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滅茶苦茶なシスコン剣士の妹件  作者: 魔王
メインヒロインだったはずの勇者の末裔
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滅茶苦茶なクラス対抗戦 その当日 前編

俺たちは今、前に試験試合で行った闘技場に来ていた。そう、今日はクラス対抗戦。アリシアクラスとフィナクラスのガチンコ勝負である。

「よっしゃぁ!今日もはりきっていくぞぉ!」

「「「「おおおぉぉぉ!!」」」」

その準備室でアリシアクラスは自然とリーダー格になっていたガサツだがとても面倒見がよくみんなから慕われるアベルト・バートナーが気合いを入れる。それに合わせてみんなも気合いが入ったのか叫ぶ。

「全力でいくぞぉー!」

「「うらぁぁ!」」

「「いぇーい!」」

こうして、俺たちのクラス対抗戦は幕を開けるのだった。



準備室で気合を入れた後、このクラス対抗戦の開会式に行くのだった。開会式にはグーデンが最初に挨拶し、続いてグレイツバルとレグナスのおっさんが恥ずかしながらも挨拶をする。その後は、学院のお偉い方やらその他。開会式が終わりその10分後にはすぐに第一試合が始まるとのことでみんな緊張していた。だが、それ以上に笑顔だった。ライはそんなクラスを見て、心配ないなと思いみんなに最後に一言言って審判席に向かうのだった。

「んじゃま、頑張れ〜」

「おう!ちゃんと見とけよ!」

「寝たら許さないからね〜」

「そうですね、寝たら賞品半分分けてあげませんから」

そう答えてくれたのはいつも教室に入ると必ずいて挨拶を交わす三人組。


赤髪短髪天然でくせ毛がポイント、いつもどこかしらに絆創膏がはってあるやんちゃなイメージがすぐに想像できるアリシアクラスのムードメーカー、エルド・シュタフ。


青紫色の長い髪を縛ることなく頭に黒薔薇のカチューシャをして、青色の瞳は何を考えてるのかたまにわからない時があるいつもジト目な子でクラスではちょっと怪しい感じを漂わす不思議っ子、リミア・レノン。


黒色の髪をきちっと決めてまるでスーツ服でも来てるかのような着こなしで学院服を着ている、メガネをつけてるんじゃないかと思わせるような雰囲気を醸し出す優等生。この2人をいつも後ろで支えているイケメン紳士で非常に女子からも人気があり、みんなのサポート役でもある、ラルフ・バーシュ。


そんな3人はまず最初の第一試合にでるようだ。俺はそんな3人に返事する。

「ちゃんと見とくからせいぜい頑張るんだな!」

「うぜー!」

「後悔させてあげる」

「そうですね、私たちの本気を見せてあげますよ」

そんな俺の反応にそれぞれが応える。とても笑顔で。なんだかんだ言ってみんな今日を楽しんでいるのだ。

何事も楽しく、それがアリシアクラスの矜持みたいなものだから。



このクラス対抗戦はいくつかの種目に分かれての試合となるらしい。簡単に説明するとまず第1回戦目のエルド達が出る試合は3対3だったり、他にアベルトが出る試合であればチームワークを試される10対10など。もちろん、1体1もある。ただ単純に人数が違うだけなのだがそれぞれの実力とチームワーク力が充分にわかる試合だった。まぁ、後は人数が多いからという理由もあるだろう。まぁなにせ、アリシアクラスとフィナクラスはともに100人弱もいるのだから。当然といえば当然だな。

俺は先に座っていたグラウの横に座る。

「相変わらずだな」

「それがうちのクラスだからな」

そうグラウとライが一息つくとグレイツバルが席から立ち既にスタンバイしていたエルド達とフィナクラスの生徒の真ん中にいく。そこで審判用の剣を地面に刺す。

「お互い準備はいいな?」

「「「はい!」」」

「「「はい!」」」

グレイツバルのことばにそれぞれが返事をする。と同時にそれぞれ真ん中から5mほどの距離をとって構える。

「抜剣!」

グレイツバルが試合の合図を叫び地面に刺していた剣を抜いて後ろに下がる。その合図とともに6人が一斉に剣を抜き放つ。

「よっしゃぁ!サポート頼むぞラルフ」

まず最初に突貫したのはエルドだった。今までの戦闘スタイルと変わりなくフィナクラスの生徒達に突っ込む。

「全く、人使いがいつも荒いですね」

そういいながらもラルフはエルドの後ろにつく。リミアはというと…。

「じゃあ二人共頑張ってね〜」

手をひらひらさせながらその場から動かなかった。そんなリミアにエルド達はそれぞれアイコンタクトを送ってそのまま振り返らずにフィナクラスに突っ込む。フィナクラスも2人だけで急に攻められて戸惑いはするが焦りはしなかった。

「ガウズ!」

「任せろ!」

フィナクラスはそんなエルド達にガウズと呼ばれた難いのいい大男が前に出る。ガウズは抜き放った二つの剣でエルドと対峙する。

「なかなかつえじゃねぇか」

「おまえもな、小さいくせにどこにそんな力があるんだ」

「ちいせぇいうな!」

そういう2人はギリギリと剣を重ね合わす。エルドが1本なのに対してガウズという男は2本の剣で対応しているが決して数が多いから強いというわけではない。鍔迫り合いは1点に対する力が強い方が勝つ。つまり、逆に双剣のガウズは2本で力が分散してる分弱くなる。

「うぉらぁぁ!」

エルドが力ずくでガウズの双剣を弾く。

「っ!?」

弾かれたガウズはその巨体ゆえ、仰け反りから体制をすぐには整えられず大きな隙を作る。

「もらったぁぁ!」

そこに容赦なくエルドが一太刀浴びせようと距離を詰める。

「させるか!」

そこにすかさずフィナクラスのガウズと連携していた男子生徒、イグが割って入る。不意の相手のカバーにエルドは怯むかと思いきやその顔は作戦通りに行った時の笑みになっていた。

「まってましたぁ!」

エルドは構わず剣を大振りにする。傍からみたら隙だらけの攻撃だがカバーに入ったばかりで弾くことしか考えなかったイグにはそれを防御する術はなかった。

「ぐぁあ!」

そのままイグは勢いのまま後ろに飛ばされる。

「くっ!」

すぐにガウズがイグのカバーに入ろうとする。しかし…。

「あなたの相手は私ですよ」

それをラルフが邪魔をする。そんなラルフのがら空きになった背中をもう1人のフィナクラスの生徒、長く紅い髪を後ろに縛った女生徒エルザが狙う。

「はぁぁぁ!」

その動きは速く、エルドのサポートは間に合わない。

「もらった!」

ラルフはエルザが来ているにも後ろを振り返らない。そんはラルフの背中にエルザは渾身の一撃をラルフに叩き込む。だが、その刃はラルフに届くことは無かった。

「なっ!?」

「あまあまだね〜」

そこにはいるはずのないリミアがいた。まるで瞬間移動したみたいに。エルザはすぐさまに距離をとる。

「ありがとうございますリミア、助かりました」

「まったく〜、私を働かせないでよね」

リミアはずっとラルフの背中についていたのだ。姿が見えなかっただけで。いや、認識させないように動いていたのだ。確かにリミアはラルフの背中で隠れれるほど小さい、しかしそれだけでは混沌龍との訓練を耐え抜いてきた彼らを惑わすことは出来ない。けれど、リミア達も伊達にネアに鍛えてもらってない。リミアは元々闇魔法にけている部分があった。そこをネアは見逃さずこっそりと指導をしていたのだ。そのお陰でリミアの闇魔法ぐーんと能力が上がったのだ。認識阻害の幻惑魔法ジャバク、それがリミアが使った魔法。ネアに教わるまでは対象は一人しか選べなかったのだ。それ故に戦闘向きではなかったのだが、それもいまとなっては最大五人までにかけることができ、なおかつほかの人にもかけることができるようになった。それに、激しく動けばすぐに魔法が解けていたのにいまではそんなことは起こらなくなった。まさしく、鍛錬の賜物だろう。


「さぁ〜て、女の子同士で女子会でもやります?」

「まさか、魔法を使ってくるとは思わなかったわ…」


「さて、これであなたのサポートについてくれる人はいなくなりましたね?」

「策士か…」


「どんどんいくぜぇ!」

「負けられるかよ!」


そうエルザはリミアと対峙する。同じく背にして立つラルフはガウズと対峙、エルドはイグともはや剣戟を打ち合っていた。それぞれうまい具合に分散させたエルド達は流石というべきか。フィナクラスの生徒達は完全に罠の中だった。ライもライでおもうことがあった。

(いまのこいつらと戦うのはちょっとめんどくさいかもな)

エルド達3人は初級生の頃からずっと一緒だったと聞く。それからずっと一緒のクラスだったとか。そのせいかどうかは知らないけどあの三人組のコンビネーションは十二彗にも匹敵する。レグナスなんか目を張って見てるし。しかし、分散させられたガウズ達も一筋縄でいくような相手ではなかった。

「くっ!」

「さっきまでの勢いはどうしたよ!」

みれば、エルドがイグに押されているのだ。

「あはは、ちょっときついね〜」

「女子会は始まったばかりよ?」

リミアがエルザに壁際まで追い込まれていっている。

「なかなかやりますね」

「ちっ!」

ラルフは普通にガウズを追い詰めていた。

とまぁ、ラルフ以外は基本的に個人戦に持っていかれると弱いのだ。なにせチーム力が取り柄の三人組だから。まぁ、ラルフは例外的に強かったからガウズをおせているが残りの二人は中の上程度だった。エルドはイグの激しい攻撃に同じく自分の攻撃を重ね合わせて対処する。リミアはうまくジャバクを使ってエルザを翻弄する。ラルフはずば抜けた剣術でガウズの双剣を弾き追い詰める。どちらも五分五分、いい試合だと思う。そのまま混戦に持ち込むかと思いきやそうはさせなかった。やはり、チーム戦となるとエルド達の方が上みたいだ。

「私とダンスを踊っていただけませんか?」

「くぅ、なかなか手強いわね」

ラルフがエルザの相手を。

「男なんだからちゃんとエスコートしてよね〜」

「なっ!?どこから!?」

リミアがイグの相手を。

「いくぜ!」

「さっきのようにはいかせん!」

エルドがガウズを相手にしていた。

そう、エルド達は状況によって相手を変えているのだ。振りになると思えば速攻で迅速に、かつ的確にガウズ達の不意を突き即座に自分たちの位置と相手を変える。ガウズ達はその動きに翻弄されたまま対策が立てれない。そしてそのまま…。

「なかなかでしたよ」

「あ〜、疲れた〜」

「かっかっか、かったぜ!」


「くぅ」

「まさかここまでつよいとは…」

「完敗ね」


3人ともお互いに握手を交わす。そうして第一試合は無事終わりを告げた。そんな最初からハードな戦いに見に来ていた大臣たちや三年生は目を見張り二年生たちは大いに盛り上がっていた。

こうして着々と試合は行われていった。


なんか最近遅れてばっかという忙しいのだが…。

ということでいつも読んでくださってる皆様方、ありがとうございます!

あーだーこーだやってたらいつの間にか日曜日!昨日の記憶が無い我だが今週と来週も大いに遅れる可能性大、すまぬ!他のも書き進めていきたいのだが10月は恐らくメチャシスでいっぱいいっぱいだとおもう。せっかくグラウのパート書き進めていってたのに!

ということで!またな!サラダ油!人間ども!



ライ「リアルが忙しいから書けないってグラウ」

グラウ「ふん」

ルナ「そういえば、ライとグラウがあるってことは私のストーリーもあるんじゃないのかな?」

※ありません

ルナ「ひどい!」

ライ「あるとしても個別ストーリーだな」

ルナ「むぅ!」



エルド「いやぁ、無事勝ったな!」

リミア「賞品楽しみ〜」

ラルフ「ですね。あ、ちなみにですが…」

ライ「次回!」

エルド「おいこら!ねてたろ!」

ライ「なんのことかな?」

リミア「はい罰として私にちゅーしなさい」

ライ「ワッツ!?」

ラルフ「そうですね、罰ゲームは必要ですね」

ライ「内容おかしくないですかね?きいてないっすよー」

エルド「罰ゲーム!」

ライ「だから!」

エルド「ケツバット100回!」

ライ「ふぁ!?」


エルド「次回!」

ラルフ「滅茶苦茶な対抗戦 その当日 後編」

リミア「次回もみてね〜」


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