表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
歳の恋  作者: 新庄
13/13

新たな朝

 

 田仲は唖然とした。昨日まで長く茶色かった純香の髪が、首が丸見えになるほど短くなっていた。純香がマフラーを外した瞬間の、衝撃だった。田仲はゆっくりと近づく。


 「好きなやつにでも、ふられたか?」


 いつものように、皮肉から純香に話しかける。


 「うん。すっきりした…」


 純香は素直に答える。その反応に田仲は驚いた。すっきりしたとは髪のことか。それとも気持ちの面でか。いい返答が思いつかない。


 「ははっ。そこは馬鹿にするとこでしょー!?」


 純香は豪快な笑顔を見せる。ちらりと見える八重歯が、幼さを感じさせた。


 「…まぁ、モテるんだし。他に男なんていくらでもいるしな」


 田仲は、珍しく真面目に返した。


 「…笑えよ。馬鹿」

「……ごめん」

「田仲が謝るの、初めて聞いたかも。あっ! 先生にはしょっちゅう怒られて、謝ってるかー」

「うるせっ!」

「ははっ。ジョーダンよ」







 「佐藤、今日空いてるか?」


 挨拶より先に、立見に誘われた佐藤。会社の入り口で立ち止まる。


 「…っびっくりした」

「すまん」

「飲みに行きたいのか? お前の愚痴なら、喜んで聞いてやるよ」

「悪いな。夜中まで付き合わすかもしれん…。嫁さんは、大丈夫か?」

「立見と飲むんだったら、安心してオッケーくれるぞ。まったく……」

「そうか。助かる」


 立見はおかしそうに笑う。




 2人の新しい朝が始まった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ