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部屋は思ったよりきれいだった。
大きさで言うと3畳間よりちょっと小さいくらいだろうか、その半分をパイプで出来た簡素なベッドが占めている。あとは、小さいテーブルとテレビ。ああ、テレビはあるんだ・・・。それに小さなクローゼット。一応窓はあるが、開けてみると隣の建物の壁が目の前にあった。
部屋の端に手洗いくらいの流しと、古い電気コンロがある。これでお湯くらいは沸かせるだろう。
バックパックからタオルと石鹸を取り出してシャワー室に向かった。
日本を出る前にシャワーを浴びただけだから、体がべたべたして気持ち悪い。ロサンゼルスは乾燥しているとは言うものの、やはり汗はかく。
シャワー室のドアを開けてみてなるほどと思った。
要するに、部屋も、シャワー室も、学生寮のような作りなのだ。
これで一階に食堂でもあれば完全な学生寮だ。
古びたタイル貼りの部屋に、シャワーヘッドがいくつか並んでいる。
もちろん日本の銭湯ではないから、立ったまま浴びる。
隣のブースとの間仕切りは申し訳程度にあるが、気休め程度だ。
これで女の子でも居たらどうするのだろう。
そんな余計な心配をしながらシャワーを浴びた。
着替えて部屋に戻ってから気づいた。
洗濯はどうするのだろう。近くにコインランドリーとかあるのだろうか。
まあいい、後でおばさんに聞いてみればいい。
洗濯物をとりあえず袋に投げ込み、ベッドに横になった。
ずっと飛行機に乗っていたのと、時差ボケとでくたくたに疲れていた。
腹も減っていたが、少し眠ってからにしよう。
そんなことを考えたか考えないかのうちに眠りに落ちていた。