくほど料理が苦手なのだ。その反対、ソレーユはいつもパリベナおばさんの家事の手伝いをしていた。家事が得意というのは本当だ。料理だって美味しいし気が利くし(パリベナおばさん曰く)。
俺は一通り昼食を平らげて草原のソファーに寝転がる。あぁ、気持ちいい。そのせいか、とても眠い。人は食べたら眠くなるのが一般的だ。それと、今まで溜まってた疲労のせいか俺はそのまま夢の世界に旅立つのだった。
「寝た」
「寝ちゃったわね」
ソレーユとティルはぐっすりと眠っているライを見て呟いた。
まるで赤子のように眠るライに二人共微笑む。そうしてお互いハッとなって顔を見合わせる。
「…」
「…」
しばらく見つめあった後、先にティルが音をあげるかのように大きなため息ををついた。
「はぁぁ〜、一体どこに惚れたのよ」
「シスコンなところ?」
「それを本気で言ってるなら私はもう何も言わないわよ」
「うそ」
「嘘でよかったわ」
ライが寝たことで、緊張の糸がほぐれたのか、二人はなんだか打ち解けあったように話し合っていた。
「まぁ、どうあれ好きになるのは構わないわ」
「いいの?」
「好きなること自体はその人次第じゃない、誰も文句は言わないわ」
「意外にきっちりしてるのね」
「問題は本人がどうするかよ」
そう言ってティルは優しくライのほっぺをつつく。
「本人?」
真似てソレーユもライの反対側のほっぺをプニるのだった。プニられてるライはくすぐったそうに身じろぎするだけで起きる様子はなさそうだ。それだけ、日々の鍛錬に疲れていたのだろう。そういう意味では今日の休みは彼にとって本当の休みになるだろう。
「そうよ。あぁ、それと普通の告白じゃ断られるわよ」
「どうして?」
「あなたが思っている以上にライはシスコンってことよ」
「そんなに?」
「えぇ、なにせ妹一筋だから」
「うーむ」
ソレーユもライに妹の話は聞かされたことはあるが。うん、確かに私よりもシスコンだって思えるほどに彼はシスコンだった。
これは難関かもしれない。いや、思った以上に簡単かもしれない。
「あっ」
「なによ、なにか思いついたような顔して」
「ティルは魔剣だけどライの妹?」
「まぁ、そうね」
「なら、大丈夫」
「??」
ソレーユの言ってる意味がわからずティルは頭にハテナマークを浮かべるのだった。
「スッキリした」
「藪から棒になによ」
「心のモヤモヤ晴れた」
ソレーユの言う、心のモヤモヤとは青春に味わうあの恋のモヤモヤではない。ティルに対してのモヤモヤだ。だからってティルのことが好きだ!というモヤモヤでもない。ずっと不思議だったのだ。ソレーユにとってのこの初デートとも言える今日。真っ向からそれを邪魔するといったティルに対して嫌悪感というか、そういう負の感情がなかった。つまり、ティルがデートに付き添っても嫌とは感じなかった。確かに、邪魔?ばかりして全部勝負事に発展した。それでも、嫌とは思わなかった。そのことをずっと不思議に思っていたが今の彼女を見てわかった。それは…。
「ティルはとても優しい」
「はぁ!?な、何よ急に、ふ、ふん!」
そんな素直なソレーユの言葉を浴びて、ティルは恥ずかしくなり顔を背ける。なんだかブツブツ言っているけどそれは彼女なりの照れ隠しだとわかる。
「もし、よかったら友達に…」
「それは嫌よ」
ソレーユの言葉が言い終える前にティルは拒否した。
「どうして?」
「それは、あなたが恋敵だからよ」
「おー」
そんなティルの言葉を聞いてソレーユは納得してしまう。てっきり嫌われようとしていたティルには誤算だった。
「あなた、変ね」
「ライにもよく言わる」
「…、ぷっ、くすくす」
「??」
「はぁ〜、なんでもないわ。笑ったりして悪かったわね」
「平気」
「ほんと、どうしてこいつの周りはこんな変な奴ばかりなのかしら」
ティルもライとと同じように草原のソファーに寝転がった。ソレーユも真似るようにそうする。
「告白、成功するといいわね」
「恋敵なのに応援するの?」
「あら、そういう知識はあるのね」
「燃えるっておばさんが言ってた」
「そう、でも先に言っておくと私たちの恋は普通の恋じゃないわよ?」
「それでも彼に愛し愛されるのなら構わない」
「歪んでるわね」
「元から歪んでる」
「そうね、二人共妹のためにここまで来てるのだから。相当、歪んでるわ」
「ふふ」
そんな歪な恋に真正面から付き合ってるティルの姿を見てソレーユが、ほんと、珍しく笑った。そんな姿をティルはライを挟んで寝ているから見れたわけではないけど、ハッキリと彼女が笑ったのを感じた。
「風が気持ちいいわね」
「うん、いつも受ける風と違う、優しい風」
そう言って二人共、ライの片腕に抱きついて眠りに落ちるのだった。
これが、ライとソレーユの、そしてティルの初めてのデートだ。
この後、ソレーユがライに告白するがそれはまたの機会に話そう。だってそっちの方が、楽しみを取っておけるだろ?
ごめんなさぁぁぁい!!
大幅に更新が遅れてしまって本当に申し訳ございません!
ということで、いつも読んでくださってる皆様方、本当にありがとうございます!
三月までに3章終わらせるって言ったのに全くできず今日まで引き伸ばして本当すみません!
理由?理由は、まぁ、単純にスランプになってしまったのだ。設定も何も無いのにスランプもクソもないがな!とりあえず、いろいろと迷走してて書けなくなったのだ!いや、まじで。あまりにもかけないからやばかった。そして4章の内容さえもまだわからない!さぁピンチ!
な、我である。
とりあえず、頑張って書いてみるがもう訳が分からなくなった本当申し訳ない!とりあえず最後まで書く!それが魔王精神だぞ!
ライ「スランプかぁ」
ソレーユ「ライはないの?スランプ」
リーナ「にぃ、すら、んぷ、ってなに?」
ティル「スランプっていうのは今まで出来てたことが出来なくなってくるようなことじゃないの?」
シェルさん「大幅あってるわね〜」
ラン「久しぶりの登場ね」
ライ「そういえば、仮面野郎消えたな」
ラン「忙しいんじゃないの?」
ネア「死んだのに…」
シェル「あらあら〜」
アリシア「現れてもこまるぞ!」
ライ「ま、そりゃあそうだよな」
ソレーユ「平和が一番」
ネア「そう、ね」
ライ「ということで次からは遂に4章」
ティル「ちゃんとエピローグも挟んでよ」
アリシア「もう、お兄ちゃんのライバルが増えないことを祈るぞ!」
リーナ「じ、かい」
ネア「滅茶苦茶なエピローグ」
リーナ・ネア「つぎもみて、ね」




