滅茶苦茶な姉妹
「お久しぶり、ライ」
「なん、で…」
ユグドラシルの背に乗っているのは間違いなくソレーユだ。それはわかる。なぜなら、八年前と姿形が変わっていないのだから。その姿に、ルナも驚く。
「おね、ちゃん?」
「ごめんね、ルナ。今まで一人にして」
「お姉ちゃん!」
ソレーユはユグドラシルの背から飛び降りルナを抱きしめる。ルナもルナでソレーユに抱きつく。
『どういうことかしら?』
「それは俺が一番知りたいよ」
あまりの急激な展開に俺はついていけてない、ティルもね。
「なぁ、これはどういう事なんだ?」
俺は感動の再開をしている姉妹を置いといてユグドラシルの元に行き理由を聞く。
『ふむ、前の知りたがりと変わっておらんのぅ小僧』
「うーん、あまりにも超展開すぎて俺の頭じゃ到底理解できないんだけど?」
『儂を敵だと忘れたか?』
「それは忘れちゃいないさ、ある程度の想定はできるけどソレーユのに関してはわからん」
『ならば本人に聞くのが筋じゃろ?』
そうユグドラシルに諭されて黙り込む。だってねぇ?今行くとルナが怖いし、感動の再開を邪魔するのも気が引ける。ということで、ライは大人しく待つことにした。
数分後、二人は抱擁を解き話し合う。ちょっとしたらソレーユが俺の方へと歩いてきた。俺は一応、いつでも防御できるようにと、ティルをすぐに構えれるように手に置いておく。ソレーユは俺の前まで来て見上げる。というか、あの頃とソレーユは身長も変わってないわけで俺の半分の身長しかない。
「元気にしてた?ライ」
「まぁ、いろいろと楽しく生きてはいたけど。ソレーユの方こそどうしたんだ?その、色々と聞きたいことがあるんだが…」
「全部答えるから順番に質問して」
「あ、答えるんだ」
「そっ、色々と聞きたいって言ってたからサービス」
「なるほど、じゃあお言葉に甘えて」
ユグドラシルに聞けなかったことも遠慮なく聞くことにした。俺は真剣な顔でソレーユと向き合う。ソレーユも真剣な表情になる。
「パンティーは何色?」
「ピンク」
真剣な表情のままソレーユは答えた。
えぇぇぇぇぇ、それ答えちゃうの?いや、全部答えるって言ったから言ったんだろうけど、悩む素振りも見せずに即効で返してきたね。
「それだけ?」
それだけ?それだけじゃないよ、むしろそれじゃないよ聞きたいこと。なんでそんな普通に可愛らしく首をかしげてるの?俺はそれが不思議だよ。ていうかルナさん?若干であるけど怖い顔してるよ?この距離で話し聞こえてるのかな?
「いや、今の悪かった」
「別に、全部答えるって言ったから構わない」
「だとしても、ごめん」
「ライは変わったね」
「ん?そうか?むしろ俺にはソレーユが全然変わってないように見えるんだが」
「まぁ、ね。知りたいことってその事についてもある。でしょ?」
「まぁな、正直びっくりした」
「だと思うよ、でもこのことを一から話すと長くなるからまた明日でもいい?」
「あ、あぁ」
「他に聞きたいことは?」
「じゃあ、ユグドラシルについてだ。なんでここにいんの?」
「私がそうさせた」
そうソレーユはユグドラシルを見る。ユグドラシルは恭しくその頭を下げるのだった。
「どゆこと?」
「簡単に話すとユグドラシルは私の龍ということ」
「へ?」
「ライは勇者についてユグドラシルから聞いたでしょ。私のことも」
「ま、まぁ…」
「勇者の一族は一夜にして消えた。混沌龍によってね」
「あぁ、それは知ってる」
「けどね、その生き残りはいたの。それが私とルナ」
「だから、勇者の末裔なのか」
「違う、勇者と姫の間に生まれたのが私たちだからこそ勇者の末裔なの」
「じゃ、ソレーユとルナは本当に勇者から生まれた…」
「そう、私とルナの父は元勇者。そして、フェデルカの姫が母。私たちは純血の勇者一族なの」
「なら、ルナが俺のことを魔王と呼んだのも」
「そう、勇者一族の勘が教えているの。あなたが私たち勇者が倒すべき魔王だと」
「俺が魔王?」
「そう、ユグドラシルから聞かなかった?」
「いやまぁ、今までの事考えて大体想像はつくんだけど。俺が魔王ねぇ」
「自覚ないでしょ?」
「あるわけないね、なにせ俺は普通の帝国かどうかは知らないがそこで生まれて。母親も父親も普通だったし、それに妹もいる」
「そう、でもルナから聞いた。妹さんからは感じられないんだ、って」
「感じられない?」
「魔王一族としての気力みたいかものが」
「それは俺からは出ているのか?」
「うん、でてる」
えぇ〜、じゃあ俺は魔王としてソレーユ達に殺されちゃうの?そういう宿命なの?もう色々とついていけないよ?
「ま、今日はもう遅いし詳しい話は明日にしよ。祭りごとがあったみたいだし疲れてるでしょ?」
「いろんな意味でな」
若干皮肉をこめて返してみたがソレーユは気にせずルナの方へ歩み寄る。
「それじゃあ今日はルナと積もる話もあるからじゃあねライ」
そう言ってソレーユはルナとこの場をあとにした。残された俺はしばしずっと考えるのだった。
『まぁ、安心するんじゃな小僧』
「なんで?」
『あやつは少なくとも、珍しいことに主との共存を望んでおるからな』
「へ?なんで?」
『儂が言えるのはそれだけじゃ。詳しくは明日にでも聞け』
「ふーん、ならそうするけどさ」
俺はほとんどの事を明日に回すとしてユグドラシルを見上げる。
『なんじゃ?』
「おまえ、どうすんの?」
そう、いまは広い湖にいるから大丈夫だがユグドラシルの巨体は正直、隠しようがない。夜ということと終幕祭とも相まってこちらの様子に気づく者はいないが。
『ふむ、それには少々儂も困っていた』
「えぇ、前みたいに仙人になるとかできないの?」
『あれは儂の庭じゃったからできたことじゃ』
「湖に沈む?」
『死ぬわ、バカタレ』
「えぇー、じゃあどうすんの?」
『だから困っとると言っておろうが!』
俺はまた別のことで頭を悩ますのだった。
メリークリスマス!
ということで、いつも読んでくださってる皆様、ありがとうございます!
ふふふ、クリぼっちすぎて書く暇ができたからちょこちょこっと書いたぞ!
皆も良き聖夜の日をな!
ではさらばだ!
アリシア「メリークリスマス!」
リーナ「めり、くり」
ティル「メリークリスマスよ」
ネア「メリークリスマス、ね」
ルナ「メリクリー!」
ソレーユ「メリークリスマス」
フィナ「メリークリスマスよ!」
カオス「メリークリスマスじゃ!」
シェル「メリ〜クリスマ〜ス」
ラン「メリークリスマス」
リミア・エルザ
「「メリークリスマス!!」」
花蓮「メリークリスマスやね」
エルちゃん「メリー!そしてクリースマス!」
エイラ「メリークリスマス!」
バカ4人組
「「「「メリークリスマス!!!!」」」」
ライ「メリークリスマス」
グラウ「め、メリークリスマス」
ライガル「メリークリスマス!」
アベルト「メリクリ!」
ハンゾウ「メリークリスマスでござる」
グレイ「メリークリスマス」
レグナス「メリークリスマス」
十二彗「「「メリークリスマス!!!」」」
エルド・ラルフ
「「メリークリスマス!!」」
イグ・ガウズ
「「メリークリスマス!!」」
ラック「メリークリスマス」
モルー「メリークリスマス」
フィール「…メリークリスマス」
アグナス「メリクリぃ」
テナ・ミリル・ザック
「「「メリークリスマス!!!」」」
クレスト・リラ
「「メリクリー!」」
ファルシス「メリークリスマス」
ルウス「メリークリスマス」
イグザ「メリークリスマス」
ターティル「メリークリスマス」
パリべナおばさん・グレイスおじさん
「「メリークリスマスじゃ、ね〜」」
ユグドラシル
「ふむ、聖なる夜とは興味深いのぅ。
メリークリスマスじゃ」
レベン「メリークリスマスでぇすねぇ〜」
???「いつになったら我の出番がくるのか!?メリークリスマス!」
ライ「改めてこう見ると沢山いるよな」
グラウ「そうだな」
ルナ「結構いるよねー」
アリシア「出番が少ない!」
ルナ「今回は私とお姉ちゃんのパートだからね!」
ソレーユ「ごめんね」
ネア「むぅ」
ティル「ま、せっかくの聖夜なんだし仲良く行きなさいよ」
リーナ「そ、う、きょう、は、とくべつ、な、ひ」
ライガル「そうだ、リーナの言う通りみんな仲良くだ!」
フィナ「私たちやつもまだだし…」
カオス「早くするのじゃ!」
ユグドラシル「他の龍はいつに出るのか楽しみじゃのう」
ライ「ということで!」
ルナ「これからも!」
グラウ「滅茶シス!をよろしくな」




